ブエンカミーノ

パソコンも、携帯も、スマホも無い、レンタルレコード店全盛時代の、1982年のラブストー…

ブエンカミーノ

パソコンも、携帯も、スマホも無い、レンタルレコード店全盛時代の、1982年のラブストーリーをショートにショートに綴っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

最近の記事

1982年のTikTok 22

あなたの言い訳を、もう何度聞いただろう。 次から次へと、女の噂が絶えない。 それでも、あなたは私の所へやってくる。 ”私は、あなたの何?” 私の不満は、いつも喉のところまで、 出かかっている。 でも・・・あなたの笑顔を見ると、 何も言えなくなってしまう。 この人を支えられるのは、私だけ。 いい加減な男・・・と、 他人から見られても、この人の好さを 分かっているのは、私だけ。 今日、あなたにふられたという、 女の人が、私の所にやって来た。 あなたの下着や服を私に渡し

    • 1982年のTikTok 21

      夜中に突然電話が掛かってきた 高校からの友人からだ。 私は、嫌~~な予感がした。 普段、あまり連絡をとってこない彼女から 突然、電話が掛かってくるという事は・・・。 きっと、ロクな要件ではない。 大抵、失恋したことの嘆きか 結婚の報告のどちらかに違いない・・・。 当たった。 彼女は、嬉しそうに、結婚尾報告をする。 長電話になるな・・・・。 彼女は、1時間のろけるだけのろけて 電話を切った。 あ~~~っ、先に言われてしまった。 私の報告は、また今度にしよう。

      • 1982年のTikTok 20

        初めて、あなたのネクタイを選ぶ。 あなたの顔、雰囲気、スーツの色を 思い浮かべながら、 たくさんのネクタイを手に取った・・・・。 きっと、あなたの奥さんは、いつも、 こんな事を考えて、悩みながら 買い物をしているんでしょうね。 うらやましい・・・・。 そんな事を考えていたら、 あなたが、いつもしている、 ネクタイの色が無性に 気に食わなくなってきた! 普段、あなたがしないような ネクタイを選んでやろう・・・。 あなたの誕生日の日。 衝撃の事実を知った・・・・。

        • 1982年のTikTok 19

          あの時、あなたは、草の上でゴロリとなりながら 何か、私に言った・・・・。 でも・・・。 私の耳には、ウォークマンのイヤホン。 寂し旺な目だけが印象に残った。 夏の終わりの風を感じながら 大好きなユーミンを聞いていた。 あなたは、あまりにも、流行を気にしない。 音楽、テレビ、映画、まるで興味がない。 サザンやユーミンにも、興味を示さない。 この人は、何が楽しんだろう? まもなく、私は、貴方と別れた・・・。 ただ、あなたがあの時、 私に、何を言ったのか、とても気に

          1982年のTikTok 18

          窓に人影が映る。 ガチャン・・・!ガラスが割れた・・・。 誰・・・!? 、・・・・返事がない。 別荘に来てから、いつも誰かに見られている様な 気がする・・・。 一人で居間にいる時・・・。 シャワーを浴びている時・・・。 そして、寝室で休むとき。 常に見つめられている・・・。 ここには、私、一人しかいないはず。 窓を開けると、サンに血がべったり、 ついていた。 私は、慌てて地下室へ走った。 鍵でドアを開け、ライトのスイッチを入れた。 いた・・・。 足元に、夫

          1982年のTikTok 17

          あなたの事を考えながら、爪を切っていたら 『痛っ!』 深爪をそしてしまった・・・。 料理を作っている時に、火傷をしたり 針を使っている時に、指を刺すのも、 大抵は、あなたの事を考えている時・・・。 まわりの人は、私を おっちょこちょい・・・と言う。 ううん、本当は違う。 あなたは、私より危なっかしい人。 他人とも、よく揉め事を起こす・・・。 そのたびに、私の手は傷だらけ。でも・・・。 今日の深爪で、当分、傷は無くなるはず。 あなたの事を考えるのも最後・・・。 お

          1982年のTikTok 16

          私のホクロは、首と目じりにひとつずつある。 そして、もう一か所・・・。 このホクロの存在を知っているのは、私が愛した男だけ。 そのホクロを見つけると、子供のように顔を埋めてくる。 男の人って・・・単純。 『私と、あなたのひ・み・つ』 な~~~んて、言ったりすると、私を独占した気になるみたい・・・。 でも、この間の男はひどい! 『このホクロ、男をダメにするって、雑誌に書いてあるぞ!』 落ち込んだ・・・でも・・・そう言えば・・・、 私のホクロを知った男の人って、みんな

          1982年のTikTok 15

          あなたといると不思議・・・。 とっても穏やかな気分になれる。 まるでこごち良い、陽だまりのように、 いつも、私を包んでくれる・・・。 困った事があっても、別にこれといった アドバイスをしてくれるわけでもない ただ、黙って聞いてくれるだけ・・・。 話しを聞きながら、コーヒー豆をローストしていくあなた・・・。 こごち良い焦がしの香りが、部屋の中に漂う。 あなたは、私の話を聞きながら、手を止めない。 炒った豆を挽き、サイフォンに投入する。 私の、とめどもなく流れ出す毒

