いつの日かあなたは、発達障害に感謝するようになる

※この文章は特定の方を読者として想定したものです。

または、過去の自分に向けて書いています。

突然ですが、久しぶりに小説を読み終えました。実用書と違い、小説というのは回りくどくてコスパが悪いので読んでいなかったのです。実用書はすぐに答えをもらえるけれど、小説はストレートにメッセージを伝えない。読者の解釈に委ねられる部分が多いですね。その分、想像力を掻き立てられて自分だけの本にすることができます。

是非一度、HOLESという小説を日本語でも読んでほしい。日本語版もあります。

図書館でも借りられます。

初めは辛いかもしれませんが、今に集中して読んでみてください。だらだらと読んでいるうちに夢中になることは保証します。

一番重要なシーンをネタバレします。過去に自分の不運を親の世代のせいにしていた主人公。「この状況に追いやったのは誰?」とカウンセラーに聞かれ、「親の世代のせいだ」と言います。「違う、君だ。君が君をこの状況に追いやったんだ。それに気がつけば、この状況から抜け出すことが出来るんだ」

謎々のようなこの言葉は、じわじわと少年の中にこだまします。

自分の弱さゆえに、友人を失った主人公。一人、夜に内省します。失踪した彼は、砂漠で飢えているかもしれない。探しに行こうか。もう遅いか。

いや、まだ遅くない。

「迷惑ごとは嫌いなんだ」これが彼の口癖でした。不運に甘んじるだけの人生。

そんな彼が、初めて自らトラブルを顧みずに行動を起こします。彼は自分が掘った穴(本当の穴)に車を落としてしまいます。

これは僕が掘った穴だ。僕が落ちたのは僕のせいだ。親の世代のせいじゃない。

ついに主人公は友を助け出します。彼は人生で一番の幸せを感じます。その瞬間、彼は今まで人生で起きた全ての不運に感謝をするのです。

発達障害認定された僕は、この小説に巡り合うして今出会ったのだと思う。

全ての不運があなたを強くする。時間はかかる。でも、その時が来るまで待てばいい。

全ての不運に感謝する。

あなたはきっと、自身が発達障害だからこそ出来たことを見つけるだろう。その頃には時代は変わっていて、もしかしたら発達障害という言葉は別の言葉に変わっているかもしれません。既に海外では差別的な言葉だとしてニューロダイバーシティーという言葉が使われています。

ネット社会においては、自閉的であったり衝動的であることは時に有利に働きます。時代が生んだ人類遺伝子の保存のための新人類という見方も出ています。

主張しましょう。書きましょう。思いをネットに載せましょう。

好きなことをしましょう。どうせ障害呼ばわりされる人生なら、開き直りましょう。人の目を無視しましょう。議論を呼ぶ行動を起こしましょう。

逃げましょう。押しつぶされそうなら、逃げましょう。危機回避能力のために鬱や適応障害は生まれました。鬱や不安は生存戦略の一つなのです。

逃げて逃げて、見つけたものをシェアしましょう。そこから、何かが少しづつ変わってくるはずです。僕は今、この辺りにいると思います。

いつの日か、あなたはが発達障害に感謝するようになるまで。その診断があなたをより深く、強いしなやかにするまで。その強さが誰かの生きる力に変わるまで。







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