見出し画像

BtoBSaasしくじり先生|3年で〇億以上溶かして学んだ7つのこと

noteってこうやったらめちゃ伸びた。みたいな成功談が多いですよね。
個人的には「やらかしたぜ」みたいなそんなことの方から学べることが多かったりするかなと。

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議なし」と僕の好きな野村監督が言葉を残していますが、今振り返るとなんであんな間違いをしていたんだろう。ということが多々あります。失敗には必ず理由があるんですよね。

ということで?
BtoBSaasしくじり先生|3年で〇億以上溶かして学んだ7つのこと
ということで僕がある会社で約3年間BtoBSaas事業に従事し、やらかしていたなということを共有していきたいと思います(笑)

現在は広告代理店でプレイングマネージャーしてるのですがBtoB関連のWebマーケ支援をすることが多く、その中でもSaasビジネスが好きで個人的に想い入れがあるのでなんか参考にしてもらえたらいいなと言う感じで書いています。

流石にめちゃくちゃ具体的数値やプロダクト名まで書けないのですが、なるべく抽象化して書いているのでご了承ください。興味あったら直接聞いてみてください!話せる範囲で面白おかしく当時のことを話せると思います(笑)
また正直、あるある感あってしまう部分も多いと思いますが最後までお付き合いいただけると幸いです。それでは行きましょう!

①PMFしてないのにセールス力でなんとかするのは良くない

BtoBSaasってセールスが強いとPMFできてない状態でもある程度売れてしまうんですよね。でも結局、解約されてしまい積み上がらないみたいな……

僕が経験したことをいくつか書きます。
セールスに従事していて2年ほどで中小企業100以上受注することができました。でもその半分以上に解約されてしまいました。月に4〜5社受注してきて毎月1〜2社解約されるみたいなことを繰り返していましたね。いわゆるバケツに穴が空いた状態でセールスをしている状態ですね。

全くもって売れないんだったら、プロダクトをどうにかしよう。みたいな発想になるんですけど、売れてしまうのがタチが悪いんですよね。あの手この手を使い、売れるようにしてしまうみたいな……

例えば機能で劣るのであれば、サービスの世界観やSaasならではのお客様の声を活かして今後の開発に活かします。みたいなセールストークを駆使したりなどなど。あとSMBマーケット対象だったので顧客側も詳しくないジャンルなのである程度、こちら側でコントロールができてしまったのもアレですね。エンタープライズだったら難しかったと思います。

他にも、本当の初期だと役員陣の知り合いとかにセールスしに行くと思うのですが、良い部分と悪い部分もありますよね。受注しやすいのですが、課題に対する解決策として購入してくれているわけではないので、その受注をPMFしていると勘違いしてしまうのが良くないですね。

あとは既存顧客がいて新規事業を始める時も注意です。会社のファンみたいな顧客にセールスすると世界観や将来性だけで売れてしまいますからね。

「課題に対する解決策としてそのプロダクトがある」状態での受注ができてないと受注しても利用されなかったり、すぐに解約されてしまうサービスになってしまいます。

また、CSにも負担が非常にかかります。顧客課題を解決できないのに受注をしてしまってCSに渡しても、最初から負け戦が確定しているのに戦うようなものです。僕もCSをしていたことがあるのですが、フワッとした要件で受注してくる案件の対応はとても大変でした涙。

解約の部分はCSが見ていることになるので、負け戦を持ってきてしまうのはCSにとって可愛そうですよね……。

僕がもう一度、立ち上げ初期のSaasビジネスに携わるのであれば兎にも角にもプロダクトを磨き、何とかさせPMFすることにリソースを使いますね。まぁ、セールしてみないとわからないのですが、次のテーマにも絡んでくるのですが最小限の人員でセールスと開発が一丸となって頑張るようにするでしょうね。

