見出し画像

「プロジェクトの学びでわたしをつくる」を読んで

風越学園が出した「プロジェクトの学びでわたしをつくる」という本。
タイトルからして素敵。少し前だが夏休みに淡路島にてこの本の読書会に参加した。


そのときの感じたことが下書きに残っていたので、以下そのまま載せておこうと思う。

○新たに得た学び / 意識の変化について


・テーマプロジェクトの学びを①設計②チューニング③ドキュメンテーションと分けて理解しようとすること。プログラムのように決まったことをやっていくわけではなく、常に子どもの様子を見ながら変えていくという意味+教師の力量形成という意味でこの3つの整理はとても有効だと感じた。
こどもの森ではこのように整理しているわけではないが、確かに設計をスタッフで協同でつくったり、雑談的にではあったがそれぞれのプロジェクトの進行を聞き合ってアドバイスしたりする中で、自分が育ってきた実感がある。

・ドキュメンテーションについては、こどもの森ではそこまで実践できていないが、「書く」ことを通して観察者の視点を育てるというのは重要だと感じた。子どもと共に進めるプロジェクトは特に工夫をしなければ実践者の目線になりがち、トレーニングとしてのドキュメンテーションの意義はこどもの森でもテーマとして考えたいと思った。

・この本を読んでプロジェクトの学びにおける教師の力量形成とはどのようなものか?という輪郭が見えたような気がする。不確実な中で、教師がその場を観察者・実践者・学習者の視点から見立て、カリキュラムを作っては修正していくようなものであり、そのような不確実性への耐性能力などの力量であると受け取った。

○(実践者の方)実際に実践に活かせそうと思ったところ、どのように活かせそうか


・チューニングは職場ではやったことなかったが、スタッフ研修でやってみたいと思った。

○よく分からなかったこと/もっと知りたいこと

マイプロジェクトの理論的な部分をもっと知りたい。マイプロジェクトの「かぜぐらし」の整理が共感できるものだった。

以前、こどもの森のプロジェクト(風越でいうマイプロジェクト)の進行を整理したことがあるが、それも「種・茎・花・実」という植物を使った比喩だった。

(2021年5月作成、同年11月更新)

僕がまとめたものは、「プロジェクトの進行をどう観るか?過程をどうサポートするか?」という趣旨でまとめたのだが、この図は僕にとって、水や大気、根、陽などの言葉で、より幅を広げ、解像度をあげてくれるものだった。

新しいプロジェクトが進むごとに種から発芽して、植物が育っていくのだとすると、プロジェクトを通して、「私という森」が育っていくことになる。

私という森には、いろんな経験を経て、いろんな木が育っていっている。
いろんな森の在り方があるだろう。
同じ種類の木ばかりある森。びっしり木が植えられていて、地面にあまり太陽の光が当たらない森。
そんなことを思っていると浮かんできた問いとして、「より良い森だと感じるものはどのようなものか?」「健康で持続可能な森とは?」という問いが出てきた。

このあたりは今はまだあまり考えられていないが、きっと「わたしの森」を育てていく上で何か参考になるものがありそうな気がした。


また、別の視点として、「この森を育てる人」というのもあるなと思った。(人が森に手を加えて共生する里山のイメージ)

「わたしの森」は当然私自身なのだが、それをメタ的に見て、私を育てる人としての「この森を育てる人」。

その視点を語る上で「コルブの経験学習モデル」を参考にしたいと思った。

コルブの経験学習モデルの特徴として、体験学習サイクルというサイクルの説明だけでなく、それらに関係する学習タイプがある。

自分の学習タイプを知り、隣接する学び方にチャレンジすることを通して、体験学習サイクルが回りやすくなる人になるというのが、コルブの言っていることなのだと受け取っているのだが、

マイプロの視点でも、「体験学習サイクルが回りやすくなる人になる」という視点があるのではないかと思った。
体験学習サイクルは回るもんだと思っているが、実はそんなに簡単に回せないものなのだと思う。

もちろん、自分のタイプを知り、お互いの強み、弱みを共同で活かし合い、補い合う視点もあると思う。それもすごく大事。
それと同時に、体験学習サイクルを回せる人になるという視点を持つこと。

そのような仮説を思いついたので、書いておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?