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KPIは少ない方が良いという幻想

やることは絞った方が良い。
KPIは少ない方が良い。


こんなワードを今まで幾度となく聞いてきたかと思います。
私はこれは半分正解で、半分間違いだと思います。


実際現在、弊社や我々の顧問先では「営業KPIを10個前後」置いています。
すべてのKPIに目標があり、1つでも未達の状況であれば「どう改善しましょうか」という話になります。



今日はそんなKPIに関する話を書こうと思います。
営業におけるKPIとして観点で書きますが、きっと他の分野でも同じなのではないかな、と思っております。


KPIとは


KPIとは

《key performance indicator》企業などの組織において、個人や部門の業績評価を定量的に評価するための指標。重要業績評価指標。
出典 小学館 / デジタル大辞泉

文字とおり、業績(KGI)を高めるための重要な指標のことをKPIといいます。
なので

KPIが上がる→KGIが上がる

という式が成り立つものがKPIであると言えます。別の言い方で「先行指標」という言い方をすることもあります。KGIに先んじて上がるから「先行」指標です。
このように複雑なビジネス活動において、やるべきことをシンプルにしてくれる重要な役割を果たしているのがKPIです。


「KPIは少ない方が良い」の何が半分間違いなのか


前述のとおり、KPIはやるべきことをシンプルにするためのものです。

「KPIが少ない方が良い」というのは、
KPIを増やすことでせっかくシンプルになったものがまた複雑化し、どこにパワーを割くべきかが分かりづらくなってしまう
という観点から来ている意見かと思います。

確かに、複雑化やパワー分散は避けるべきです。
そういう意味で半分合っています。
ただこの意見には重要な観点が抜けています。


それは、
人は出来ることが増えていくもの。
一度追ったKPIを当たり前に出来るようにならなければ、人にも組織にも成長はない、
ということです。


つまり、
一気にKPIを増やしてはいけない。
ただ当たり前に出来るようになったKPIは残しつつ、新たなKPIを増やすべき
というのが私の意見です。


営業組織の場合


例えば営業において多くの組織が追っているKPIに「訪問数」があります。
これをKPIとして最初に追ったとしましょう。

それによって訪問数は当初1日2件だったチームが1日4件行けるようになりました。それにより売上も倍に増えました。これは訪問数をKPIに置いた功績です。


ではこの状況で次にすべきことはなんでしょうか?

このまま訪問数に絞って追い続けること?
次は訪問数から新たなKPIに変えること?


どちらも違います。
訪問数をKPIとして置いたまま、1日4件を当たり前に行けるようにし、
その上でそれを維持したまま新たな売上に効くKPIを定め、そのKPI目標を達成することです。


ここで重要なのがもう訪問数目標が「当たり前になっている」ことです。

例えば、訪問数が増えたので次は訪問数の代わりに「決済者へのアポ数」というKPIを追うことになり、仮に決済者アポ数が増えたとしても、今度はせっかく上げた訪問数が落ちてしまっては何の意味もないのです。


当たり前を増やす、という前提において
KPIはむしろ増やしていくべきなのです。

当たり前の水準が高まり続ける人や組織であるためにKPIを有効活用しましょう!


まとめ

・KPIは少ない方が良いは幻想。むしろ増やしていくべき

・ただ増やす時に今までの各KPIの水準を落とさないようにする

・その上でいま変化を起こすことで最大のインパクトを与えられるものを新

しくKPIとして置く



Twitterもやってます。日々営業や組織について科学出来たことをつぶやきます。


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