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価格設定の方法を考える前に自分の心の状態を把握しないと失敗する

こんにちは。鈴木貴之です。

今回の記事のテーマは価格設定。

色々なクライアントさんの事例を見ていると、ほとんどの経営者は


● 価格で生き

● 価格で死ぬ


ということを理解していません。

価格設定を間違うことで本来得られるべき利益が上げられず、忙しいにもかかわらず儲からない人はたくさんいます。

そしてそれがゆえに体を壊して事業から撤退せざるを得なくなったりすることも少なくありません。

また、これは逆説的に聞こえるかもしれませんが、価格が安すぎるのでお客様が来なくなっている。そういうことも多々あります。

価格設定を一つ間違うことで、事業に大きな差が生まれる。

そういうことは本当に多くあるのです。

価格設定はマーケティングの一部

そもそも、価格設定は何かと言えば、単純に商品に値段をつけるという以上にマーケティングの一部だと私は考えます。

先ほども言いましたが、あなたの付ける価格で事業は生きたり死んだりするということです。

『価格』が見込客に与える心理的影響は無視できないものであり、間違った価格設定は集客にも影響します。

「どういう人を集客したいのか?」

これは集客を考える上で非常に重要な考え方ですが、価格はまさにここにダイレクトに関わってきます。

『あなたが集めたい顧客』と価格は大きな関連性があるということです。

価格が一回り違うとそれだけで全く異なった顧客層になることはよくあります。

周りを見渡してみてください。

そこには同じ商品でも様々なお店があるでしょう。

どの価格帯でも生き残る方法はあります。

しかしながら、集まる顧客層があなたに合うか合わないかは大きな違いとなり、ひいてはあなたがそれをしていて「楽しいか・楽しくないか」を分ける大きな原因となります。

もしあなたが「ビジネスはビジネス」と割り切れるのであれば、どんな顧客層でもそれなりに結果を出せるでしょう。

しかし、もしあなたが「ビジネスとしてやるけど、自分に合う顧客と付き合いたい」と考えているのであれば、価格設定は天国と地獄を分ける大きな線になるのです。

また、もし現時点で「自分が付き合いたい顧客が来ていない」という場合、あなたの事業の本質ではなく単純にこの価格設定が間違っているという可能性があります。そこを改善してうまくいく、ということは私のクライアントさんでも多く起こっている現象です。


そしてもう一つ、「価格設定はマーケティングの一部」と言える理由は、それが粗利(「売上」から「売上原価 or 製造原価」を引いた後に残る利益 https://www.unchi-co.com/kaigyoblog/kigyo_kaigyo/arari.html)を決めるからです。

そして、粗利から販促費が出てきます。

つまり、粗利が低ければあなたが集客に掛けられるお金が減るということ。

そして、アメリカの有名なマーケティング・コンサルタントであるDan Kennedy氏はこのように言っています。

「市場で最も顧客を集められるのは集客に最も予算を掛けられる会社」

「他社の10倍販促費を掛けられれば、その市場を占有できる」

Dan Kennedy

価格設定とは粗利の源泉であり、粗利は販促費の元です。

だから、価格設定が上手な会社は集客力をそれだけ高められ、それが下手な会社は集客力がどんどんなくなっていきます。

その結果、その二社の間には大きな差が生まれてしまうのです・・・。

ほとんどの経営者は価格設定を間違える

それだけ重要なのにも関わらず、ほとんどの経営者は価格設定を間違えます。

たいてい、安く値段をつけてしまうのです。

本来であればもっと高くても買ってくれる商品なのに、「買ってもらえないんじゃないか」という恐れから安くしてしまう。そういうことが日本中あちらこちらで起こっています。

私のクライアントさんの中には、価格を30%アップしても集客力が変わらなかった、むしろ集客でいるようになったという事例はたくさんあります。

もちろん、それは販促力自体を改善した結果ではあるのですが、同時に価格を変えることにしました。

その結果、サービス業なので同じものを提案している(同じことをしている)にも関わらず利益はアップし、顧客数は増え、かつ顧客の質が上がりました。「あなたから買いたい」という人が増えました。

その結果、よりその仕事が楽しくなり、そういう雰囲気が伝わるので顧客は結果をより得られるようになり、さらにそれがクチコミにつながって・・・という好循環になる。

価格が安いと一生懸命やっても儲からないので仕事がつまらなくなり、それが顧客に伝わり、現象としては同じような結果が起きているのに「このお店は良くない」と思われるようになり、それがクチコミにつながって・・・という悪循環になりがちです。

もし、コンサルティングをしている際にそういうのが透けて見える場合は、私のアドバイスはこうなります。

「価格を上げましょう!」

そして、他の部分は直さないのに、価格を上げるだけでうまくいく例も出てくるのだから世の中不思議なものです。

もちろん、最初は「今でさえ顧客が少ないのに、値段を上げたら誰も来なくなりますよ!」と言われることが多いです。

たった10%の値上げでも、あまりにも恐ろしくてできない、と・・・

そして、周りに聞いても「そんなことしたら誰も来ないよ!」という人が多い。

だから、上げられない。

こういう場合は、「間違った人に相談している」ことが多いのです。

価格設定をする時に相談すべき相手とは?

