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ものづくりの過程のハナシ~インプット編~

外出自粛的な風潮になりつつある札幌ですが、ビルドでは平和にいつも通りに毎日皆さん通われています。

とはいえ、見学や新規利用は極端に少ない日々なので、時間があるうちに連載風に書き進めていきます。

ビルドオリジナルグッズ制作プロジェクト

毎年4/2は国連が定めた世界自閉症啓発デーで、日本でも各種ランドマークを青くライトアップしたり、関連イベントが開催されます。

これもまた新型ウィルス流行のために今年度(2020年度)は開催中止になってしまったのですが札幌でも毎年イベントが開催されていて、ビルドでも参加出来たらいいよねと話し合っていました。

自閉症啓発デーイベントに参加し何かを販売するとして、せっかくならビルドらしいもの、そして自閉症啓発デーイベントに絡めたものを考えようということになりました。

こんなものがあったらいいな

まずは情報収集。というか、以前から知っている色々なものをベースに私から「これが欲しい」という提案をしました。

具体的に何をベースにしたかというと…

①株式会社石井マークさんが無償公開している【聴覚過敏保護シンボルマーク

聴覚過敏がある方が使用するイヤーマフ・デジタル耳栓など一見ヘッドフォンやイヤフォンのように見えるツール自体の説明や、聴覚過敏自体の説明のために作成されたマークで

1) 表示の対象物が聴覚過敏対策の保護具・遮音具などである事を示す
2) 聴覚過敏、それに類する「音に対する生理・心理上の苦痛を伴う症状」をもつ事を示す

という役割のものです。

②ネネロック本店さんのアレルギーワッペン

少し前に話題になった、何の食品アレルギーなのかをかわいくわかりやすく表示できる刺繡ワッペンです。

食物アレルギーにお困りの方に向けて制作されているもので、何に対してのアレルギーがあるのかパッと見てわかるので周囲も配慮しやすくなるツール。

食品アレルギーは、意外な料理の中にアレルギー対象の食品が含まれていたりするので周囲の人がわかることも大切ですよね。また、本人も自分から「これがアレルギーで食べられない」など言い出しづらいこともあるし、子供のうちは周囲が気付かないうちに食べさせてしまって悲しい事故が起こってしまうこともあるので……。

当時、大人も欲しい!と話題でした。

③でこぼこ商店さんの苦手バッジ

①②を踏まえて提案する際に調べたものですが、発達障害をお持ちのお子さんのために作っている苦手なもの・ことを周囲にさりげなく伝える缶バッジ。かわいらしいイラストなので、ファンシーグッズとしても十分に通用します。


日々のインプットがあるからこそ、いざ何かつくろうと思ったときに具体的な提案・アイデアが出てくるのです。

それは、世の中にはこんなものがある、いろんな人がこんな活動をしている、こんなものがあるといいなと思っている。などなど、たくさんの情報を収集し自分の中に蓄積していく中で、徐々に自分の中に形作られていくアイデア・発想。

イラスト制作だってそうですよね。

実際に手を動かす前の段階。

インプットがいかに大事かという話です。

自分が身に着けたいと思うグッズを作ろう。

カナーさんが自閉症というものを発見したのが1940年代。

日本に発達障害(自閉症)の概念が入ってきたのは1970年代。

発達障害者支援法が定められたのは2005年。

子供のものだと考えられ、子供の支援から研究が始まっているので、支援方法もツールも子供向けのものが多いのですよ。

これは、発達障害に関する研修に行くといつも思います。

ビルドにいる方たちは大人になってから診断を受ける、いわゆる大人の発達障害であり高機能と言われる方が大半なので、研修で得た支援テクを活用するにもアレンジが必要となってくるのです。

こういったツールも、どこか子供向け感が否めませんよね......。

私からのオーダーはひとつ。

自分で身に着けたいと思ったものを作ろう


                               つづく

いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。