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2023.3.17 国民選別論 三橋貴明氏

「高齢者の集団自決」論の裏に何がある?自己責任論と国民の分断【三橋TV 第678回】 2023.03.17

https://youtu.be/sjL33AqW1IM

1:26~


成田氏「高齢者集団自決論」、「人間選別」思想の裏に?


三橋氏
今日はね、前回の話の続きでもあるんだけども、その「財政破綻する」と、「貨幣には限界がある」と、あるいは「政府の支出には限界がある」と。まぁ「(限界は)ある」んだけど、「需要」って意味で。
「貨幣的な限界がある」と思い込んでいると、だんだん、人間は「残酷になる」っていう話をしたいんですよ。

高家氏
はい。

三橋氏
成田何某というですね、その、経済学者になるの?「GDPの定義」知らなかったみたいですけど、その人が「日本の社会保障の問題解決するためには、高齢者の集団自決しかない」って言ったのね。

高家氏
えぇ〜。

三橋氏
これ「間違ってる」わけ。これ倫理的な話じゃないんですよ。

別に「社会保障の問題」って、どうせ「金の話」なんですよ。
「国債発行」して、「社会保障支出をすればいいでしょ」と、そんだけの話ね。

問題が出るとしたら、例えば「高齢者」の方が「年金もらって使います」とか「病院行きます」と、その時に「国民経済が供給できない」と。
これが、問題。本当の意味での「社会保障の問題」

つまり、「社会保障の問題」ってね、「インフレギャップの問題」なんですよ。
それを解決するためにはどうしたらいいんですか?と。

「生産性」がある社会、「生産性」がある人間


「生産性を上げていくだけで、解決できます」ということなので、別に社会保障問題でも何でもないんだよね。

問題なっちゃうなら「生産性あげよう」って話なんだけど、みんな「金の話」にするんで 、

高家氏
その方は「お金が足りないから」

三橋氏
そうそう。「このままだと財政破綻する」とか思ってんでしょ

高家氏
ふぅ〜ん。
「社会保障料」が上がるからってことですか?

三橋氏
「全体の支出金額が増えていく」、今も増えてるよ、「財務省」は「抑えよう、抑えよう」としてんだけども、
で、これね「必然」なんですよ。

これ「自己責任論」「国民選別論」

今の成田何某のやつは、「国民選別論」ね。
「高齢者を選別して、集団自決させろ」って話でしょ。

この、あるいは「自己責任論」に、「絶対」行きつくんです。

高家氏
はい。

三橋氏
まず「財政破綻します」と信じていると、「政府は国の借金で破綻する」、「もはや国民のためにお金を使うことはできない」といった虚偽情報が、拡散浸透しちゃうと、その段階過ぎてますけどね、
で、次に「政府は国民救えない」、「救わない」んじゃない、「救えない」んだとすると、「全ては自己責任である」と、「勝ち組」が言い出すわけです。

「自分は税金をたくさん払っている」という思いと「自己責任論」はくっつきやすい


なぜ「勝ち組」がこういう言い方するかわかるかな?「税金をたくさん払ってるから」ですよ。

高家氏
なるほど。

三橋氏
「俺はこんなに税金払ってんじゃないか」と。
で、要は「スペンディングファースト」とかも、何も知らないから、「俺の税金をあんな奴らは助けるために使うんじゃねえ」みたいな形になる。
もう、この時点で「分断」されてますよね。「俺とあんなやつら」って形で。

でも、じゃあ、助けなくていいんですか?って言われたら、なんか答えるしかないから、何か、だから「自己責任」って。
それって「国家の機能の否定」じゃないですか。
でも「国家」ってなんなのか、分かってなかったら、その「俺の税金で弱者を救うなんてとんでもない」っていう形のことを「勝ち組」は絶対思い込んでいるんです。

こういう人たちが支持している「政党」、「主に支持している政党」は、やっぱり「維新」ですよ。

我々は「日本はまもなく、非常事態になる」という妄想をうえつけられている


で、そこがさらに行き着くとですね、「非常事態」
例えば「社会保障支出が増えてって財政破綻する」ってのも「非常事態」ですよね、本当になるとしたら。

それはもう「思い込み」なんだけど「そういう「非常事態」が間もなく来る」「でも政府は金がない」
「全ての国民は救えない」ということで「国民の選別」を始める

だから「高齢者の自己責任」「高齢者の集団自決しかない」みたいなこと言って、「俺かっこいい」みたいな感じになるんですよ、この連中ってのは。

高家氏
え〜、それなんか「しぶしぶ」みたいな感じじゃないんですか? (オレ)かっこいいって感じなんですか?

三橋氏
これ(オレかっこいい)しかないでしょ?

「集団自決しかないんじゃないんですか?(フッ)」みたいな。

惨めでしょ? 本当は救えるのに、そんななんかぶっちゃけ頭がおかしいんじゃないかと思いたいようなことを言い出して、
「俺は残酷な、人が口にできないような真実も言ってのけるんだよ」みたいな、ノリになってます。

これ別に成田何某の話じゃなくてみんなそうなると思いますよ。
なぜなら「解決できない」と思ってるから。

論理思考人間が陥りやすいワナ


高家氏
みんなやっぱ余裕がなくなっている感じなんですか?

