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No.70 『小澤が芸人になるまでの流れ④』

ビーフジャーキーあるある、分厚くて少ないのか薄くて多いのか悩んで、最終的に㌘で決める小澤です。

宮島について行き止まりくらったところからの続きです。

しばらく歩いていくとあの有名な赤い巨大な鳥居が目につきます。
ただなんか見たことあるやつと違う。なんとなくそう思いました。
どうやら満潮干潮で見え方がちがく、ついたときは干潮?で鳥居の下半身があらわになっていました。
神社もなんか見えちゃいけないもの見えてる感じ。あらーって感じ。
後満潮時にもう一回訪れるのですが、神社の作りはすべて計算してあり、水がぎりぎりまで上がってきたその姿は幻想的でした。きれぇー!って感じ。

干潮の神社を横目にせっかくだったらいろいろ見て回ろう。
すぐ近くに千畳閣という豊臣秀吉が関わっているという神社?があります。
千枚の畳が引けるくらい広い建物。実際は800枚くらいらしい。
何よりも雰囲気がものすごい。荘厳なその佇まい。このあと京都奈良でアホほど神社、寺をみることになりますが雰囲気だけ見ればこの千畳閣が一番でした。


その存在感に圧倒されていると、横で女の子がカメラで写真を撮っていることに気づきます。見た感じ同い年で一人旅に見えます。これは小澤が勝手に見てるだけ。ロックフェス行くとき、電車乗ってる全員がロックフェス行くように見えるやつ。僕だけでしょうか。

とにかく小澤振られたてで、かつここは旅先。尾を引くことはないだろうと話しかけに行きます。『この建物かっけぇですよね』『どこからきたんですか?』
よしいける。

気づいたら50メートルくらい先にいます。さり気なく追います。すれ違って話しかけるタイミングを伺います。気づいたら50メートルくらい先にいます。
逃げられてる?ようやく小澤気づきます。自分がただの不審者であることに。
これは流石に気のせいだとは思いますが、50メートル先で建物に向けられていたカメラがほんの少し角度を変え、小澤が写るんじゃないかくらいの画角でシャッターが切られてました。
もしかしたら小澤、宮島で指名手配されてる可能性があります。

なんやかんやで、宮島を散策して、でっかいしゃもじとか見て。ここで思い出します。泊まるとこ決めない。
普段家族で泊まるような旅館とてもじゃないけど泊まれない。今だったらネカフェでも何でも思い浮かびますがまだ箱から出たての息子さんにはどうしたらいいか検討もつきません。

ふと旅でる前にやっていたニコ生コメントを思い出します。『困ったらゲストハウスに泊まればいいよ』

ゲストハウス。
かばん一つで旅行してる『バックパッカー』などがよく利用する簡易的な宿泊施設。二段ベッドなどのドミトリーが多く、ご飯もプライバシーもないけど屋根とベッドと交流があるよみたいなところ。

調べてみると広島側のフェリー乗り場のすぐそこにゲストハウスがあります。電話してみると今日いけるみたい。『俺は宿をとれる男だ』。小さく胸を張ってゲストハウスに向かいます。

一泊たしか2000円くらい。
手続きをしてると同い年くらいの男の子が話しかけてきました。『どこから来たんですか??』なんの含みのない顔をして聞いてきます。
そうかこうやって話しかければよかったのか。
『茨城です』『へー随分遠くから、何しに来たんですか?』『なんとなく一人旅です』『いいですよね一人旅、僕も中国ぐるっと回って帰ってきたとこなんですよ』

旅レベルが違いすぎる
なんでこんなにスムーズにやり取りできるの。中国帰りて。同い年くらいなのに。
そんなこんなで夜はその人含め日本人何人かで話すことになりました。
内容はあんまり覚えてないけど、解放感のあるようなむず痒いような不思議な感覚だったのは覚えてます。

話してると厳島神社は夜ライトアップされるらしい。もう一度フェリーに乗って宮島にいき、カップルにイライラして秒で帰ってきました。

広島側についてふと見ると、女の子が一人ポツンと座っています。一人旅に見えます。『どこから来たんですか』。自分が話しかけられたように話せばいいんだ。
『あのどこから来たんですか』の『あ』くらいで同じフェリーに乗っていた彼氏の方に吸い込まれていく女の子。ここにもカップルかよ。
もういいわと、お腹だけでも満たそう食べようにも周りにあるのは観光価格のお店ばかり。
仕方なくコンビニのおにぎり片手にゲストハウスへ帰ります。

ゲストハウスさんのオーナーが一人だけ共同スペースにいました。
『おかえりなさい』『ただいまです』
少しやりとりに照れながら、オーナーさんと少し話すことになりました。
旅人が集まるゲストハウスのオーナーさんだから旅がお好きなようで

『こないだバイクで九州行ってきたんだけどめっちゃ面白かったよ!』

へーそうなんだ。
なんの目的もない旅。次の目的地は九州になりました。





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