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Management3.0ライセンス申請のコツ

私は2022年7月にManagement3.0のファシリテーターのライセンスを取得しました。
ライセンスの取得に当たり、Management3.0の運営組織に申請を出して一定の審査に合格することが求められます。
ここではライセンス申請を一発合格した私の経験をもとに、申請のコツを紹介します。

ライセンス申請で求められる回答

Management3.0のライセンス申請では、「アセスメント」という幾つかの質問文を与えられて回答を求められます。

詳しい設問内容はManagement3.0の運営サイトを調べていただくとして、ここではアセスメントの中で聞かれることを簡単に紹介します。

ファシリテーションの経験がどのくらいあるか

アセスメントではあなたのファシリテーターとしての経験を尋ねられます。
これは、仕事でもプライベートでも構いません。
大事なのは、人が集まってアイデアを出したり何かを決めるための場の設定や話しやすさを高めるための支援をどれだけやったか示すことです。

私の場合は職場がスクラムで開発していたので、スプリント計画やレトロスペクティブの進行役をやった回数を答えました。
スクラムをやっていない職場でも、週1回の定例会議の進行役を続けるだけで結構な回数を稼げます。

アジャイルやManagement3.0の経験

Management3.0の経験をどのくらいしたかも尋ねられます。
大抵はみなさんManagement3.0の研修を修了して間もないので、実践経験を語るにはネタが少ないと思います。

その場合はManagement3.0のコアとなる価値や考え方に近い経験を語ると良いでしょう。
例えば、ワーカー・ハピネス、マイクロマネジメントの弊害、モチベーション、エンゲージメント、複雑性への対処など、研修で学んだ大事なことがコアとなる価値や考え方に該当します。
私はアジャイル開発の経験が長いので、過去の仕事で感じたことをそれらに結び付けて答案を書きました。

ファシリテーターになって何をなし遂げたいか

単にライセンスを取得してファシリテーターになることがゴールではなく、その先のあなたの目的を聞かれます。

私の場合はアジャイルをライフワークとして取り組みたいので、そういった思いを伝えました。

Management3.0のツールやプラクティスの実践経験

アセスメントでは具体的なツールやプラクティスの名前を挙げて、あなたがどのように実践したかを尋ねられます。

研修を終えたばかりの人にはこれが一番難しいことでしょう。
そのような中、自分ひとりでもできるものや、簡単に職場で実践できるものを探してやってみることがまず大事です。

それでも事例が出せない場合は、研修のグループワークを一緒にやった仲間に助けを求めてみましょう。
「アセスメントに事例が出せない」という悩みをみんなで解決するのは有効なManagement3.0の実践です。

ライセンス申請する際の注意点

次に、ライセンス申請する際の注意点を挙げます。

しっかり準備期間を取ること

アジャイルの資格だから短い時間でアドリブで書いた答案を出しても通るだろうと油断していると思わぬ結果が返ってきます。
(ただし、不合格になっても再度答案の提出を求められるだけで、再チャレンジできます)

アセスメントには一定のエビデンスの添付が求められるものもあるので、答案作成と提出資料の準備に十分時間を取りましょう。

私は1週間ほど準備に時間を費やしました。
結果、一発で合格通知が来たので準備に労力を割くのは悪くない判断です。

英文での提出が必須

アセスメントの回答は英文で提出が求められます。
このとき、Management3.0の運営からDeepL(翻訳ツール)とGrammarly(構文訂正ツール)を使うよう案内されるので、英語が苦手な私は大人しく案内に従いました。

どちらのツールも非常に精度の高い変換をしてくれるので、伝えたいことを英語で伝えられないという不自由はしませんでした。

良い答案を出すためのコツ

最後に、良い答案を出すために私が意識した点を紹介します。

できるだけ詳しく・実体験を交えて書く

まず、答案は詳しく・実体験を交えて書くことがとても重要です。

とはいえ、そう言われてもイメージが湧かない人もいると思いますので、「あなたはファシリテーターを何回経験しましたか?」という設問を例に取って解説します。

まず、良くない例文を示すと、こんな感じでしょう。

職場でスクラムをやってきたので、毎週スプリント計画とレトロスペクティブをやってきました。

これだとあっさりしすぎていて伝わりません。
自分は分かっていることでも、他人には判断材料が乏しく分からない状態を生むので、もっと詳しく書きましょう。

次に、私が実際に提出した答案に近い例文を示します。

私は○○というスクラムを実践する会社に5年勤務し、プログラマー兼スクラムマスターとして働きました。
また、2018年にCertified Scrum Master(CSM)の資格を、2021年にAdvanced Certified Scrum Master(A-CSM)の資格を取得しました。

会社では1週間のスプリントを実施し、スプリントプランニングやレトロスペクティブのファシリテーションを行ってきましたので、およそ260回の経験があります。
COVID-19が流行する前の3年間は対面式でファシリテーションを行い、その後の2年間はオンラインでそれを行いました。

さらに、現在勤める▲▲という会社でもManagement3.0のワークショップを行いました(ビッグバリューズリスト、Improv Cards)。

そのことを裏付ける文書として、以下を提示します。
1. 私のScrum Allianceにおけるプロフィール
 <Scrum AllianceのプロフィールページのURL>
2. ○○在職時に私が書いたスクラムの実践に関するブログ記事
 <過去に書いた会社のテックブログのURLを列挙>
3. ○○在職時に私が講師を務めた社内研修のレトロスペクティブ
 <添付ファイル:「********」を参照してください、との但書>
4. ▲▲でManagement3.0のワークショップをしたときのスライド
 <添付ファイル:「********」を参照してください、との但書>

以上

これは長文ですが、文字数が多いこと自体はマイナス点をつけられません。
それよりも、具体的な数字、丁寧な説明、裏付けとなるエビデンスを心がけることが大事です。

あなたがどういった価値観や思いからファシリテーターをやりたいのか伝える

就職の志望動機を書くときは自己分析をしっかりやりなさいと指導された経験がある方も多いと思います。

ライセンス申請も同様で、ファシリテーターをやることにどういった個人的な思いが背景にあるのか・どのような価値観からManagement3.0に取り組もうと思ったのかを率直に語ることが大切です。

すでにライセンスを取った人やトレーナーの紹介文を添える

自分で自らの正しさを懸命に語るより、他人のお墨付きを添えた方が説得力が高いというのはよくあることです。

アセスメントの答案にライセンス取得者やトレーナーの紹介文を添えることも一つの有効策です。

私は自分が受講した研修のファシリテーターを務めたDBICの鹿嶋さんに紹介文をお願いしました。

依頼相手のご都合もあるので、必ずできる作戦ではありませんが、困ったときの一手として考えておくのも良いと思います。

以上、私がManagement3.0のライセンスを取得したときのことを踏まえてアセスメントのコツを紹介しました。
皆さんのライセンス申請の際に参考になれば幸いです。

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この記事はManagement3.0のライセンスファシリテーターである
「CTC Buildサービスチーム」の石田がお送りしました。

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