          1982年のTikTok 14

          『お前は、セフレ!愛情なんてあるわけないだろ!』 あなたは、私を傷つける様な言葉を、次々と並べた。 ひどい男になろうとしている。 そして、強引に向こうから電話を切った・・・。 どうして・・・・。 どうして、あなたはそんなに優しいの・・・。 『お前の事好きだったけれど、妹みたいに思えて・・・』 なんて、言ってくれれば、すぐにでも別れてあげたのに・・・。 あなたは、私を傷つける事で、新しい道を歩かせようとする。 そんな優しさを知ったら・・・ますます、 別れられない

          1982年のTikTok 14

          1982年のTikTok 13

          気づいていない。 私が、あなたからプレゼントされた 香水を使っていない事を・・・・。 だって・・・・。 奥さんが使っている香水と、全く同じものを、 私の誕生日にプレゼントしてくるなんて。 なんて奴なんだ。 同じ香りなら、浮気もばれにくいものね。 でも、奥さんと同じ香水。と、いうのが 私に分からないと、思っているの? いつも、ほのかに、その香りが あなたのワイシャツからしてくるのを あなたは分かっていない・・・。 鈍感だから・・・。 プレゼントの香水 ランバンの

          1982年のTikTok 13

          1982年のTikTok 12

          夏のボーナス一括払いで、指輪を購入・・・。 18万6880円。 その指輪を、左の薬指にはめて、今日、出勤した・・・。 案の定、まわりの人から冷やかされる。 私も、あいまいに、受け答えしていると・・・。 あなたが、来た。 私は、いつものように、お茶を出した。 ただし、左手で・・・。 あなたの目線が、私の左手から、 動かなくなった。 ふふ・・・。 その日の夜のポケベルには、 何度もあなたのコールが入った・・・。 少し、私の気持ちがわかればいい・・・。

          1982年のTikTok 12

          1982年のTikTok 11

          クルーザーに魅せられて、 あなたのデートの誘いにのった・・・。 私のタイプでは無いけれど、 『資産家の息子』という肩書をもつボンボン。 逗子マリーナから、1時間もクルーザーに乗ると、 360度大海原・・・。 静かな波音が響く。 開放感で、私の心は満たされ、 あなたが注ぐブルゴーニュのワインに、 つい、グラスが進む・・・・。 すると、突然の塩辛いキス。 えっ!?嘘ッ! 私の抵抗も、長くは続かなかった・・・。 辞めて・・・。お願い・・・。 ブラのホックが外された・・・

          1982年のTikTok 11

          1982年のTikTok 10

          『もしもし・・・』 やっと、電話が繋がった・・・。 今日は、パワハラ上司に借りを作らなくていけない。 『今日、休ませて頂きたいのですが・・・・』 その言葉を、言い終わらない内に、 あなたの唇が、私の耳に触れた・・・。 声を出さずに、あなたに向かって ”邪魔しないで・・・”。 気を整えて、 『すいません、体調崩してしまって・・・』 あなたは、首筋に唇を這わせてくる。 『あっ・・・・』 いけない、声が出てしまった。 上司のねちっこい、お説教というパワハラが スタ

          1982年のTikTok 9

          私のホクロは、首と目じりに一つずつある。 そして、もう1か所。 このホクロを知っているのは、 私が愛した男の人だけ。 ホクロを見つけると、子供のように 顔をうずめてくる・・・。 男の人って…単純。 だから言ってあげるの。 『私と、あなたのヒ・ミ・ツ・・・』 喜ぶ、喜ぶ 私を、独占した気分になるみたい。 でも、今回の男はひどい・・・。 『このホクロ、男をダメにするって、  雑誌に書いてあったぞ・・・・』  なんていう奴・・・。でも、 私のホクロを知った男の人

          1982年のTikTok 8

          いつ頃からだろう・・・。 夢の中に男の人の後ろ姿が出てくるようになったのは・・・。 肩はガッチリして、真っ白なTシャツを着ている。 行かないで・・・・。 私はその人の背中を追いかける。 そしてやっと、追いつき・・・。 その男性が振り返ろうとした時に・・・ いつも、目が覚める。 一体、誰なんだろう・・・。 私が、今の彼とおつきあいを始めたのは、 去年のクリスマス、5ヶ月前・・・。 お互いに独りぼっちだった2人が、 傷をなめあうように、おつきあいを始めた。 寂しさを

          1982年のTikTok 7

          甘い・・・。 私は、甘い・・・。 彼の甘い言葉にのせられて、 つい、気を許してしまった・・・・。 あなたの友人と知りながら、 いけないと、思ったけれど 抵抗、出来なかった・・・。 あなたが、怒るのは当然。 無理もない。 これで、あなたとは、もうおしまい。 仕方がないか・・・。でも、あきらめられない・・・。 あれから3週間。 あなたの友人から、突然、電話が入った。 『あいつ、お金、振り込んでくれないんだよね・・・』  えっ・・・。なんのこと・・・。 驚いた・・