②セールスとプロダクト開発を分担しすぎない

僕がもっと意識してできればよかったなと思うのが開発者の方々との連携を強化することですね。

プロダクトマネージャーと代表が別れていたのですが、いい意味で、お互いが自分責任論の強い人達でした。売れないのはセールスがまだまだ実力不足だ。利用者の満足度が上がらないのは開発の責任だ。とお互いに自分の領域は自分でなんとかするという気持ちが強かったです。

それはとてもいいことなんですが、自分責任論が強すぎるとお互いの領域だけでなんとかしようとしてしまいます。

その最たる例が「①PMFしていなくても売れてしまう」ということなんですよね。あの手この手を使って売れてしまうんですよね。だから前進できてしまうというか……。立ち止まって開発とセールスがお互いに歩み寄り、狙った市場の課題解決をするためにどの機能を優先的に開発していくか?既存利用者の利用率向上にどこを改善すればいいのか?というのが大切になるかと思います。

もう一度、昔に戻れるならセールスやCSの場面にCTOの方を同席させたり顧客の生の声を開発にうまくフィードバックできるような仕組みを作りたいなと考えます。とはいえ「顧客の声をすべて反映させればいい」というわけではないんですけどね。そんなテーマで次の見出しは書きます。

③最大公約数を取りに行く開発を行う

このテーマでもだいぶやらかしたのですが(涙)
BtoBSaas事業にいた頃、CSで対応していたお客様の中で声の大きいお客様がいましてその声を反映させて機能を開発したのですが、結局全然使われなく……。

社内チャットツール的な機能を開発してもらったのですが、冷静に今になって振り返ればSlack連携でええやん。って感じです……。開発の部分を細く見ていたわけではないので詳しくないですが、おそらくその機能開発だけでだいぶお金と工数を費やしていたと思います。

セールスとマーケがメインだったので開発については細かく把握してないですが、顧客の声を元に機能開発する時は
・既存のツールとのAPI連携でなんとかならないのか?
・この機能を開発したら他にも活用できる企業はいるのか?
これらを自問自答したいですね。あとはプロダクトマネージャーの腕にかかっていますね。初期であればあるほど、顧客と対話しながら目指している世界の実現に対して必要な機能を取捨選択する必要があるので中々ハードルが高いと思いますが。

④顧客の課題解決をすることが目的なので手段に固執しない

お客さんって別にプロダクトを使いたくて使ってるのではなく、課題解決のための手段としてプロダクトを使ってるんですよね。極論ではありますがより簡単に、低コストで課題解決できれば何でもいいんですよね。

プロダクト内で無理やり完結させるのではなく、今の時代、様々なSaasがあるのでそれらと連携して課題解決したほうが結果、コストやリソースが少なく解決できることが多くなりました。

僕が所属していたBtoBSaasでは自社のプロダクト内で完結させようとしすぎていた部分が非常に多くありました。結果、リソースが分散し全部が60点みたいな。Saasあるあるだと思うですけど、無駄な機能を多すぎてもだめなんですよね。選択と集中。全部が60点よりも一つのポイントで99点叩き出している方がお客さんから選ばれるんですよね。

今、BtoBSaasをやっていたあの頃に戻れるなら、一つでいいので99点の機能を作り勝負していきたいなと思いますね。

⑤自社活用できていないプロダクトは難しい

あるあるな気はしますけど、自社活用できてないプロダクトってむずいっすよね。自社で使い倒せていないプロダクトを売るのも難しいし、他の企業で定着させるのも難しいです。

うまく行っているSaas企業の話を聞くと、自社内システムとして使っていたのをSaasにしたら上手くいった。とか、受託企業が複数案件をこなすうちに、業界ごとや業務ごとのペインを見つけてSaas化したらうまく伸びたみたいな。

クラウドERPのZACも受託から始まったビジネスだと聞いたことがありますね。プロダクト型のビジネスの進行管理や損益管理のシステムをよく受託することが多かったらしく、クラウド化して展開したら伸びたと聞いています。これも課題ありきでの開発なので兎にも角にも課題ありきで開発して横展開するのが綺麗だと思いますね。Saasが先に来ては行けないというか。課題ありきで解決策がその形だったみたいなね。まずは徹底的に作り込んで使い倒してからセールス頑張ろうということですかね。

