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2023.3.27 経常収支=金融収支 三橋貴明氏

たまには君たちを眠らせる話をしよう 経常収支と金融収支【三橋TV 第682回】 2023.03.27

https://youtu.be/nl1HaexJMsc

1:47~


「国際収支」を学べば、「貨幣」をパーフェクトに理解することができる


三橋氏
今日はね、「皆さんを眠らせる」話をしよう。高家さんも眠くなると思う。

高家氏
眠くなるんですか? えっ「難しい話」ってことですか?

三橋氏
難しいと言えば難しいし‥

高家氏
幸せな話?

三橋氏
幸せな話でもない。

ただの「統計」なんだけどね、「国際収支」っていう統計があるんですよね。
で、なんか「国際収支が、改善して、悪化した」とかいうような表現使う人がいるんだけど、それは、まぁ「デタラメ」で、「国際収支」って、「いろんな統計を一括りにした」呼び方だから、

高家氏
うん。

三橋氏
だから、例えば「GDPが成長した」とか、それは分かるんだけど、「経済指標が成長した」って言われてもよくわかんないでしょ?
「何を言ってんだ」ということなんです。
だから、ちゃんとそれについて学ぶとね、実はね「貨幣」についてね、パーフェクトにわかるんです。

高家氏
ヘぇ〜。

でも難しすぎて、財務官僚すら理解してない?


三橋氏
でもね、この「こういう説明する」のってね、日本で私だけなんです。
ほとんどの人は理解してない。

多分「統計」を担当してる「財務官僚すら理解してない」気がする、っていうような、不思議な話 ❤︎

高家氏
じゃ、今日は「神回」ですね ❤︎

三橋氏
「神回」? なんじゃ「神回」って?(笑)

高家氏
あはは。

「国際収支」=  「経常収支」、「資本移転収支」、「金融収支」、「誤差脱漏」をひっくるめたもの


三橋氏
「国際収支統計」です。


これ、だから「4つの統計」をひっくるめて「国際収支」って呼んでるのね。

高家氏
はい。

三橋氏
一つ、「経常収支」
この時点で、もう眠くなってこない?

高家氏
若干‥(笑)

三橋氏
「資本移転収支」、「金融収支」、「誤差脱漏」。

「誤差脱漏」、「資本移転収支」は「無視」して良い


「誤差脱漏」って、要は「統計誤差を埋めてる」だけなんで、これまぁどうでもいいんですけど。

「資本移転収支」っていうのも、ちょっと「特殊ケース」ね、

例えばそうだな「私がアメリカに工場を持ってます」、それを「あげちゃった」と、「アメリカ人に」。

高家氏
あぁ、なるほど。

三橋氏
すると「資本移転収支」が「マイナス」になる、と。
だから、要は「特殊ケース」だから、とりあえずこれ除くといいんだけど、

一応ね、「財務省」にもこういう説明されてるわけ。

『「経常収支」+「資本移転収支」ー「金融収支」+「誤差脱漏」=0」』

という形で「国際統計」が作られています。

だから、あの、日本のその「国境を越えた財やサービスのやり取り」の統計なんだけど、簡単に言うと。
それでね全然「完璧」な「統計」取れないんですよ、膨大だから。

高家氏
はい。

「経常収支+資本移転収支」=「金融収支+誤差脱漏」、上記を「無視」すると「経常収支  =  金融収支」となる


三橋氏
だから「誤差」が出ちゃうから、それ「誤差脱漏」で受けてるだけだから、これは「いらん」と。
「資本移転収支」も「特殊ケース」だから「いらん」とすると、

『「経常収支」ー「金融収支」」=0』になるんです、この2つ(「誤差脱漏」、「資本移転収支」)がなかったら。
どっちみちないんだよ、実際、ほとんど数字としては。


で、ということでしょ?
『「経常収支」ー「金融収支」」=0』ってことは‥?
「経常収支」=(イコール)?

高家氏
『(経常収支)=「金融収支」』?

三橋氏
「金融収支」。

という統計だから、実はこの黒(「誤差脱漏」、「資本移転収支」)を除いちゃえば、「経常収支」と「金融収支」って「イコールになる」んですよ。

ここまで、いいですか? 

「経常収支」を「金融収支」で払っているだけ


さあ、問題、ここからです。

これ「日本の国際収支の推移」なんですけどね。

ほら、えっと「オレンジ」が「資本移転収支」か、大してないでしょ?ちょびちょびって時々出てくるぐらいで。

高家氏
はい。

三橋氏
で、「グレー」が「誤差脱漏」。
「誤差脱漏」は「誤差」出た時に、それ埋めてるだけなんで、数字で。

基本的には「経常収支 = 金融収支」です。

これ「金融収支」マイナスようきってます、当然、これ横にすると、90度回転させると、「左右対称」になります。
単に「経常収支」を「金融収支」で払ってるだけなんだけどね。

「経済収支」とは「貿易収支」や「旅行収支」など


「経常収支」というのは、これは一番有名なのはですね、やっぱこれですね、「貿易収支」


これは知ってるでしょ?

