見出し画像

「いないいないばぁ!」のすごい事実を知っていますか?


昔からある「いないいないばぁ!」の遊びをご存知の方も多いと思います。
私が保育関連の本を読んでいると、「昔から受け継がれているものって、実は科学的根拠があるんだな!」と驚かされます。

誰かにやってあげたり、やってもらったりしたことが「こんなに凄いこととは!」想像もしなかったです。

「脳科学」の分野から!
「いないいないばぁ」にはしっかりとした根拠のある遊びだったんです。


私は保育現場で生まれたての赤ちゃんや一部の赤ちゃんに「いないいないばぁ」をやってもなんの反応もしてくれないことに……???でした。

「いないいないばぁ」にとても喜んでくれている子と、反応してくれない子の違いってなんだろう?と思うことがありました。

単なるあやす遊びではありません!

「知的な発達を促す遊び」と言ったら興味を持ちますか?

脳科学的に難しくした用語で「ワーキングメモリー」を鍛える遊びなんです!

「いない、いない」と赤ちゃんにガーゼで顔を見えないようにすると、赤ちゃんはガーゼをとってくれるのを待つようになります。(下図)
それが「ワーキングメモリー」という一時的な記憶ができるようになったかどうかの判断基準になります。

参考図化
「赤ちゃんの脳を育む本」著: 久保田競 主婦の友社より


そもそも「ワーキングメモリー」ってなんだか分からないと思います。

「ワーキングメモリー」とは、何かを実行するために一時的に覚えておく記憶のことです!

生後2ヵ月から発達しはじめ、6ヵ月位には訓練しなくても1秒位は直前に見た物を覚えられるようになる。

〔ワーキングメモリーは、一時的な記憶のため忘れてしまいます。長期記憶にするためには「インプットとアウトプット」をすることです〕


「いないいないばぁ」で隠した顔を覚えているから、赤ちゃんが喜ぶ姿をしてくれます。
最初は赤ちゃんはお母さんの顔が見えたことが嬉しい!
2回目からは、覚えていたお母さんの顔が見えたことで喜ぶのです!

この反応で「脳の前頭前野(前頭連合野)の働きが発達されているかが分かります。


ワーキングメモリーが発達すると、おもちゃの上にタオルをかけて見えなくします。10秒位は覚えていられるようになります。
おもちゃをしまった場所など、繰り返し練習することで、次の日まで覚えていられるようになります。

赤ちゃんは、視覚で見ていてもそこにあるものを覚えている力は育っている途中です。
大人の感覚では「気づかないから」と勘違いせず、スキンシップを取りながらこうした記憶を発達させるために関わることが大切なのだと実感します。



【一時記憶の目安】

🌱3〜4ヵ月の赤ちゃんは、顔を3〜4秒覚えていられます。

🌱10ヵ月の赤ちゃんは、顔を10秒くらい覚えていられます。
(早い時期からワーキングメモリーを長く働かせるように鍛えると10ヵ月で20秒までになるそうです)



ワーキングメモリーは、脳の「前頭連合野」に保存されます!

参考図化
「天才脳をつくる0歳教育」著: 久保田競 大和書房より


上図の8番から10番あたりを「前頭前野」です。

ワーキングメモリーは46番に保存されます。
8番では記憶したことを保存しています。


「前頭前野」の働きとは?

「考える場所」です。
10番が最も重要な役割をしています。(おでこ側)
🌟同時に2つのことを行う
🌟順序だてて物事を進める
🌟決断する
🌟感情をコントロールする
時に働きます。人間らしさを象徴する特別な場所です。 


10番の後ろの46番は、一時的に記憶するワーキングメモリーの働きをするところで、10番を働かせるのに大切な役目をしています。

10番も生まれた直後から働きます。急速に発達し始めるのは5歳位です。

🍒コラム🍒

・前頭前野で決定した情報が筋肉に指令を出す6番と4番に伝わります。そして、実際に手足を動かすという動作に繋がります。

・ワーキングメモリーの46番と真似をしたり予測をする時に働く44番を0歳から鍛えておくと、神経回路が丈夫になり、10番の発達も促すそうです。

・発達障害支援でもこのを「ワーキングメモリー」が重要です。そこの発達を促す支援ができると良いと思います。

「いないいないばぁ」のポイント!

「いないいないばぁ」は脳の前頭前野を鍛える遊びです!

初めは何の反応もしてくれないかもしれません。
そういう時は、無理に続けないでください。
突然、反応をしてくれる時が出てくれます。

面白いのは、それにハマると体は上手く隠れていないのに「ばぁ!」と声をあげて楽しんで遊ぶ姿の子もいます。

笑顔で「ばぁ!」と返してあげてほしいです。
ただ楽しく遊んでいるだけで、脳の発達を促せるって良いですね❗️

色んなバリエーションはあります。色々と工夫してみてはいかがでしょうか?


〜メッセージ〜
私は科学的根拠を保育現場でやっています。
「いないいないばぁ」は、無反応だとスキンシップや話しかけてたくさん関わるようにしています。
しばらくしてから「いないいないばぁ」をやってみると「にこっ!」と表情が変わってくるのが分かりました。
鏡のように「笑顔」でやってみると良いと感じました。
昔からの遊びだから「古い」とか思わず、「見えないものが頭から消える」「そして、また見える」から記憶の訓練になります。
神経細胞が働くようになります。
そして、将来「学習」にも繋がります。
こんなことで頭が良くなるならうれしいですよね!

いかがでしたか?
脳科学の分野はどれも大人になるために大切なことだらけです。
少しでも興味が出でくれたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。



  参考文献
・「赤ちゃんの脳を育む本」著: 久保田競 主婦の友社より
・「天才脳をつくる0歳教育」著: 久保田競 大和書房より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?