「 未定 」#32 Get to town

 イズコはゴロゴロとした岩の多いアップダウンが多く歩きづらい道を歩く。バルバ達とは廃坑でグリフォンを退治したあとに別れた。イズコは一人バッセーロのもとへ向かうべく旅路を進んでいる。

どこからともなく青い鳥が飛んできた。チェロだ。
「お、チェロか、、久しぶりだね」

チェロはイズコの周りを飛びながら話しかける。
「なんで最近呼んでくれないのさ。もう、、こっちから現れたよ。」

「そうだったね、ごめんよ」
「なんだか浮かない顔しているね、また一人旅で寂しいのかい」

しかし、以前はチェロはこんなに話をする鳥じゃなかったんだが・・・
呪いの魔力の影響で、使い魔の知力が高くなっているのだろうか。呪いのせいで散々酷い目にあっているけど、しかし変なところに影響が出てくるもんだな。
「一人のほうが気楽さ、、ただ僕やバッセーロのような境遇だと仲間を見つけないと野垂れ死にするからね」

「このチェロという仲間がいて良かったじゃないか」
「ありがとう、一緒に戦えたらもっとよかったんだけど。でも心の支えだし助かるよ。」
「どういたしまして」
「元気なく見えるのは、のどが渇いて、お腹も減っているからだよ。しかし、まだソイールの街にはつかないのかな。バッセーロも待ちくたびれているんじゃないかな?」
「えーっと・・・もう少しだね。バッセーロは『ミノン』という宿屋で療養中だよ」
「よっしゃぁ。ようやくちゃんとした食事に有りつけそうだよ」

フラフラと歩いていたイズコは急に足早に歩を進め始めた。
勾配のある斜面を進んでいくと、高台から周囲が見渡せる場所に到達、そこから眼下に街を臨むことができた。
「あれが、ソイールの街か」
ほっとしたようにイズコはつぶやいた。
小走りに進みながら街の入口に到着。
大都市ではないが建物や人の多いそこそこの大きさの街であるようだ。
久々に人の往来が多い都市に来た。
しかし、喉の乾きと空腹が限界だ。バッセーロには悪いけど、会う前にとにかく腹ごしらえをしよう。

「すいません、このあたりで飲み食いができる店はありますか?」
イズコは通りすがりの通行人に店を尋ねた。
「あそこの角にある、『エロイーズ』って店は冒険者が集まるエール酒の旨い店だよ」
「ありがとう」

やっとエール酒が飲めるぞ、あ〜楽しみだな。
イズコは店の前まで来てその扉を開けた。










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