日本がアメリカに「100億円」の「財」を、「自動車」を「売りました」と。
アメリカから「何も買ってない」、
じゃあ「100億円」の「貿易収支黒字」ですね?対で。

高家氏
はい。

三橋氏
他にもね、「サービス収支」ってのがあるんですよ。

高家氏
どんなですか?

三橋氏
一番わかりやすいのはね、「観光」

日本ってずっと観光の中の、あるいは観光っていうか「旅行収支」って言うんだけど、「旅行収支」が、ずっと「赤字」だったんですよ。
なんでかというと「日本人が海外旅行行ってた」からです。
「アメリカの観光サービスを買っていた」ってことは、アメリカから見たら「観光サービスの輸出」ってことになる。

高家氏
なるほど。

三橋氏
「日本」が(旅行収支の)「輸入」ですね。

それがね「2014年」ぐらいだったかな、「黒字化」したんだよね。「インバウンド」。

高家氏
あーなるほど。

「インバウンド」では日本の「旅行収支」が黒字化 「海外旅行」へ行くと、向こうの国が黒字化


三橋氏
「外国人様、外国人観光客様」なんてやったから、うわ〜って外国人観光客来て「旅行収支」がプラスになったんだけど、
でも「コロナ」始まった途端にまた「ゼロ」に戻っちゃった、当たり前だろ、みたいな、そういうサービスね。

「第一次所得収支」
昔は「所得収支」って言ってたんだけど、今、「第一次」っていうのね。
「日本」が「外国」に持っている「膨大な資産」があるわけですよ。

高家氏
例えば?

三橋氏
例えば、一番わかりやすいのは「トヨタのアメリカ工場」みたいやつです。実はここもそうなんだけどね、

高家氏
お〜。なるほど。

三橋氏
その「アメリカ工場」が「稼ぐ」じゃないですか、「生産」して。
そこから「配当金」とかもらえるわけ、「日本」が。
「アメリカのトヨタ工場」ですね、「トヨタのアメリカ工場」じゃなくて。

「その配当金」とかは「日本国民の所得」ってことになる。

そういうのをね、ここ計上するの。

「出稼ぎ」に行くと、向こうの「所得」が「日本に移った」ことになる


あと例えば、日本人が最近増えてきたけど、「出稼ぎに行きました」と。
「出稼ぎ」に行って、例えば「オーストラリア」に行って、寿司職人として「働いて、1000万円給料もらいました」、それは「オーストラリア」から、「日本」側に「所得移った」ってことなの。「日本国民」だね。

実際そうでしょ? 「日本国民」が働いてんだから、そういうの。

高家氏
(そういうのが)「第一次」?

三橋氏
(そういうのが)「第一次所得収支」なんですね。

「第二次所得収支」、これは、要は「援助」だから。

高家氏
「援助」?

「海外支援」など


三橋氏
「海外支援」、「あげちゃう」海外支援ね。
「ODA」とかじゃないよ?あれは「貸付」だから。
だからあまり気にしなくていいですね。
あとは、一応、日本はまだ「海外援助国」だから、これ常に「マイナス」ね。

高家氏
あ〜、じゃあ「なんかあった時とかにもらう」みたいなのが「プラス」ってことですか?

三橋氏
「援助」?いやいや、「対外援助」ですよ。

例えば「ここの国は非常に苦しんでるんで」ということで、「日本の所得をあげちゃう(give)」「あげちゃう(give)」.
さっきから(自分が)こういう動き(あげる(give)動き)をしてるでしょ?

高家氏
はい。

三橋氏
「お金が動く」みたいな形で。実はね、動かねえんだ。

高家氏
えっ、どういうことですか?

海外に製品を売って「ドル」を手に入れたら?


三橋氏
ここから「今日の話のポイント」ね、ここから「眠くなる話」なんです。

例えばですよ、「日本」の企業が「アメリカ」に「1億円の製品」を「売りました」、「輸出しました」と。
で、「1ドル100円」ね、めんどくさいから。
「その時にもらえるお金」って「1億円」じゃないよね?

高家氏
ああ。

三橋氏
「100万ドル」でしょ?「100万ドル」つまり「ドル」なんですよ。

その「ドル」を「日本に持ってくること」できません、「ドル」使えないからね。

ということで、その「100万ドル」の「ドル」というのを、その「日本側」、誰かわからないよ?
「日本側」が「ずっと持ち続ける」ことになります。アメリカね、「対米資産」として。

高家氏
あーなるほど。例えば「トヨタがずっと持つ」みたいな?

