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『死刑執行人サンソン―国王ルイ十六世の首を刎ねた男』安達正勝

こないだ本屋さんに行って、なんか面白そうな本ないかなあ~フンフン♪って感じでウロウロしていて、とある本に目が止まりました。それがこの本。なぜ目が止まったかというと表紙に荒木飛呂彦さんのイラストが描かれていたから。

荒木さんは漫画だけでなく集英社新書で本も出してるので、それかな(-ω- ?)と思ったのですが作者は違うっぽい。近づいて見てみると表紙にはイラストの他に「ぼくのSBR(『ジョジョの奇妙な冒険』第7部)のジャイロ・ツェペリをご存知?実をいうとこの"サンソン"が、彼のモデルなんです。」との文章が。

そこで私は俄然この本に興味を持ったわけです。"あの"荒木飛呂彦さんが主人公のモデルにしたくなるくらいの人物とは一体どんな人なのか?と。その"サンソン"さんについて書かれているらしいこの本がものすごーく気になり、買って読んでみることに。

ちょっとね、題名からして穏やかではないタイトルなので一瞬ひるんだんですけど、まずはパラパラっとめくって読んでビックリ。フランスにはかつて代々死刑執行人を務めた一家がいた、ということに…。しかもその始まりが"恋"だったとは…!なんてドラマチック!!

新書なので小説ではないんだけど、史実がそのまま淡々と書かれてる訳じゃなく、ドラマ仕立てというか、情景が浮かぶように書かれててすごく面白い。のっけからぐいぐい引き込まれて、一気に読み終えてしまいました。とはいえ、全般において処刑の話ですから、それなりにエグい描写も多々あります…

しかし、作者さんがあとがきで書かれてるように、この本は決して猟奇趣味で書かれた訳ではなく、代々死刑執行人を家業とする家に生まれおちてしまった一人の人間の波乱に満ちた人生を描いています。私はこの時代のフランスというとマリー・アントワネットを描いた作品くらいしか触れたことがなかったので、違う側面からフランスの歴史を知ることが出来て良かったです。

まあ、読んでこんな人生を送った人がいるのかとちょっと打ちのめされるくらいの衝撃を受けましたが…。どうかサンソン氏の魂が安らかであるようにと願わずにはいられません。

てことで今日あげたこの本は集英社新書コーナーにあると思うので興味持たれた方はぜひチラ読みしてみてね。集英社新書では新書大賞を取った『人新世の「資本論」』も話題なのでそちらもおすすめです(私はまだ読んでないけど(笑)。


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