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悩める20代は「晴耕雨読」に立ち返ると良いのかもしれない。

自己紹介

 はじめてnoteを書いてみました。「いい大学」を卒業し外資IT企業のキラキラキャリアから、農業のスタートアップというまさに正反対の「血みどろの世界」へ行って、20代には「晴耕雨読」ってめっちゃ大事では?って思った話です。長文です。笑
( 堅い系のプロフィールはこちら )

〇栄光
 歴史小説を毎日読むお勉強大好き小学生は、神奈川のキリスト教の中高一貫校に進学。大学受験も正直何も苦しまずに、大好きな一橋大学で大好きな社会科学を学び、就活も正直かなりうまくいきました。外資・日系・ベンチャー・大企業・事業会社・コンサル、たくさんの会社から内定を頂きました。アジアで初めての新卒枠として外資系IT企業に入社し、順風満帆に日々を過ごしていました。

〇挫折
 その後、訳あってスタートアップの世界に飛び込みました。本当にたくさんのことを教えてくれた農業の世界に戻り、マーケティングを0から学び、カオスの中から組織を立ち上げ、マーケティングの責任者になり、ついに事業全体を見るようになりました。
 しかし、「挫折経験」が一切なかったこれまでの人生で、初めて高すぎる壁にぶつかった一年でした。マーケの世界は広く、思うように結果が出ない、業務は無限に終わらない、心が休まらない、結果が出ない、組織の問題が見えてくる、他人の数字も見るようになる、時間が足りない、結果が出ない、結果が出ない、結果が出ない。。。
 プライベートでも、パートナーが直面した心の問題をうまくサポートしきれず、立ち上げた社会人コミュニティは様々な課題を抱え、手伝っていた別の組織ではうまくバリューを発揮できず、すべてが空回りし続けた2019年。その中で、毎日もがき、たくさん働き、考えて、考えて、いろいろなことが見えた一年間でした。

今回noteを書こうと思った背景 

 発端は大きく二点ありました。
学生時代キラキラしていた友人たちが社会人になり、疲弊して無思考になり、それに目をつむっている自分を認知しているさまを見たとき。
ついに「やりがい」を見つけ邁進していたはずの自分の中に潜む「空っぽ」に気づいた、能登の山奥での夜。

その中で、「あれ?このままいくと僕たち、何かに埋もれてしまわないか?」と思い、書くことにしました。誰か一人にでも届けばいいなって思います。

①鬱化する若者たち

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 社会人になり最初に二つ気づいたことがありました。ビジネスには在学中から触れていたので大概のことはあるあるで済んだのですが、これには面喰いました。不倫とうつ病の多さ。なんて悲しい世界。なんて情けない真実。
 朝、満員電車で「出荷」され、一日の大半を過ごす会社では論理に飼いならされ、「駒」として最適化されていく。昼食は慌ただしく「餌」のように摂取し、疲れ果てて退社し、帰りの電車でストレスをためる。休日は解き放たれた家畜のように束の間、牧草を食み、また出荷されていく。。。

 在学中、学生団体を取りまとめ、アルバイトでは生き生きと気を配っていた彼らは、いつしか飼いならされ、その違和感に目をつむり、でもこんなことをしている場合じゃないって焦り、他社に進んだ同期はもっと進んでいるように見え、自分が悪い、頑張らなきゃ、前に進まなきゃ、こんなはずじゃ......
 どんどん弱っていく彼らに対して、「やりたいことを見つけなさい」「あなたの居場所は自分で作りなさい」って、それじゃあんまりです。漠然とした不安やじわじわと蝕む痛みを抱え、日々に忙殺される中で、そんなことに急に向き合えるはずがない。
 彼らに(たまたま読んでくれてるかもしれないあなたに)、また笑顔で仕事に向かってほしい。苦しんだ中に自分が得たヒントが何か生きれば、そう思います。

