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BDI (Baltic Dry Index) とは何か

私のnoteを読んでいただいている皆様の中には、株式投資で海運業界に手を出している方もいらっしゃると思います。今回はそんな方々が普段良く目にするであろう BDI についての解説を行います。

BDI (Baltic Dry Index) = バルチック海運指数

とは言え、私はこれまで BDI というものに直接触れる機会が少なかったので、まずはWikipediaから抜粋した以下の引用をご覧ください。

バルチック海運指数は、ロンドンのバルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数。バルチック海運取引所は海運会社やブローカーなどから鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を聞き取り、結果を取りまとめて同指数を算出、発表する。基準となる1985年1月4日を1000として算定している。現在、以下の重み付けで指数を計算している。

ケープサイズ - 40%
パナマックス - 30%
ハンディマックス - 30%

バルチック海運指数は指数であり、実際の取引価格とは異なる。バルチック海運取引所はバルチック海運指数のほか、不定期船のサイズ・航路毎に実際の取引価格指標となる運賃をドル建てで発表している。

指数の変動要因としては海上荷動き量の他に、主要港湾における船腹の沖待ち増加を受けた滞船、荷役のためのインフラ能力の過不足、ハリケーンやモンスーンなど気象の影響などが挙げられる。

株式市場においては、海運会社の株価への影響が大きく、特に不定期船を主力とする会社の株価とは連動性が高い。

大事な部分だけを抜粋してみました。ポイントは以下です。

①基準となる1985年1月4日を1000とした外航不定期船の運賃指数
②バルチック海運指数は指数であり、実際の取引価格とは異なる
③株式市場においては、海運会社の株価への影響が大きい

また、船型によって BDI に与える影響の比重が異なることも抑えておきたいですね。船型が違えば、運ぶ貨物も変わってきます。

ケープサイズであれば鉄鉱石/石炭がほとんどです。
パナマックスであれば石炭/穀物/塩/その他金属が多いです。
ハンディマックスであれば穀物/塩/その他金属が中心になるかと思います。
*ハンディマックスについて筆者はあまり精通しておりません。

ケープサイズとパナマックスの説明は、以前プロフィールの記事 (名前の由来) でも少し触れております。もし興味がございましたらご一読ください。


BCI (Baltic Cape Index) と BPI (Baltic Panamax Index)

上記のWikipediaの引用でも記載の通りBDIは指数ですが、バルチック海運取引所はこのほかに不定期船のサイズ・航路毎に実際の取引価格指標となる運賃をドル建てで発表しているのです。

バルチック海運取引所はバルチック海運指数のほか、不定期船のサイズ・航路毎に実際の取引価格指標となる運賃をドル建てで発表している。

ケープサイズなら BCI (Baltic Cape Index)
パナマックスなら BPI (Baltic Panamax Index)
ハンディマックスなら BHI (Baltic Handysize Index)
ほかにも BSI など船型によってさまざまな指標があります。

これらは指数ではなく実際に取引されている金額を基に発表されているものなので、BDIよりはイメージがしやすいのではないでしょうか。


BCIの指標の見方 (具体例)

イメージを形にするために、具体例を挙げてみましょう。

本記事を書いている前日の2021年11月25日の BCI C10 は $31,007 でした。
平たく言うと、中国を出帆し、オーストラリアの鉄鉱石を積み、中国に運ぶためのケープサイズの船を1日借りるのにかかるコスト (= 傭船料) が $31,007 ということです。

発表される指標はあくまでも目安なのですが、この数字は実際の取引された金額に基づいて発表されているので、海運に携わる人々は毎日これらの指標に注目しているのです。

ちなみに、先ほどサラッと BCI C10 と書きましたが、この「C10」が航路を表しています。ただのコードだと思っていてください。様々な航路に対してこのようなコードが割り当てられているイメージです。


今回はこれくらいにしておきます。
BCI や BPI についても追って解説していきたいと思います。

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