ロマンチストなんだぜ

創作物のハッピーエンドってだいっきらい。

だってさ、嘘じゃん。そんなのって。綺麗事ってやつだよ。

初恋は実らないしさ。夢も叶わない。毎日毎日頑張ってもさ、誰も褒めてくれないし！

あー！もうやんなっちゃうなー。

そんなのが現実じゃん。本当にもう、超やなんだけどさ。

それでさ、映画とか、漫画とか、アニメとか？人気の小説とかさ。ハッピーエンドが好きな人って多いじゃん。

私は無理。あんなの。信じられない。それならさ、ビターっていうか、バッド・エンド？

あっちの方がさ、人生の真実をついてると思わない？本当だと、思わない？

みんなさ、心の中は暗いじゃん、黒いじゃん。真っ黒クロスケじゃん。怖いこと、自分の欲しいもののこととかばっか考えてるじゃん。

きっとさ、世界って、そういう風にできてるんだよ。

戦争だってさ、世界のあちこちで起こってるし、ずっと終わらない。

毎日毎日、泣いている人がいるの。痛い人がいるの。哀しい人がいるの。
でもね、そんな人も、私は助けられないの。見て見ぬ振りするの。毎日。

だってね、手を差し伸べたらね、自分に災いが降り掛かってくるもの。そんなの、いや。

みんな、いやだと思う。だから、ますます、皆が皆、見て見ぬ振り。

善人は報われないの。損するの。

え？うん。そうだよー。私は悪人だよ。でもさ、悪人も報われないの。

得はするよ。ちょびっと。ほんの少しだけ。楽にね、なれるかも。
でもね、そんなのも、虚しいよ。

だからね、結局は、バッドエンドなんだよ。世の中、全部。

ねぇ、アンデルセンの『ひなぎく』ってお話知ってる？哀しい、誰からも愛されないヒナギクのお花が、最後には、誰からも忘れられて、そのまま終わっちゃうお話。誰もね、ひなぎくのことをね、思い出さないの。永遠に。

ああ、うん。私は、覚えておいてあげたいな。ひなぎくのこと。

ねぇ、私ね、ハッピーエンドは大嫌い。でもね、ハッピーエンドがね、誰よりもね、本当は、欲しいんだよ。

ああ、皆も、そうだから、きっと、ハッピーエンドが好きなんだね。