一般的に、経営者が価格設定をする時に相談する相手は決まっています。

1.自分自身
2.社員・スタッフ、家族、友達
3.経営者仲間
4.顧客

そして、この中の誰に相談してもたいていは価格設定に失敗します。

なぜなら、みんな「安い方が良い」という可能性が高いからです。

まず、自分に相談することを考えてみましょう。

価格設定はその人が持つ「お金・成功・豊かさ」に関する価値感に大きく左右されます。

特に、経営者は自分の給料を自分で決めるわけですから、経営者の頭の中はそのままダイレクトに価格に反映されます。

マーケティングや集客力をいくら強化しても儲からない。そういう場合に心の状態が影響しているのはこういうケースです。

そして、多くの場合は「良いものを安く」というある意味【呪い】に捕らわれています。今はそういう時代ではないにも関わらず・・・。


次に社員・スタッフ、家族、友達について考えてみます。

彼ら・彼女らはそれこそ無数の意見を持っているでしょう。そしてそれを伝えてくるでしょう。

それは論理的に聞こえることもあればそうでないこともあるでしょう。

でもそのどれもがほぼ100%無意味です。

なぜなら、彼ら・彼女らは経営者ではないからです。

ほとんどのケースであなたが達成すべき内容を1%も理解していないでしょう。だから適切な価格設定のアドバイスなどできません。

あなたがどこに行きたいか、どこに行くべきかを知らずに道案内をすることができないように、適切な価格設定に関すアドバイスなどできるはずがないのです。

できることは直感で語ることだけ。そして多くの場合は直感は間違っています。

特に、彼ら・彼女らがあなたの顧客じゃないという場合・・・

何も知らずに感想を述べているにすぎません。

なのに、それを信じて値付けをしてしまうことが多いのです。

スタッフだって、経営者と同じように考えることは不可能です。同じ視線で見ることは不可能です。それなのに、同じように判断することを求めるのは酷というのものです。


では、経営者仲間はどうでしょうか?

正直言って、このコラムに書いてあるようなことを踏まえてアドバイスをしてくれる人はなかなかいないでしょう。

そして、あなたの商品・サービスのターゲット層でもないという場合、やはりそのアドバイスは直感的なものにならざるを得ません。

もちろん、価格戦略に対して深い造形があり、実際自分の会社でもそれを実践しているという場合は別です。

でも、たいていの場合はそれほど深く考えて価格設定をしているのは稀です。

多くの場合は下記のような方法で価格を決めていきます。

コストプラス法
マークアップ法
市場価格追随法
プライスリーダー追随法
慣習価格法
名声価格法
端数価格
段階価格
抱き合わせ価格

https://okugoe.com/pricing/

そしてそのどれもが、本来目指すべき場所(粗利最大化→市場の独占→付き合いたい顧客とだけ付き合う権利の獲得)を向いていません。

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そして、顧客・・・

顧客こそがあなたの会社の運命を握っていると言えるでしょう。

彼ら・彼女らがあなたの価格に対してどのようにリアクションを取るか、考えるか、感じるか。それがあなたの会社の利益を決めます。

顧客がポジティブなリアクションを起こしてくれる(購入してくれる)価格の場合、例えその価格があなたの自信やあなたのスタッフ、家族、友達、経営者仲間がネガティブな反応を示したとしても無視してかまいません。

逆にあなたの自信やあなたのスタッフ、家族、友達、経営者仲間がポジティブな反応を示したとしても、顧客がポジティブなリアクションを起こしてくれない(購入しない)価格の場合、あなたは気分が良いかもしれませんが、会社は貧乏になります。


もちろん、ただ価格を見せるだけではそうならないでしょう。

経営者であるあなたには大きな責任があります。あなたの会社・商品・サービスの価値を最大限伝える文章・方法を考え、それに合う見込客を探してくること。最大限利益が得られる価格でも喜んで買ってくれるようにすること。

これらは見込客・顧客の責任ではありません。全て、経営者であるあなたの責任です。


もう一度言います

会社・お店は価格で生き、価格で死にます。

ぜひ、御社の価格戦略をもう一度考えてみてください。


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2022年1月31日9時発行のニュースレターでは、『高価格帯の商品・サービスを販売する際は「買ってもらいやすいもの」を用意する』というタイトルで高価格帯の商品を押し売りなしに売れる方法についてお話する予定です。

(中身をちょっと紹介)

高価格帯の商品・サービスを売っていく際に最も大きな壁となるのは、「価格そのもの」です。

高価格帯のものを何も考えずに売ろうとすると、押し売りになってしまうことが多いです。

押し売りは最初こそ売上が上がるのですが、後々売上は下がっていきます。

なぜなら、それは売上とは下記の公式で成り立っているからです。

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売上 = 客数 x 購買単価 x 購買頻度

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押し売りをすることで客数が増えても、その後が続かなければ意味がありません。

事業における積み重ねとは、下記の2つでしか達成できません。

(続きはニュースレターで!!)


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