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指輪物語と、映画に関してのだらだら話

Amazonが仕掛ける『ロード・オブ・ザ・リング』のドラマ版が、2022年9月より配信される。まぁ、来年の話をすると鬼が笑うと言うが、楽しみではある。
映画版とは別の時代の話である。アラゴルンの若い頃も描くという。

『指輪物語』は1978年に、ラルフ・バクシによって、アニメーション映画(実写も使用)で初めて映画化された。これは、当初2本制作の予定だったが、1本で頓挫した。

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その後、2001年に公開された、当初『キング・コング』が撮りたかったピーター・ジャクソンの別念願企画として撮った『ロード・オブ・ザ・リング』3部作が二度目の映画化である。

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これは、1997年か98年頃から企画が立ち上がって、ニュージーランドで3本まとめ撮りにて制作された。
制作費は340億円、ドルにして2億7000万ドル。

当時は、中堅映画は2000万ドル〜4000万ドル、1億ドル以上の映画は超大作だった。なので、3本ならば、本来は3億ドルを超える制作費だが、少しお得感を感じる。けれども、8億ドルを超える興行収入を上げないと、利益が出ないわけだが、1作目の北米興行収入だけで、3億1300万ドルほど稼ぎ、大ヒットスタートを切り、『王の帰還』ではアカデミー作品賞も受賞した。
日本でも大ヒットした。これは、2001年12月に公開された『ハリー・ポッターと賢者の石』での予告編効果が非常に大きかったと思われる。『賢者の石』は日本で204億円稼いだ。1500万人以上が映画館で予告編を観た計算になる。『旅の仲間』は92億円稼いだ。1作目の制作費は、日本だけで賄えた計算である。
『旅の仲間』は8億7000万ドルを世界で稼ぎ、これでもう、あとは黒字天国である。
この後、日本では『二つの塔』が79億円、『王の帰還』は100億円を超えた。世界では、『二つの塔』で9億2600万ドル、『王の帰還』は11億2000万ドルを稼いだ。
ちなみに、興行収入は、少し差異があるかもしれないが、そこらへんはあしからず。

ピーター・ジャクソンは、ご褒美で念願の『キング・コング』を撮影した。私は、傑作ではあると思う。長すぎるが、素晴らしい作品である。然し、1本で200億円近い制作費のこちらは、コケた。

ちなみに、私は『ロード・オブ・ザ・リング』は旅の仲間が一番好きである。火の悪魔バルログ(カルシファーじゃないよ!)が、最高に好きなのである。

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ああ、モリアでの戦闘シーンは、リアル『ベルセルク』って感じで堪らなく好き。
あとは全部合戦になるので嫌い。戦闘も、ウルクハイとアラゴルンの一騎打ちが好きな私です。

ピーター・ジャクソンは、次に『ホビットの冒険』の映画化をする。
当初は、ギレルモ・デル・トロ監督で、二部作を予定していたが、何を思ったのか、三部作にしてしまった。

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今作も海外での興行収入はべら棒に高い。然し、日本では不振だった。
『指輪物語』は受けたのに、何故『ホビット』はコケたのか。
やはり、2001年〜2005年くらいは、猫も杓子もファンタジー映画だったのである。CG技術の発達が、空想世界を現実のものとした。然し、それは反面、空想力を奪う皮肉へと転じてしまったが。
日本人は、なぜか『ハリー・ポッター』は大好きで、ずっと観ている。無論、ハリポタも204億円⇒173億円⇒135億円⇒115億円⇒95億円、というように、客足もだんだん減ってきているのだが。

映画にも潮流があり、2009年には『アバター』はウルトラにヒットしている。日本でも、ロングランを続けて、155億円くらい稼いだ。
3D映画ブームの先駆けである。2010年〜2011年くらいは3D映画がめちゃくちゃ売れた。糞映画の『アリス・イン・ワンダーランド』ですら、110億円稼いでいる。ミア・ワシコウスカがかわいいだけの糞映画で、私はこの映画は憎むほどに大嫌いな糞映画である。

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『アバター』は、世界では27億ドル稼いでいる。3000億円くらいである。1本の映画で、日本全体の1年半分の興行収入を叩き出しているわけだ。
『アバター』は2022年12月に続編が公開される。もう、都合7〜8年くらい延期している。どうやら、今度は水中がメインの舞台のようで、ジェームズ・キャメロンはまた素晴らしい映像革命を見せてくれるはずだろう。
何故ならば、海こそはキャメロンの生涯のテーマで、彼はダイバーだからである。

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以前、ジェームズ・キャメロンは広島の原爆の映画を撮る、と言っていた。爆心地で起きた破壊を描くというのだという。それは結句制作されそうにない。何故ならば、『アバター』はこの後、2、3、4、5と4本控えていて、来年から二年おきに新作が公開されるからだ。
その代わり、クリストファー・ノーランが、原爆に関しての映画を、キリアン・マーフィー主演で撮ることがアナウンスされた。『時』をテーマとするノーランは、どのような作劇をするつもりなのか。

MCUもどうなるだろうか。2010年代はマルチバースや、アメコミ映画がウルトラにブレイクした。私は個人的には『スポーン』を楽しみにしてはいるが、それ以外、特にマーベルは『アベンジャーズ/エンド・ゲーム』で終わった感がある。『エターナルズ』には少し惹かれるが、それ以外はどうも小粒感が否めない。
と、いうか、2008年から続く、『アイアンマン』、『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ』から続く、アベンジャーズという1つのサーガを刷新していくことには、非常に莫大なエネルギーと、時代性の幸運な結合が必要とされるから、という認識があるためだ。
2020年代後半も、今のようにアメコミ映画のブームが続いているとは到底思えない。今は遺産で食っている気がしている。
結局は、一般人を取り込まないと、映画はブレイクしない。
『鬼滅の刃』の400億円は、まさに普段映画を観ない人を取り込んだから出来た数字で、普通に考えれば、次回の映画は250億〜300億くらいになるだろう。然し、300億円は尋常ではない数字なので、普通に200億円を切ることも大いに有り得る。
(『アナと雪の女王』は255億円から続編では133億円、『君の名』は250億円で『天気の子』は141億円。)

どうでもいい話ばかり書いてしまったが、私個人として今後楽しみであるのは、
宮崎駿の『君たちはどう生きるか』
ドゥニ・ヴィルヌーヴの今後の新作
アリ・アスターの新作
タランティーノの新作
リドリー・スコットの新作
マーティン・スコセッシの新作
ルカ・グアダニーノの新作

くらいだろうか(いや、結構多いな。)
それから、『マトリックス・レザレクションズ』。ああ、あと『まどマギ』の新作。

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時々、良い映画に出会えることがある。私の識らない良い作品は山程あるだろうが、それは他の方が観ていると思うので、それでいい。



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