三橋氏
「工場建設」ね、さっきの話で、「トヨタ」が、例えば「100万ドル」稼いで、それを「工場建設しました」
じゃあずっと「トヨタが持って」ますね。

あるいは、その「100万ドル」についてですよ、「株式」、「アメリカの株式」買いました、と。
これ誰かが持ち続けるわけですよ、「日本の対米資産」という形で。

その「ドル」で、アメリカに工場を作ったら「直接投資」として計上される


ということで、我々って普通は、アメリカに物売ったら、「(アメリカが)お金持ってくる〜」ってイメージになってるんですよ。

高家氏
なってますね。

三橋氏
なってるでしょ、絶対。
それ「できません」

だから、永遠にそこに「持ち続ける」ことがあります。
その資産をアメリカ人にあげちゃったら、さっきの「資本移転収支のマイナス」という形の調整がされるんだけど、
基本的には「持ち続ける」んです。

どういう風に持ち続けるのか?

高家氏
はい。

三橋氏
「直接投資」、これ「工場建設」です、まさに。

だから「トヨタ」が「アメリカ」で「1億ドル稼いだ」、日本だと「100億円」ですね。
その「1億ドル」で「工場を建設した」と、これが「直接投資」という形で「統計」されてます。

その「ドル」でアメリカの株式を買ったら「証券投資」になる


次、「証券投資」
「証券投資」ってあれですよ、だから、さっき言ったあの「株式」とか「買う」

高家氏
うんうん。

三橋氏
だから高家さんが、なんかわかんないけど、「アメリカ」に「物」売って「手に入る」のは「ドル」ですよね?

高家氏
はい。

三橋氏
それで「アメリカの株式を買う」という形で収まった場合に、この「証券投資」として「統計」されます。

「金融派生商品」、これも同じだよね、「金融派生商品」買った場合と。

その「ドル」を「ドル」のまま、ずっと持ってると「その他の投資」になる


で、「その他投資」、なんか○?
高家さんが、例えばアメリカで「100万円」のものを「売って」、「1ドル100円」だから「1万ドル」だね、
「1万ドル手に入れた」と。
そのまま「預金」として持ってるんじゃないの?とかって思いません?

高家氏
違うんですか?

三橋氏
持っている場合もあります。その場合はこれ、「その他の投資」
「投資」と言いつつですね、ただ持ってるだけ

その「ドル」を「円」にしたい時は、日本銀行が「1万ドルの資産」「100万円の預金」として発行してくれる


じゃあ、その例えば「1万ドル」を「100万円」に「両替した」場合、どうなるでしょう?
だって、高家さんって、日本に住んでるから「1万ドル」なんか持ってたって、使えないじゃん?

アメリカ行ってるわけじゃないんだから、日本に持ってきて、それで「使いたい」と、持ってくることできません。

高家氏
じゃあ、日本円にするんですよね?

三橋氏
その「日本円にする」のは誰がやってくれるでしょう?
「日本の銀行」です。

高家氏
はい。

三橋氏
日本の銀行は、高家さんの「1万ドル」「資産」として受け入れて、「自分の負債」である「100万円の預金」を発行するんです、高家さんに。

高家氏
?もう1回言ってください。

三橋氏
あ〜、眠くなってきたぁ?

銀行の「信用創造」の仕組み


あの、えっと何でしょう、「銀行」の「信用創造」ってどうやります?

例えば高家さんの「借用証書」とか「資産」、「銀行とう?」っていうのは「資産」ね、

それを受け入れて、それで高家さんに「預金」を「発行」するでしょ?
私やってるけど、実際。売ってるだけなんですよ、

それと同じなんですよ、実は。

だから一番わかりやすいのが、「1万ドル」分の「ドル紙幣」持ってる、高家さんが。
それを「日本の銀行」に持っていくわけ。「アメリカの」ですよ、「日系の銀行」に。

「日本の銀行」はその「1万ドル」という「FRB」の「負債借用証書」が入ったから、それを持ってきた高家さんに「100万円」という「銀行預金」を「発行」するわけ。
同じですよ、だから、あれですよ、「ATM」に「お金預ける」のと同じで、業界も実は同じなんですよ。

銀行が代わりに「その他の投資」として「ドル」を持ち続ける


でもね、今の話だと、その「1万ドル」分のドル紙幣ね、それ「日本の銀行」ずっと持ち続けるでしょ?

高家氏
はい、どうしてなんですか?

三橋氏
それがここですよ。

高家氏
あ、「外貨準備」?

三橋氏
ううん。 「その他の投資」。

「その他の投資」として、単に「日本の銀行の資産」つまり、「日本の資産」として、「ずっと持ち続けられる」ことになるんですよ、消えないから、「お金」って。

でも高家さん的には「ラッキー」なんですよ、「日本円にできた」から、だから「日本で使える」でしょ?
アメリカにある日本の銀行が、高家さんが稼いだ「1万ドル」っていうのをずっと資産として持ち続けるんです。

それは「その他の投資」として分類されてる。
で、ポイントで、今「外貨準備」って言葉出ましたけど、「外貨準備ってなんじゃ?」と、

続きはYouTubeで確認 🐈

https://youtu.be/nl1HaexJMsc


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