○映画○ ジョーカー

時間が少し出来たので、先月からみたいと思っていながら後回しにしていた映画「ジョーカー」をやっと見てくることが出来ました。見る前に少し調べてみても高評価のものが多いものの、主人公のアーサー(ジョーカー)が病気である必要があったのか??なんてレビューも幾つか見つけていて、自分はどんな風に思うのかと思いながら見てきました。

感想を一言で言うなら、とても美しい映画でした。まずは、映像。とても美しく、錯綜している雰囲気もたまりませんでした。僕の推測も入ってしまうのですが、カメラの位置を少しずらして撮った、平衡が少しずれた映像の撮り方も堪らなくスリリングで主人公アーサーの精神状態を描写しているように感じながら錯綜した美しい映像に見入っていました。初めは気のせいか、たまたまかとも思ったのですが、天井に格子柄のあるシーンで映像が段々とズームしていくシーンでは格子柄が画面から消えていく時に右の柄から先に消えていったので、意図的にカメラの画角を変えているのだと確信しました。左右対象に見えるような画角でも微妙に世界の見え方がズレている映像は徐々にアーサーの気持ちとこちらの気持ちをリンクさせてきます。アーサーの自宅が坂道にある住宅なので、平衡と倒錯が映像でも、感情面でも感じることができる美しい構成でした。予告でも出てくる長い階段のシーンでもほぼ左右対象の構図で、階段がどこまでも長くて、登っていくシーンと降りてくるシーンの違いも印象的で、かつ、とても美しいかったのです。

他にも美しいと思ったのは、主人公アーサー、そのもの。世の中で美しいと言われている状態からは微妙にズレている上半身の肉体や、歯並び、健康とは言えない精神状態、それすらも美しく感じさせるアーサーの一途な生き方。そこからジョーカーへの変貌。そして、ジョーカーとしてのアイデンティティーを得た後の美しさ。凄く、不思議な感覚になりました。違う方向性の生き方の美しさをこんな風に描くことが出来るのか、と。

出来る限り、ネタバレ少なめに感じた事を。

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