小澤が芸人になるまでの流れ11

11に①みたいな丸い表記がなくて最初から漢数字にしておけばよかったと後悔している小澤です。というかなんかうまいことして⑩に収めればよかったと思ってます。

東京に戻ってきて父親と合流して、二人でお酒を飲むことになりました。小澤もしやここで芸人になることを伝えるのか!?!?

いいえ、ここではただひとり旅を終えて一皮剥けてるつもりになってる箱入り息子が堂々と梅酒ソーダを飲むだけです。あとほとんど焼いてないレバーも食べます。会話は全くと言っていいほど覚えてないです。覚えてないところを見ると深い話は一切してないと思います。もしくは深い話すぎて小澤溺れてた可能性があります。どちらにしろ何も頭に残ってないです。

そのあと六本木へ。二階ながら真ん中のめちゃくちゃいい席。有名な外国の方が演奏してくれるらしい。いいね、かっこいいね。

いざ始まって自分の知ってるジャズとは違うことに気づきます。もうなんかめちゃくちゃフリー。

「あれ?スウィングガールズで竹中直人が言ってたのと違う、ドゥダドゥダじゃないの?」

上級者向け過ぎて戸惑う小澤は置いて行かれます。下のテーブル席に座ってる人たち(多分色々詳しいジャジーな人たち)はもう大盛り上がり。頭をブンブンふって盛り上がってます。

わかってるふりしがちな小澤は同じように頭をふり出します。もうジャズバンドの方見てない。ジャズバンドで頭振ってる人の頭見てる。

「ドリンクはいかがですか?」

さすが六本木、曲間で店員が飲み物を聞いてきます。

「ジンジャエールで」

こいつ絶対ジャズ知らないだろという飲み物頼む小澤。そして大抵こういう所のジンジャエールは甘くない、めちゃくちゃ辛い。ジンジャエール飲みたい人が頼むジンジャエールじゃない。気持ち下がります。というかそもそもジャズわからんのじゃ。

結局一番テンション上がったのは日本人向けにやってくれた「赤とんぼ」でした。ジャズとかじゃなくてシンプルにいい感じで演奏してくれました。ジャズがなんなのかわからないまま数日ぶりの実家に戻るのです。


翌日実家で目覚ます。また何も変わらない日常です。結局何か変われと思ったひとり旅で具体的に変わったものはありませんでした。当たり前なんですけどね。現実逃避みたいなもんですし。

いよいよ本当に考えなければいけないみたいです。向き合わにゃならんのか。どうしよう。


ここで思い出しのが黒田さんの言葉です。

『やらない言い訳は探そうと思えばいくらでも見つかるんだよ。うちの会社にもいるよ、休みはなんかしたいって言って疲れててとかいって結局なんもしてないやついっぱいいる。なにかやりたいことはあるんだって言い訳してるだけで。まだわからないかもしれないけど、すべて準備万端できることのほうが少ない。自分でまだだと思っててもやらなければいけない瞬間が山ほどあるし、やってしまった方がいいことがある。迷ったら何も言わずGOや』

迷わずGOや、か。

言ってないはずの言葉に引っかかる小澤。嘘です。ほんとはこっち

やりたいこと、か。今までを振り返ります。

そういえば。実はもう高校を卒業した後で一回芸人になろうと思っていたのです。受験勉強がいつまでもしっくり来なくて、高校三年生の時「俺は高校卒業したらNSCに入る!」とクラスで叫んでいました。なんやかんや周りに飲まれ大学へいき、無気力で生きているうちに忘れてしまった気持ちでした。

今まで何も積み上げられてない自分。サッカーも勉強も何もかも中途半端。やりたいこと、やりたかったこと。もうこれしかない。これにすがるしかない。

ひとり旅で使い切ったお金。NSCの入学金は40万円。あと半年以内で貯めないといけません。

絶対するはずないと思ってたバイトの夜勤を入れます。迷いはあんまりなかったです。もう何もなさ過ぎてそれしかなかったので。

半年で40万円を貯めました。全然辛くなかったといえば嘘になりますが、何かのために動いてると思える時間は充実してたと思います。

40万円ふり込んで、入学の面接を終えて、あとは入るだけという状態で母親に全て伝えました。留年したこと、次の一年間休学すること、その1年間でNSCという吉本のお笑いの学校へ通うこと。泣かれましたし、なぜ言わなかったのかと言われました。

言ったら止まりそうだった、それにきっと言ったら入学金の一部でも出すと言いそうな気がしたから。

人生で初めて全てを自分の責任にしたかったんです。

「実家から通うなら甘えじゃない?」といわれた時も、何も考えず「出て行きます」とすぐに答えてました。あてがあるわけでは全くなかったですけど。

お父さんに話しなさいと言われ翌日、お父さんに話しました。反対されると思ってました。公務員でNHKしか見ないような父親です。お笑い見てるとこもあまりない。そんなお父さん。

ちょっとだけ頷いて

「好きなことやりなさい」と言ってくれました。


そして東京のゲストハウスに引っ越して、NSCに通うことになりました。



もうこの文章書きながら号泣しています。なんか自分で書いててあと2倍頑張ろうと思えました。勝手に盛り上がってすみません。あんまりうまく描写かけてないのでいつかちゃんと書き直します。

さてそんなこんなで実はこのシリーズここで終わりです。

まさかの!!!なんだよ!おい!NSCは?!?!

正直に言いましょう、NSCのことはほとんど覚えていないので当時書いていた日記を読まないとわからないのです!!!実家にあるのでそのうち取りに行きます、その時書かせてください。

明日も書きます、ごきげんよう!




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