⑥初期は少人数で

これも当たり前なんですが、初期は最小の人数とリソースで始めようということですね。僕がいた会社の場合だと新規事業のBtoBSaasと他にも2つの事業がありました。一つの事業を畳んでそのセールスメンバー4、5人をSaasに移動させたのですが、そんなにセールスいらねーよ。っていう感じになってました。他にもCSが数人いたのですが、顧客もまだ少なかったのでテストエンジニアの仕事をしていましたね。

当時開発メンバーも社外の関係者を含むと10人前後だったと思うので、人が初期から多すぎたのかと思いますね。まぁでも難しいですね。PMFしていると思ってアクセルを踏んだらPMFしてないよ。みたいな感じですからね。Saasビジネスをしているとどこかのタイミングでアクセルを踏む必要がでるので人を入れていないとダメですし。

それでもPMFをするまではギリギリの人数でやったほうが、開発と顧客との距離も近くて小回りが効いていいのかと思います。まずはPMFを第一と考えるのが大切ですね。

⑦専門家不在で取り組むと伸びない

集客チャネルの一つとしてオウンドメディアを立ち上げました。この施策も専門家をちゃんと入れてやっておけばよかったなと、今なら思います。

一応、月間5万くらいのPVまで育ってきたのですが、リードが満足行くように獲得できませんでした。更に、現状のPV数以上に伸ばすやり方も当時はわからなかったですし、だいぶ落ちている情報のみで頑張っていた感はありましたね。やってもあまり意味がなかった施策もたくさんありましたし遠回りもたくさんしましたね笑
いい経験にはなりましたが、オウンドメディアを運営するのはメイン業務ではなく、受注を増やすことが当時の自分は追っていた部分だったのでやらなければ行けないことに時間を割かなければ行けなかったですね。

そういった意味でもオウンドメディアの専門家に入ってもらい代行してもらうだったり、初期構築などしてもらったほうが早かったなと思います。Web広告周りも同じですね。インハウスでもいいですが、専門家に意見を聞ける状況になっていた方が遠回りしなかったかと思います。マーケ以外でも同じだと思います。セールスやCS、開発も外部の専門家と連携を取っていれば早く課題解決ができたんじゃないかと思います。

日々我々の直面する重要な[問題]は、その問題をつくったときと同じ考えのレベルで解決することはできない

とアインシュタインが言葉を残していますね。
当時の自分を振り返ったらまさにその状態だったなと。今思ったらおかしいよな〜みたいなことに気づかず仕事していましたね。

BtoBSaas事業が非常に盛り上がりを見せる昨今。新たに挑戦されるかも多いハズ。少しでも今日の記事が参考になったら幸いです。

またALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんはこんな言葉を話しています。

「ビジネスモデルに矛盾が少ないから、SaaSは美しい」

VC 前田ヒロが語る、SaaSが日本を救う日。2020年からのビジネスは「美しく、素直になる」より

上記で述べてきた過去の体験から、個人的にめちゃくちゃ共感するんですよね。

PMFしてない状態でセールスができても、結局お客さんは満足行く結果が得られなく解約されてしまうし、売り手目線では売上が一時的に立ってしまったから短期的には良い部分があるかもしれないが長期的には絶対、上手く行かない。

ツールを使い続けてもらうために、紳士にプロダクト改善に向き合うべきですし、お客さんの成功が自分のビジネスに跳ね返って来るのがSaasの美しいところですよね。ですので僕みたいなしくじりをしないで正しいことを正しくビジネスを進めていってください。

こんなこともあり個人的にBtoBSaas事業が好きです。そんな人達のお役に立てたら幸いです。
諸々と脱線しましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にもBtoBマーケティングや運用型広告にまつわる情報をTwitterやnoteで発信しているので、フォローいただけると幸いです。

ありがとうございました!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?