②自分のぶつかってしまった課題

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 学生時代、ベンチャー4社で働いてみたりちょっと事業のまねごとをしようとしてみたり、色々と動き回る中で、就活を機に自分の人生の目指すところを見つけました。個人として目指すべき方向性(キリスト教の「Mission」・孫正義の言う「志」に当たるものですね。この話もいつかしたいなあ....)、大切にしている価値観、描く理想の社会像、そこに紐づく最初のステップとしての現在地。

 でも先月、能登の山奥で某人材大手の超偉い人に出会って突き付けられたのは、「いかに自分が自分のことを無知であるか」ということ。なぜ人は生きるのか、自分の人生のピークはいつにしたいのか、本当の意味で「自分は」「いま」どうしたいのか。一度何かに突き当たって邁進できたとしても、途中で何度も修正し、何度も己と向き合わないといけない、そう感じました。
 じゃあ、いまの自分にとって、「どうしても成し遂げたいことは何か」「どんな生き様でありたいか」それは、いったい.....?
 全く、答えが出ませんでした。自分なりに考えつくしたはずなのに何も浮かびませんでした。
 日々見える景色は移り変わり、アップデートしていくのですから、それに合わせて思考も止めてはいけません。改めて、今の自分にとっての自分を知る必要がある。そしてこの試みは永遠につづくものである。これが無知の知ってやつですか......
 そう考えた時、自分の中にヒントはありました。農と本。ここに答えがあるのではないか。そこから学べたものがあったので、noteにしよう、そう思いました。

今回のテーマ

 ひとことで言うと「自分が何者か理解しようとすることから、目を逸らさないこと」です。
 もちろんそんなものに答えはないのかもしれません。でもこの時代だからこそ、その問いから逃げてはいけないと考えています。

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 加速する東京一極集中の時代、どんどん「都市化」されていくと感じます。だって、最後に会社に行った日、「土」を踏みました?どんどん思考が凝り固まっていく土台はしっかり固められています。
 そしてこれからはまさに、単純労働が代替される社会。求められているのはむしろ、「優秀な駒」「論理的な兵隊」ではなくて「自分で何かを目指せる人」「自分で社会を変革しようとできる人」だったりするのでは?
 これってとんでもない構造だと思います。この構造の下で、虚無の労働に従事し、石の上にも三年?座して待てば好転しますか?蝕まれていく一方なのに?
 じゃあ自分がしたいことって何なの?私って誰?ここまでなんとなく辿り着いて、そっと蓋をしていく人が多い気がします。忙しいし。疲れたし。大人になってまで厨二っぽいこと言ってられないでしょ。
 まあそうなんですけど、以下の二つはヒントになりそう!って思ったので、長文で、書いたことのないnoteに向かっています。 

(1)自然に触れること。即ち「感じる」こと。

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 大学4年間、そしてスタートアップに来てから1年ちょっと。「農業」の世界に触れてきました。日本中の農家さんにお世話になり、各地に「〇〇のお母さん」的な方ができ、アメリカのブドウ農家に住み込みで働かせてもらい、たくさんの経験をしました。
 東京で「すごいビジネスマン」に会っても伝わってこない何かを、「普通の農家」が持っていました。ずーっと考えていたのですが、一つ仮説があります。

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 それは、「考える」と「感じる」を無数に繰り返して生まれる「深み」なのかなぁなどと思っています。
 畑で無心に作業に没頭すること、ふとした瞬間に季節を感じること、生き物の音を感じること。都市で生きる私たちにはそういう何かが欠けているように思えます。
 音楽でも芸術でもなんでも、「浸る」「感じる」ことがもっとあった方がいいのでは?と思います。その意味で、強制的に「感じる」側に引き戻してくれる自然に触れる回数は増やした方がよさそうだと思います。

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 都市で毎日のように求められる「考える」ことと、「感じる」ことを行き来することで、ふとした瞬間に自分が何者であるか、自分が何をやりたかったか、何が好きで何が嫌いか、だんだんシャープになっていくように思えます。
(写真はそれぞれ農家さんの圃場やお宅で。)