三橋氏
なんだろうね、「思考的に解決できない」となると、それと実は、なんかみんな口に出さないんだけど「解決できる方法あるじゃないか」と、
「これを率先して言う俺はかっこいいんじゃね」みたいなそういうノリになっていくんですよ。

高家氏
え〜、でも「悪い」方の解決法ですよね?

三橋氏
もちろんそうです、もちろんそうなんだけれども、

最後は、そんなことやってると「国民が分断」されていって、「国民国家が崩壊するでしょう」という状況になりますね、このままだと日本は。

なぜかというと「民主制の国民国家」って、「国民の同胞意識がないと成立しないから」

だって究極的には「多数決」じゃん。

「民主制」ってもちろん「議論を積み重ねる」必要はあるんだけど、「最後は多数決です」、それでいいんです、
てか「他に方法がない」んです。
その時「負けた方」っていうのは「不満」を持つじゃないですか、でも「同じ国民が決めたことなんだから従わざるを得ない」わけですね。
これが一応「民主制の基本」になってるんです。

で、「不満があるんだったら、次の選挙の時に勝つように、多数派工作に勤めなさい」「その権利を持ってる」んですよ、と、この程度なんですよ、「民主制」ってのは。

「多数決」ならば、たとえ負けても「同じ同胞(共同体)が決めたことだから」と思えたりする


ということは「負けた側」がですね、認めない限り、「負けたことを認めない」限りですね、これもう「崩壊」です、「国民国家」

だって「絶対に認められない」ってなったら「テロ・暗殺・暴動・革命」っていう風に行かざるを得ないんだもん。

だから日本は、あの、「財政破綻論によって」ですね、実は「革命への道」を進んでいるという状況になってるんですよ。
その前に戦争が来ただろうけどね。

でも他にもねこの「自己責任論」ってのはいろいろな問題を、そのまあ「生み出してんだな」というのがですね、ブログですね、3月3日書きました「小さな政府論と自己責任論・国民性別論」という エントリーなんですけども、

あの、結局その「緊縮財政」であったり「構造改革」、あれは「小さな政府路線」
「政府の力を必ず可能な限り小さくする」って、これ「国民は分断化していく」わけですね、「分断化」することになります
「個別化」、私は「国民という共同体のうちの個別化」と言いました、これが行き着くところまで行き着くと、
そのトマス・ホッブズの言ってる「万人の万人に対する闘争」の社会になっちゃうんだけど、それに近づいてるでしょ?
さっきの「集団自決」云々ってのは。

「高齢者集団自決論」は、高齢者は納得しない(彼は高齢者を同胞と思っていない)


だって、そんな「高齢者」納得されてないから、「反撃する」でしょ?
最後「暴力でしょうね」と、いうことになっちゃうで、
この時のですね 取り上げた記事のがですねなかなか素晴らしいなと思ったんですけど、

『「自己責任」「利己主義」に満ちた社会はなぜ危険なのか?』

「政治学から見た一つの答え」という記事なんですね、

だからこの「利己的な社会、社会参加もなく、お互いを信頼しない社会」だんだんこうなりつつあるけど「何が悪いんですか?」と、もちろんその倫理的な問題あるんですよ、
でももっとその実態的な話としていろいろ 書かれてるんですねこの方が。

「何らかの理由で日本人の多くが社会とのつながりを持たなくなっており、利己的に「自分のことは自分でするべきだ」と考えているとしても、国民の多くが「そのような社会でいいと思っているのならそれはそれで良いのではないか」と 思うかもしれませんが、
そんな社会は様々な負の帰結を生む危険をはらんでますよ」と。

「まず、一般的に言って、社会の多くの人が利己的に行動した結果、「社会的ジレンマ」の状態が生まれる。
みんなが「利益を享受できる」はずの「公共財の提供」が滞ることが考えられる。」

「利己的な社会」とは、(彼だけじゃない)「みんなが」社会的利益を享受できなくなる社会


高家氏
「社会的ジレンマ」ってどんなのですか?

三橋氏
あのね、例えば「公園」
「日本の公園」って綺麗じゃないですか、地域によるんだろうけども、うちの近くの公園きれいよ、ゴミ一つ落ちてないです。

高家氏
え〜、すごい。

三橋氏
すごいの?
これはね、だから「みんな」が「お互い」に「今度くる人が不快な思いをさせたしたら まずいなぁ」と思ってちゃんとゴミを持って帰るでしょ。

高家氏
あ、私、清掃の人が入ってるのかと思っちゃいました。

三橋氏
そういう人もいるかもしれないけど、うちの隣の公園で清掃の人見たことないですね、でかいですよ、広いんだけど。
要は、「みんなが、お互いのこと思ってる」わけだから「みんながハッピー」なんですよ。

これね、実は「交通の問題」もあるんですよ。


続きはYouTubeで確認🐈

https://youtu.be/sjL33AqW1IM


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