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人の悩みは尽きない【読書感想文】


三千円の使いかた

タイトルから各々が三千円を何に使うかに焦点が当てられた話だと思ったいたら、年齢・独身・既婚によって、お金の悩みは違うという話。
どの世代になっても、お金の悩みは尽きない。
こらからも一生悩むことだからこそ、あまり悲観的にならずにできることをコツコツやっていくしかないなだろうなぁと思った。
「お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になってはいけない」
確かに節約に意識が向きすぎているとき、ふとなんのために生きているのか分からなくなることがあったので、この言葉はとても響いた。
最後の奨学金を約500万返さなければならない男性との結婚はちょっと怖かった。
親が子どもに黙って借りて、卒業してから「奨学金返してね」はヤバすぎる。
子どもに相談してから進学を決めてくれ。
私も奨学金を借りて、現在返しているが、実家が太い人は羨ましいなぁと思う。
親は学費を半分は出してくれたし、あのときに大学に行かなければ一生後悔していたと思うから、ちゃんと返すが、これがなければ生活が楽になるのに…はたまに考えてしまう。

虹の岬の喫茶店

小さな岬で喫茶店を営んでる悦子さんという女性のお話。
お客さんに寄り添った音楽を選んでくれたり、とても美味しいコーヒーをいれてくれる。
お話全体に悦子さんの優しさが溢れていて、私もこの喫茶店でコーヒーを飲みたいと思った。
悦子さんに好意を寄せている常連の男性の話がとても好きだった。
気持ちを押し付けるわけでもなく、伝えるわけでもなく、最後に一緒に過ごして思い出を作り、遠くに去っていく。
後日談で孤独死したと書かれていてびっくりした…。
悦子さんの「過去を懐かしむことって、自分の生きてきた道のりを受け入れられている証拠でしょ。」という言葉が優しい。
私も過去の思い出を懐かしむことが多い。
後ろ向きな気持ちになっていたが、そんなに悪いことではないように感じる。
もしかしたら今まで自分自身がやってきたことをちゃんと肯定できているのかもしれない。

木曜日にはココアを

小さな喫茶店「マーブル・カフェ」のお客さんたちによる12編の連作短編集。
幼稚園の先生をしている女性がネイルを落とし忘れて仕事に行き、怒られてしまう話が1番好きだった。
キツく怒られて仕事を辞めようと考えるぐらい落ち込むけど、そのネイルは子どもの気持ちを救ったり、怒った人も自分の仕事ぶりをちゃんと見てくれていて評価してくれていた。
自分の頑張りを見てくれる人がいるって物凄く励みになるよねというお話。
全体的に厳しさの中に人のあたたかさを感じる話が多かった印象。

気まぐれキッチンカーで昼食を

主人公の女性とその叔父さんがメインでストーリーが進むお話だけど、このふたりがあまり好きになれなくて、最後まで読むのがしんどかった。
感情移入がしにくいのか、私には合わないお話だった。
ただキッチンカーで作られる料理の描写はとても美味しそうだった。
葱のペペロンチーノ、私も食べたい。

めぐり逢いサンドイッチ

姉妹が営むサンドイッチ専門店にを舞台にしたお話。
サンドイッチを買いに来るお客さんのお悩みをほんのりあたたかく解決する。
お店が大阪の靭公園の近くなので、知っている地名が出てくるのは嬉しい。
卵サンドはゆで卵をを潰してマヨネーズをあえたやつが好きだが、子供の頃は親が卵焼きを挟んだ卵サンドを作ってくれた記憶がある。
サンドイッチシリーズは3作あり「語らいサンドイッチ」の「黄金ワルツ」が好きだった。
選ばなかった人生も良い思い出。
クラブハウスサンドが食べたくなった。

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