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とりあえず問題と向き合ってみる姿勢

今教えている学生の8、9割は去年からずーっと授業でお付き合いしている学生です。

今年は特に、新入生が来日できていないので少ない人数で濃いお付き合いになっています。

その学生たちの中でも12名ほど、クラス替えをしても、担当の配置換えがあっても週2回、ずっと顔を突き合わせている人たちがいます。その中でも更に4名は入学してからずっと週2でご対面(他は入学時は担当していなかったり、していても週一だったり)。

お互い良くも悪くも「良く知ったヤツ」です。互いに無茶ぶりし合います。

私は何度もnoteにも書いていますが、何故か今の勤務校ではJLPTの読解対策を担当することが多いです。

この12名も前学期から読解を担当しています。(メインテキストもします)そして、みんな例に漏れず「読解きらーい!」

しかし。

前学期では「読解」という言葉や「日本語の文章」を見るだけでシャットアウトしていて、読む気なんてさらなさらない、読めるなんて全く思っておらず。

問題を渡しても「眺める」

解説しても「聞き流す」

挙げ句の果てには翻訳付きを渡しても「見向きもしない」

そして最後「寝る」

うぉおおおおい!これ以上どうしろと!?というレベル。

こちらが「ものすごく簡単な(というかこれ以上簡単なのはもはやあいさつくらいしかないレベルの)対策問題」をかき集めてさせてみたり、担任の先生と相談してあれやこれやとやっていました。

本当に寝かさない、起こすところから始めるレベル。

昨年4月の入学当時に同じクラスで、10月のクラスで上のクラスに上がった子たちと、10月時点では現状+αレベルのクラスに留まった彼等とは何が違ったかというと「定期試験で読解が散々だった」からなので、本当に大変。

口酸っぱく、鬱陶しく、言い続けました…「今日の練習問題がこれから先の中で一番簡単!簡単になることはない!じゃあ簡単なうちにできるものをやっていこう!そして、私は皆さんには無理だと思う問題は用意しない!だからまず、問題を見てみる!」

そして、今日。

その彼らがいるクラスで読解練習。

ここ最近ずっとそうだったので忘れていましたが、とりあえずみんな起きてる。当たり前なんですが、座ってる。相談もしない。

すごいじゃーん。とりあえず問題と向き合う姿勢はできてる。

正解できずとも、4択の「絶対違う選択肢」ははずせるし、漢字が読めないなら読めないなりに工夫しようとしてる。

3問中2問出来たらまずは合格といつも言っているのですが、

それが以前は0だったのが

最近は1になった。時々2の日もある。

前は「とりあえず選んでみた」選択肢だったのが、

最近は「ここにこう書いてあるからこれを選んだ(だから正解or でも間違えちゃった)」になってきた。

ヨシヨシ。受験までの時間はかなり少ないから急いで欲しいけど、まず出せる手と足は多少生えてきた。

目立って伸びてきた学生もいれば、まだもう少し目が出ない学生もいますが、少しずつ、少しずつ。

まずは6割正解。その後8割になればいい。


ここともう2クラス、読解対策をしているクラスがあります。

1つはN2を目指しているのである程度は読み方のコツを心得ています。下手にこちらが説明など手を加えるより、学生に説明させた方がうまく答えが出てくる。

もう1つはまたとてもキツいクラス。酷い場合は理解できた子が他の子に母語で説明しても「?」となってしまうレベル。担任の先生も「聞いてる側から全てが抜けていっちゃうクラス」と評するほど。穏やかなのが長所のクラスですが、逆を言えば上を目指すガツガツ感はない。

ここもまたテコ入れが必要かもしれません。





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