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ワクワクが人々の幸せになる~天地明察の感想~

6月18日。今日は何をみようか。
某通販会社の動画配信サービスを開き、携帯をスクロールする。
今日は新しい作品が追加されていた。
新作が入った時は、見たかったけど映画館での上映時期に見ることができなかった作品、見たい候補作から悔しくも落選してしまった作品、私のベストムービーだ!と感じた作品が追加されていると、物凄く嬉しい。家でワンクリックで映画が見られるとは、なんて便利なサービスだろう!文明の進化に感謝だ。

ただ、レンタルショップでDVDを借りて見ることも好きだ。
背丈より高い大きな棚に並べられた膨大なDVDをゆっくり見ながら選ぶ時間は至福の時間だし、今では漫画本もレンタルできる。紙媒体で読むのが好きな私にとってはありがたい。
どうか、配信サービスやコロナ禍に負けずにレンタル店には生き残っていて欲しいと思う。

選んだ映画は「天地明察」
これは“見たい候補作から悔しくも落選してしまった作品”だったから、すぐに目についた。
2012年公開。そんなにも前になるのかと思う。

冲方丁さん原作、岡田准一くん主演の作品。
江戸時代、将軍家に将棋を教える名家の後取りとして産まれた安井算哲が主人公。
仕事よりも天体観察が幼い時から大好き。大人になってからも、和算問題ばかりを楽しそうに解いている男。ある時に御前将棋をきっかけに全国各地での天体観測を命じられ、その後に日本初の暦作りの大役を任される。
様々な困難がありながらも、師匠や出会った仲間達、家族に支えられながら卓越した計算能力と柔軟な発想力をいかして暦作りに奮闘する物語。

まず、私好きなシーンは、映画冒頭で算哲が設問を解くために神社の参道を走っているシーン。
小柄な岡田君が大きめの着物を羽織り全力で走っている。まずはそれだけでもの凄く可愛い。
それに加え、無邪気な笑顔。そして、そのまま設問を楽しそうに解いていく。
好きなことを楽しそうにやっている人を見るのはとても気持ちがいい。自分もワクワクして、アイデアが沸いてくるから途中何回か一時停止をして調べものをしてしまった。
演技なのに、人にパワーを与えられる俳優さんは本当にすごいと思う。

次に私の好きなシーンは、妻えんと世界地図を見ているシーン。
全国の天体観測を終えて帰ってきた算哲は、和算家の兄を持つえんと結婚し二人で協力して暦作りに励んでいくことになる。
世界地図の中に、日本を見つけ「こんなにも小さいのですか」と算哲に問う。それに対し算哲は、
「私達が小さいのではない。世界が広いのだ」
と答える。

世界に比べて自分が小さいと自分を卑下するような言い方ではなく、もっと広い世界があるよ、と未来が広がっていくような表現方法を選ぶところが素敵だなと感じた。


「好きを仕事にするとそれが嫌いになる。」
とも言われることがあるけれど、算哲も月の満ち欠け予想が外れたり、自分が作り上げた暦が間違っていて、仲間に叱咤され落ち込み自暴自棄になるシーンがあった。
その時の算哲は、自責や他責にのまれ天文学が楽しめず視野も狭くなり、当たり前に結果もついてこない。
だが、そんな時に助けになったのは、仲間や師匠や家族だった。
厳しく意見することもあるけれど、算哲の才能を認め、彼の周りにはいつも人が囲んでいた。その“人の輪”はどんどん大きくなっていく。

算哲が人を惹き付け、仲間が増えていくのは、まず彼自身が楽しんで物事に取り組み、人生を豊かにしていったからだろう。

“自分のワクワクが人を幸せにする。”

そんなことが出来たらどんなにいいだろう。
そんなワクワクを感じた物語だった。







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