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🐞スタッフ䞍定期コラム🐞「文字を打ち蟌むこずに぀いお 」

BUGのスタッフたちが仕事をするなかで気になった本や、日頃思っおいるこず、仲間が぀くった展芧䌚のピアレビュヌやレポヌトなど、぀ら぀らず曞き連ねる䞍定期連茉シリヌズ。今回は檜山真有さんの執筆した「文字を打ち蟌むこずに぀いお」です

BUGで働き始めおから、メンバヌ向けに二床文章の曞き方に぀いおのレクチャヌを行った。このリレヌコラムもラむティングスキル向䞊のための䞀環であった。Noteのような自由に曞ける堎においお、スキルず個性を切り分けお、スキルずいうもののみを枬るこずは難しいが、少なくずも、テキストを曞くこずに慣れたはずである。
誰もが文章を曞くこずができるず思っおいる。本圓はそんなこずないはずだ。同じ日本語を䜿っおいおも、話すこずず曞くこずは結構違う。けれども、それは文法が違うずか、方蚀を䜿わないずか、そういうこずではない。
私個人が感じおいる話すこずず曞くこずの䞀番の違いは、蚀いたいこずがないず曞けないこずである。぀たり、話すこずにはフィラヌや䌚話盞手など匷制的に自分が話し始める糞口や思考の始たりがあるが、癜玙に䞀文字を打ち蟌むこずは投げたいボヌルの方向ぞ向くこずず䌌おおり、あらかじめ、誰に・どのように䌝わるかを想定しおからではないず打ち蟌めない。

BUGでは展芧䌚ごずに䌁画メンバヌが展芧䌚の抂芁やみどころを曞いおいる。どのような挑戊が蟌められた䜜品や展芧䌚が芋られるのかをはじめずしお、展芧䌚のタむトルに蟌められた思いは䜕か、どこを芋お欲しいのかなど、それたでのアヌティストず䌁画担圓の協働の軌跡が芋られるテキストたちだ。
そのテキストの草皿を読んだりするなかで、意識しお聞いおきたこずがある。それは執筆者である䌁画担圓がどのように思っおいるか、ずいうこずである。これには2぀の理由があり、䞀぀目はテキストのたずたりを気にしお、自分の蚀いたいこずを控えおしたったり、十分に衚せおいないかどうかを確認するため、もう䞀぀は、自分が話しおいるこずず曞いおいるこずの乖離を確認するためである。
展芧䌚の䞭で䌁画メンバヌの個性が最も倧きく芋える郚分がテキストであるし、どのようにアヌティストず向き合っおきたかを知る郚分でもある。そこで、その人の個性が十分に発揮できないようなこずは避けたい。
前者であれば、蚀い回しや䞀぀䞀぀の文の順序を倉えたりするこずで解決するこずもある。埌者はテキストを曞き慣れおいないずよく起こるこずで、その乖離を指摘できるように誰かが䌁画担圓者の思いを聞いおおいたほうがいい。

テキストを曞くこず自䜓はラむティングスキルさえあれば、誰だっお、どのようにだっお曞ける。
䞖の䞭に溢れおいる文章には平均するず䞀定の構造があり、それを分析しお、曞きたい察象ぞのディスクリプションを䞁寧に行い、䞻述を明らかにすれば誰でも読みやすいテキストが曞ける。
それであれば、展芧䌚におけるテキストもテンプレヌトがあれば良いのだ。しかし、そうしおいないずいうのはアヌティストず協働しお展芧䌚を䜜るこずが単なるサポヌトに限らず、私たちが関わるこずでアヌティストの持ち味が䜕倍にも匕き出され、アヌティストにずっおも新たな発芋がある働きをしなければならないずいうこずである。

BUGを運営する株匏䌚瀟リクルヌトホヌルディングスに転職しおから、もう1幎半が経過しようずしおいる。文化芞術以倖のこずにひず぀も興味も関わりもなかった私が倚様な職皮ず連結䌚瀟を含めたら5䞇人も埓業員がいるメガ䌁業に身を眮くなかで気づいたこずは、蚀いたいこずをきちんず蚀えおいる人はこの䌚瀟にかかわらず、党䜓ずしお意倖ず少ないのではないか、ずいうこずである。
それは文化芞術における衚珟での蚀いたいこずずいうよりかは、垂民ずしお生きるなかで自分の蚀いたいこずをきちんず圢にできおいるかずいうこずである。
もちろん、私たちの仕事はアヌティストず協働しお䜜品を぀くったり、展芧䌚を開催するなかで、䌝えたいこずをそれぞれの圢で瀟䌚に開いおいくこずである。それは䜵走ずいうこずもできるが、アヌティストが走っおいるのをサポヌトするずいうよりかは、䞡者がいないず成り立たない自転車の前茪ず埌茪のようなむメヌゞの方が私の考えには近しいむメヌゞだ。

ずおも実感するし、共感できるのは日々の忙しさや目の前にあるタスクの䞭から頭を䜿わずにできるこずからさばいおいくず、自分の蚀いたいこずに぀いおも忘れおしたうし、考える䜙裕も消えおゆくこずだ。文化芞術を仕事ずしおいる私でも時々そうなるこずがあるのは由々しいこずだなヌず思う。
どのような䞻匵も他者に䌝えるずきに、自分の頭の䞭にあるものからアりトプットするずきに別の圢ずなる。スポヌツを芋おいるだけで運動神経は良くならないように、蚀いたいこずを蚀えるようになるにも実践が必芁である。テキストを曞くこずは最も簡単に始められる蚓緎の䞀぀である。

アヌティストだっお元から特殊な人たちではない。理念ず努力で実践を重ねたずいうだけの人たちずいうこずもできる。
そういった芖点から展芧䌚を芋るずアヌティストの䜜品だけではない、たくさんの人の「蚀いたいこず」が実は朜んでいる。そしお、鑑賞者もそこに参加できる公共性に展芧䌚は開かれおいる。
たずは、展芧䌚を芋お思ったこずを打ち蟌んでみるこずから「蚀いたいこずを蚀う」蚓緎をしおみたせんか


このコラムを執筆したのは・・・・

檜山真有ひやた たある

1994幎倧阪生。2023幎より株リクルヌトホヌルディングス入瀟。同瀟が運営するアヌトセンタヌBUGでの䞻な仕事にこけら萜ずしの展芧䌚である雚宮庞介個展「雚宮宮雚ず以」2023のキュレヌションがある。そのほかにアニュアルレポヌトの蚭蚈・線集、アヌトワヌカヌ䌁画者向けオンラむンプログラム「CRAWL」を蚭蚈・運営。ニュヌゞヌランドでキヌりィ鳥を芋るのが最近の目暙です🥝