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(今さら)ヘルプマークのハナシ

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。

ビルドで利用者さんと一緒に企画販売している商品 トリセツ!
発達障害をはじめ、見た目にわかりづらい障害・困りごとを可視化して他者に伝える/知ってもらうツールとして企画・開発・販売しています。
これまでの経緯はマガジンにまとめてあります。

ありがたいことに、いくつかのメディアでご紹介いただいたりもして

WEBニュースで紹介していただいたことをきっかけに‥‥

ラジオ出演を果たし

少しずつトリセツ!の認知が広まっています。

グッズ開発のきっかけのひとつに「ヘルプマークだけだと、どんなことに困っているのか他者に伝わらないのではないか?」という気づきがありました。
ヘルプマーク自体の機能は、あくまでもマークです。汎用性が高いからこそ普及し認知度も高くなってきたと思いますから全く問題ないのですけれど。
汎用性が高い分、個別性は切り捨てるしかありません。
自分で自分のことを説明することが苦手な方も多い発達障害や精神障害の方の手助けになれば、と考えました。

トリセツ!は、基本は単体で使用するグッズ(缶バッジとステッカー)ですが、使用例としてヘルプマークと一緒に着けたり貼ったりした写真も用意しています。

ヘルプマークに「ゆっくり話してください」の缶バッジやステッカーをつけている写真
※ヘルプマークは毎回、利用者さんにお借りしています。

ヘルプマーク自体の認知度の高さもあって、ぱっと見で「障害のある人が使う便利グッズ」と伝わりやすいキャッチーさがありますよね。

Twitterでご紹介いただいても…

ヘルプマークの画像があるほうがわかりやすいのかなあ?という印象です。
また、反応としても

「いいですね!ヘルプマークだけより、見た方は手を差し伸べやすい!」
「ヘルプマークをバッグに付けている人達は増えてきましたが、見えない障がいがある人に対して、どんな障がいを持った人なのかが分からず、どうすれば良いのか悩む時が有りますが、このステッカーがあれば対応しやすく易くなりますね。😉👍✨
一寸した気遣いや心配りが当たり前の社会で在りたいです」

Twitterのリプから抜粋

といった形で、当事者以外からの声も多く見られます。

TBSラジオも、ヘルプマークの関係での取材でした。

そんな、ビルドにとっては日ごろから身近なヘルプマークですが。

  • ヘルプマークって何?

  • どこでもらえるの

  • どういう人が使えるの

などについて、いま一度整理してみようと思います。

ヘルプマークとは

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.html

赤地に白い十字とハートマークが定着した印象があるヘルプマークですが、実はもともとは東京都独自のものでした。

そして、オリパラTOKYO2020に向けてJIS(案内用図記号)に採用されたのが2017年のことです。現在は全都道府県で配布を行っています。

ちなみに著作権は東京都にあり、デザインガイドラインがしっかり定められていますので、勝手に改変することはできません。

どこでもらえるの

無料で配布されているものですから、フリマサイトなどで販売されているものを購入することは絶対にやめましょう。
お住まいの【自治体名+ヘルプマーク】で検索すると、どこでもらえるかを調べることができます。

札幌市の場合は、地下鉄駅窓口などでも、もらうことができます。

【札幌市でのヘルプマーク配布場所】
●地下鉄駅事務室
●札幌市役所(障がい福祉課)
●各区役所(保健福祉課)
●各区保健センター(健康・子ども課)
●身体障害者福祉センター
●知的障害者更生相談所(手をつなぐ相談センターまあち)
●精神保健福祉センター(札幌こころのセンター)
●児童相談所
●市内の一部保険薬局(※取扱いの有無については直接保険薬局へご確認ください)

https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/sabetukaishou/helpmark/helpmark.html

こちらから検索可能です。


どういう人が使えるの

対象となる方(例)
●義足や人工関節を使用している方
●内部障がいや難病の方
●妊娠初期の方
●その他援助や配慮を必要とする方

https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/sabetukaishou/helpmark/helpmark.html

外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせるということが目的のマークなので、窓口では特に何か聞かれることなく、もらうことができると思います。
※ただし、一人につき1つ。

ヘルプカードとの違いは?

ヘルプマーク、実は「どんな支援が必要かを書くシール」が付属しています。

ヘルプマークの使い方。カバンにつけている写真と、シールに必要な支援を書いてある画像。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.files/TOKYO_Helpmark_CCJMD6.pdf

たとえば街で困っているとき、体調が悪そうなとき、倒れているときにヘルプマークの裏面を見ることで必要な対応がわかる。という用途です。
普段は見えないようになっているし、シールを使っていない人もいるので、ヘルプマークそのものよりは知られていないかもしれませんね。
見えるマークの、見えない部分です。

付随してヘルプカードというものがあり、緊急連絡先や必要な支援内容などを記載することができます。
想定されている使い方は、

1.困っている人、不調そうな人がいるので声をかける
2.ヘルプマーク裏面の必要な配慮・支援を確認する
3.必要に応じてヘルプカードを見せてもらう

または

1.困っている人、不調そうな人がいるので声をかける
2.本人がヘルプカードを見せて対応してもらう
という感じで、ヘルプマークより、更に詳しい情報(個人情報含む)を書くことができます。

基本的な記入事項はあるのですが、様式が決まっているわけではないので自治体・団体によって内容は異なります。

東京都の場合は標準様式があります。

東京都のヘルプカード

内容は、このようになっているようです。

葛飾区のヘルプカード記入見本キャプションのリンクから元のPDFを見ることができます
葛飾区のPDFより)

福岡県直方市のヘルプカード記入例が素晴らしくわかりやすいので、ご紹介しますね。

ヘルプカード記入例。キャプションに元のPDFリンクあり
元のPDFはこちら

具体的に、どのような配慮があれば助かるのかを端的に他者に伝えることって難しいですよね。このような記入例があるのは助かります。


このように、実はぱっと見でわかりやすいマークはきっかけにすぎず、少し近づくと、興味・関心を持ってもらえたら次の情報を渡せるという2段構え3段構えの仕組みになっているのです。
トリセツ!も同様で、

  • まずは知ってもらう

  • キャッチーな見た目で気付いてもらう

  • 端的に伝える

ツールになっています。

トリセツ10種類のラインナップ画像
現在トリセツ!は18種類で展開中です

デザインを補完するのは、結局は人間のコミュニケーションなのかもしれません。

そんなコミュニケーションのきっかけとして、トリセツ!をお使いいただけると幸いです。

トリセツ!は、BASEで好評販売中です。


いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。