(2)書を読むこと。即ち先人より学ぶこと。

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 「大切なことはみんな本が教えてくれた」。そんな方は多いのでは?社会人になり、ビジネス書やHOWTOばかり読んでいませんか?私もその一人です。時間ないし、インプットしないときついし、わかります。でも、そんなHOWの部分でも、あるいはもう一個深いところでも、本って大切なことを教えてくれます。

 例えば、「組織の在り方」。これはあらゆる経営者・マネージャーが一度は悩むことかと思います。でもよく考えたら「組織」なんて、古代の「ムラ」や1,000年続いた「ローマ帝国」、数百年安定体制を築いた「江戸幕府」、戦争のたびにアップデートされてきた「軍隊」、いくらでもあります。
例えば「恋」。これまで一体何組のカップルがいたでしょう。その数だけ悩みがあったはず。ケースバイケースなのは当然ですが、特別なのはあなただけではなく、過去の全員。
 悩みや苦しみは、過去に無数にあり、そしてそのたびに何度も何度も同じような苦しみを抜けて、成功と失敗が生み出されたはずです。そうした偉人よりも私たちは優れているでしょうか?いやいや。笑
 先人から学び、自分で答えを見つけていくことがどう考えても最速かと思っています。

 こうしたHOWの意味でもそうですが、もっと深いところで言うと、本は「鏡」だと思っています。芸術や音楽にもそう感じますが、本の中の生きざまを目の当たりにすることで、自己があぶり出されていくような気がします。最近だと『蜜蜂と遠雷』の風間塵みたいですね。長年語り継がれる「名作」を読んだ方がいいのはこれが理由かなと思ってます。自分に向き合う上で、きっととっても大切なヒントをくれます。

(脱線)私の人生を変えた本3選

①坂の上の雲

 明確にこの本で自分の物事への向き合い方が決まった気がします。明治という激動の時代の中で、まっすぐに、己の信ずる道へひた走り続ける三人には、素直に憧れます。

のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それをのみ見つめて坂をのぼってゆくであろう​


②ハーモニー

 これはシンギュラリティのその先の社会を考えるうえで、かなり影響を与えてくれました。怖すぎ。加速し続ける現代社会とテクノロジーのその先を考えたとき、いま社会のかじ取りは大枠として良いんだっけ?自分の一票は、自分の仕事の選び方は、これで良いんだっけ?って、日々考えます。


③壬生義人伝

 歴史小説ガチ勢なのですが、これはぜひともオススメしたい。みんな大好き新鮮組を、一人の侍の立場から描きます。全然スターではなく、金を稼ぎに脱藩して来た吉村貫一郎。守銭奴などといわれ、死にたくないと逃げる姿勢を見せますが、その背景にある「義」と「愛」。人にとって大切なものって、何なんでしょう?って、自分とは違うタイプの生きざまから見せてくれます。


※ちなみに、この章の冒頭の写真は私が友人と運営している私設図書館BOOXでの一枚です。写っているのは、誰よりも読書家で、私が心から尊敬している方です。選ぶ言葉の上品さ、思考の幅、静かな心に、日々羨望のまなざしで見ています。笑

まとめ

 初noteのくせに、長々とだらだらと書いてしまいました。簡単にまとめます。笑

・都市で社会生活を送る中で、感性は分断され、論理ばかり求められる。
・一方でこれからの時代求められるのは「自分がやりたいこと」という矛盾の中で詰んできている人が増えている。
・それに対するヒントは二つありそう。
 ①感じることを増やすこと
 ②本を読んで先人から学ぶこと

って感じです。

以下が該当する方、ぜひお話しましょう!
・畑に行きたい(けど特につてはない)
・本を読みたい(けど何かオススメしてほしい)
・色々しっぽり話したい時がある(けどそういうの恥ずかしい)

すごく魅力的で、すごく難しい時代になってきてるなって、感じます。
どうせなら素敵な生き方をしたいし、
そういう人とキラキラした話をしたいです。

2020年も引き続き(はじめましての方も)宜しくお願い致します!

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