ものづくりの過程のハナシ~ネーミング~
ビルドオリジナルグッズ制作プロジェクト改めトリセツ!プロジェクト。
販売開始までたどり着いたので連載も終わったはずが、ネーミングについて語りたくなってオマケの1回です。
見えない障害と言われる発達障害の中でも、成人してから初めて自身の「生きづらさ」に気づく大人の発達障害の方は、さらに障害者に見えないという難しさがあります。
就労支援機関を通して一般就労を目指すとき、しばしば自分の得意不得意を把握して苦手に対する対処方法を整理し伝えるツールを作ります。
現在は厚生労働省が就労パスポートというツールを作成して展開していますが、一般的には支援機関ごとに独自のシートやツールを用いていることが多かったです。
もっと言うと、障害者職業センターで展開しているナビゲーションブックが基本でした。
就労移行支援で働いていた私たちは、これを指して「自分の取扱説明書を作ろう」という言い方をしていました。
人間、頭の中にだけ情報を置いておくと、いざというときに取り出せないものです。
面接などの緊張する場面ですらすらと答えられるように、実習や就労後の様々な場面で対応できるように、自身を取り巻く周囲の人たち(上司や先輩や同僚や家族や友人に)必要な対処を伝えられるように整理するツール。それがナビゲーションブックでした。
私はこんな性能です
こんなことができます
これは苦手です
トラブルシューティング
困ったときは
ね?取扱説明書っぽいでしょう?
オリジナルグッズを制作し、いざ販売するとなったときにスタッフのみんなにネーミングアイデアを募集した際にすらっと出てきた「トリセツ」という言葉。しっかりなじんでいる支援者用語です。
支援機関を使っているような当事者の方ならすっと入ってくると思ったし、知らない人にも「取扱説明書」はわかりやすいのでグッズの方向性を知ってもらう上で適切な単語だと思いました。
ちなみに、ネーミングアイデアはほかにもありました
きもち表示/いまのきもち/いまのわたし/実はわたし
わたしのトリセツ/みんなのトリセツ/人をつなぐ/心をつなぐ etc...
ポイントは
・知らない言葉や造語は入りづらい。
・長いカタカナは覚えにくい
・ぱっと見で読めないのはNG(英単語など)
・文章よりも単語が良い
結果として、トリセツという単語だけをピックアップしたネーミングに納まりました。
なんとなく、”!“をつけたいと思ったのは、私の趣味。
名前が決まった時に、文字として頭に浮かんだんですよね。
トリセツ!缶バッジ
トリセツ!ステッカー
今後は様々なアイテムに展開していくので、トリセツ!トートバッグとかトリセツ!Tシャツとか語感も良いし言いやすいです。
で、代表にロゴ作ってーとワガママ言ったら、作ってくれました。
障害の有無関係なく、お使いいただけるグッズが仕上がりました。
おかげさまで、すでにいくつかご購入いただいております。
BASEから簡単に買えますので、よろしければご利用ください。
いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。