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短編映画『隔たる世界の2人』2020年・米・29分

今年の第93回アカデミー短編実写映画賞を受賞し、
Netflixオリジナルとして配信されている
『隔たる世界の2人』(Two Distant Strangers)
というのを観た。

基本軸はありがちなループものですが、
大変に良くできた起承転結の構成、
ネガティヴでもありながらポジティヴな
そのメッセージ性と主人公の“意思”には恐れ入った!

短編ながら今年一番面白かったと評価しましたが、
どうも今作には元ネタがあるのでは?
っと話題になっている。

2016年にCynthia Kaoというかたが監督・脚本し
YouTubeに投稿した短編
『Groundhog Day For A Black Man』

確かに『隔たる世界の2人』と酷似したアイデアである。。。
違いとしては“母の誕生日で…イヌの待つ家に帰りたい”主人公、
元ネタはかなり“コミカル”に、“オチ”が大きく異なる…
くらいでしょうか…?
仮にこれを元ネタとしてたとしても
アレンジが良いので『隔たる〜』に対しての評価は変わりませんけど…!

そして今回のこの騒動の一番の問題点が
『隔たる世界の2人』を製作した数社のうちの1社(ネトフリではない)が Cynthia Kaoとコンタクトを取っており、
この作品の存在を知っていながら
『隔たる世界の2人』の製作に参加したのではないか?
そしてCynthia Kaoの名前はクレジットされていない…
ということで本人が告発し問題になっているようだ。

日本でも『カメラを止めるな!』の主題歌が ジャクソン5の曲に酷似しており 問題となってのちに元楽曲制作者の名がクレジットされるようになりましたが、
まああの曲は誰もが分かるパロディーで、
この問題が大きくなる前から自分の周りでは 『カメ止め』の話題になったら
「あの曲ジャクソン5ですよね!(笑)」
と軽く受け流していましたが、
あそこまでの大ヒット映画になってしまうと 権利云々が絡んでくるし、
これをパクりと非難するのは野暮ってもんですよ。



『カメ止め』の場合は元ネタがメジャーな分かりやすいモノでしたが、
『隔たる世界の2人』はYouTubeで配信されていた短編、
そのままNetflixでの配信だけならそれほど大きな問題にもならず
水面下で元ネタ制作者のCynthia Kaoに対して
説明等がされたりもしたんでしょうけど、
なんせアカデミー賞を受賞してしまい大問題に‥!
しかも製作した1社がCynthia Kaoと接触しているので
たまたま似てた、似てるだけ
では通らない。

とりあえず意図的なパクリはモノづくりとしてダメな行為、
『隔たる世界の2人』製作陣には 誠実な対応を望みたいもんですね。

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