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書店パトロールⅩ

私はお金がないので、いつもは本を買えていない。買っていないが、今回は私が最近購った本に関して書いていこうと思う!たまには買うんだよ!

まずは『九番目の招待客』。

ジャケ買いで購入した。このコラージュ感が堪らんね。

で、この、『THE NINE GUEST』という作品は、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』のパクリ元……、いや、ネタ元の一つでは!?的な感じで、本邦初邦訳されたもので、まぁ、戯曲である。
アメリカの劇作家であるオーウェン・ディヴィスの書いた戯曲であり、このオーウェン・ディヴィスさんを私は不勉強なので今回初めて識ったのだが、
まずは、この本の企画者・監修者である山口雅也氏の前口上から始まり、今作がどのような存在なのかをレクチャーして、解説から本編の舞台の幕が開くという、上がる構成である。
1934年に公開された『9番目の客』という映画の戯曲版である今作、私はやはり、全ての作品には元ネタがある……(まぁ、この本の解説でも相当類似作があることを羅列されていたが)、やはり、藝術とは模倣こそが真理であり、そこにおける差分にこそ存在することを、一人感じ入りオーガズムに達した次第……。

まぁ、そんなこんなで『ベルセルク』の42巻。

聖帝三浦建太郎が亡くなり、スタッフが意思を継いだ今作、完全に蛇足でしたということが詳らかになった巻だった。てかガッツが完全に『ホーリーランド』的なマインドになっており、やはりどうしても作者とは違う方々が描いている、そのような作品になっていて、うーん、やはり三浦建太郎の『ベルセルク』は完全に終わってしまったのだなぁと改めて寂しい思い。
ただ、物語は完全に畳みに来た感じで、もしかしてあと7〜8冊くらいで終わらせるつもりかもしれない。他の漫画として読むのなら良いかもしれない。

それから、『フールナイト』の新刊7巻!!
まだ読んでいないが、連載中の漫画では『HUNTER×HUNTER』と『バガボンド』の次に好きな漫画なので(そもそも連載中なのかしら)、超楽しみだ。しばらく寝かしておこう。

それから、『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』を購入した。
1,980円。糞たけぇ……。

これはジャケ買いだが、奥付を見ると4刷。すごく売れているようだ。Twitterでも話題だという(今はXか。)。
で、内容はまぁ自分語り本だが、作者が激烈に映画好きであり、その上ルーマニアに関する文学の話もたっぷりと、一切ルーマニアに興味のなかった私ですら、ルーマニアに食指が動きそうで、なかなかのおもろ本。文体が特殊なので、好き嫌いが分かれそうだが…。
私も、ルーマニアといえば、チャウシェスクとミルチャ・エリアーデくらいしか識らなかったし(まぁ、エリアーデは私のテーマも扱っている作家だったので、その系譜で識っただけなので、全然くわしくはないのだが……。)

私がこの作者の言葉に最大限に共感したのは、やはり、有名所、メジャーどころをばかり評論するのはどうなん?というところかなー。

私は埋もれた作家、消えた作家、或いはあんまり有名ではない、売れていない作家が好きなので(無論、それ以外もだが)、ドマイナーな作家とか紹介しているnoterさんとかブロガーさんとかはすごく価値のあることをしていると思う。
そういう人の書く厚みのある文章を読むのは幸福だし、有り難いことだと思う。

もう三島とか村上春樹とは、誇張じゃなく数十万が書いたり論じてるわけで、それなら彼らの誰も識らないところを書かないと意味ないなと思ったり。


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