「科学で説明のつかないことはあるのか?」
「科学で説明のつかないことはあるのか?」という質問をもらったので、これについて考えてみましょう。
「科学で説明がつかないこと」を考える前に、そもそも「科学とは何か?」について考えるところから始めた方が良さそうです。
科学とは、理論があり、それを検証する実験の両輪があることで成り立ちます。具体的には、科学では以下のアプローチが取られます。
1・帰納的アプローチ
帰納的アプローチでは、具体的な例から法則を発見する方法です。例えば、惑星の運動を理解するに辺り、ヨハネス・ケプラーはティコ・ブラーエが残した20年以上に渡る惑星の運動を約20年に渡って解析し、惑星の運動は3つの法則にまとめられることを発見しました(ケプラーの法則)
2・演繹的アプローチ
一方、演繹的アプローチでは、原理や法則を設定し、それらを出発点として論理を積み上げる方法です。先程のケプラーの法則の例を再び見てみましょう。ケプラーは観測データの中からケプラーの法則を発見しましたが、一方でニュートンは「運動の三法則」を法則として設定し、万有引力の法則と併せることで、ケプラーの法則を演繹的に説明しました。(正確には、ニュートンはケプラーの法則を満たすように万有引力の形を決定したので、純粋な演繹的アプローチとは言えないですが)
現代の科学では、帰納的アプローチと演繹的アプローチを組み合わせて進展していきます。
さて、科学的なアプローチの仕方を理解した上で、もう一方、踏み込んでみましょう。
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