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旅を終えて、日常は続く

お金はただのお金
あなたが持ってる500円玉と
わたしがもってる500円玉
買えるガリガリくんの本数はきっと一緒

それでも
「どう使いたい?」は考えたい

家の思い出になることにしたいなぁ、
それだけは、なんとなくあった。
この結論が西ノ島への旅行だった。




今年、梅の花が咲く頃
「結婚式の絵、描いてくれない?」
友人夫婦から依頼があった。

結婚式の招待状に使えて、
結婚式にも、終わった後にも飾れそうなのを描いて欲しい。
って、依頼だった(多分

わたしは絵描きではない。
webで注文してくれた方に同封してるポストカード。絵の具で描いたり、コラージュして1枚つくるのは楽しい。
このポストカードを気に入って頼んでくれたそうだ。


わたしに絵頼んでくれる人おるんやな〜
ってびっくりしつつ、
嬉しかったから二つ返事でOKした


無差別にモノづくりするより、
時間はかかっても、目の前の人に向けて作りたい。
そんな風に思ってもいた時期だったし、ちょうどよかった。


A4より一回り大きいサイズのキャンパス

事前に希望を一通り聞いていた。当たり前だけど、なかなか思った通りにはいかない。手を動かすたびに、楽しさが広がったから。

実験みたいな時間はご褒美みたいだった。
トマトと土で、何をどこまでできるか?
(依頼してくれた2人の分身として、
トマト・土をテーマに扱いました)



連想ゲームみたいなもので・・・

トマトで糸染めできる?
そこから、染めで余った材料で紙漉きできそう。
ケチャップは、絵の具の代わりになるな


土絵の具、使いたい!
調べると、土絵の具は自作できそう。。。
それなら生まれ育った土地の土で作りたい。
(結局できんくて←悔しい
いい感じの土絵の具を探した)


場当たりな連鎖ゲーム。
素材からピンとくることが多いから、
器用貧乏・効率悪いんやろうな〜とも思う。
けど、それをやってる時間はたのしくて仕方なかった。
2人が面白がってくれたら、それでいっか、だった



出来上がった品を眺めながら
べらぼうに気持ちいいモノづくりだったし、
納得できた。

とはいえ、本人たちに見てもらうまでは不安もある。ドキドキしながら包んで、郵便局でいってらっしゃいした。


「この1枚にここまでしてくれるん、狂っとるな」
「いいお金の使い方したわ〜」

狂っとるって言われて喜ぶのもおかしいかもしれない。
けど、わたしにとっては最高の褒め言葉だった。
そんな風に受け取ってくれたことが
なによりうれしかった。



謙虚でやさしい2人が
「自分たちが主役の結婚式は違うんよね」
ってうんうん考えてたのは聞いていた。


結局、まるで昔の結婚みたいに
自宅で支度をして、自宅で家族と写真を撮る
といったものにした。


「ぶっちゃんもよかったら来てね」

家族だけの空間に、
部外者が入るのは申し訳ないなぁ・・・
とも思った。
けど、近かったし、呼んでくれたこと。
なにより、自分の絵に
2人のアレンジが加わった招待状が届いたことが
あったかい気持ちになった。
邪魔にならない程度で行くことにした。


撮影がはじまった時、
「おとうさん、座布団いらんって〜」
日常を過ごしただろう家で
お母さんのトマト色の着物を着て
花嫁姿になった友人がお父さんと会話する何気ない姿になぜだかグッと来た。

グッときた正体はなんだろう?
言葉にしようと思ったけど、うまくできない。
日常の中の延長線の雰囲気に温度感を感じたからなのかな。

ふるまいトマト



絵の対価としていただいたお金は、
ただ貯めて寝かせておくのは違う気がした。
嬉しい気持ちを一緒に乗せて使いたい。
巡り巡らせたかった。
どうするのがより満足できるか?

旅は日常の延長線。
どこかに息子と2人で旅に行くのがいいかも、
と頭に浮かんだ


わたしは基本に仕事してるのが好きだし
子どもは勝手に育つと思ってる節もあるから
放任で10年育ててきた

なんて言いつつ建前で、
純粋にじっくり子どもと向き合う時間が欲しかったのかもしれない。

そんなことと、
のんびりできそうな場所を考えた時
夏休みの西ノ島はぴったりだった。

ゆうやけこやけの、赤尾展望台


行きたければ、こんなごたくなんて並べず
行けばいい。
けど、人はやらない理由を探す天才
と、何かの本で読んだ。

私自身、めんどくさがりだからさ。
10年前から行ってみたいって思って、
9時間かかるって知った時点で
「沖縄に変えようかな」
って思ったりもした。
けど、変えなくてよかった、
西ノ島の海風にあたりながら思った


お金の使い方を考えるなんて
大人になったもんだなぁ、と思う

「いいお金の使い方したわ〜」


夏の我が家の思い出は
巡り巡って、日常に続いてく




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