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PostgreSQLとは

PostgreSQLとは、商用として利用されるデータベースシステムと肩を並べるほどの性能をもつオープンソースのデータベースシステムを指します。
当記事ではPostgreSQLの特徴やメリット、他のデータベースシステムとの違いについて紹介します。また、PostgreSQLの基本的な使い方や導入事例についても解説します。この記事を読んでPostgreSQLの理解を深め、ぜひPostgreSQLを導入してみてください。


PostgreSQLの5つの特徴

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PostgreSQLとは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の一つです。リレーショナルデータベースとは、RDBと略されることも多く、行と列により構成されたデータの集合を、互いに関連付けて関係モデルを使用したデータベースを指します。これまでにも説明しましたが、PostgreSQLはオープンソースソフトウェアでもあるため、出典について無料公開されています。ここからは、PostgreSQLの特徴について詳しく紹介します。

標準SQLへ準拠している

PostgreSQLのSQLインタフェースは、特有な構文記述を減らすことで、ISO/IECの標準SQLに従うように実装されています。たとえば、他のRDBMSだと独自の構文記述を扱っている場合も少なくありません。そのため、RDBMSを移行しようとする際に標準SQLに従っていない記述が多い場合、多くの修正が必要となります。したがって、PostgreSQLでは標準SQLに準拠しているため、移行が容易といえるでしょう。

並列実行性能に重点をおいている

PostgreSQLは、たとえCPUの数が増加したとしても、拡張性が高い状態を維持することができます。また、たとえ接続する数が増加したとしても、高い性能を維持できます。さらに、追記する形であるデータ構造についても、並列実行性能に重点をおいた仕組みといえるでしょう。

日本語に対応している

PostgreSQLは初期の段階よりマルチバイト対応機能が搭載されています。バージョン8.3では、JIS X 0213(JIS2004) に素早く調和させることで、日本語で利用できる環境を用意しました。日本の利用者にとっては、日本語でPostgreSQLを使用できることはメリットといえるでしょう。

地理情報システムに対応している 

PostgreSQLの拡張モジュールであるPostGIS使用することで、地理情報システム (GIS) のデータをデータベースに格納が可能です。PostGISは、PostgreSQLとは独立してオープンソースソフトウェアとして開発がおこなわれています。また、PostGISはMySQLなどの別のRDBMSには適応されていません。

手軽に利用できる!

PostgreSQLは、トランザクションやストアドプロシージャなど多種多様な機能を兼ね備えつつも、軽量化されたプログラム構成となっています。また、リソースが少ない場合でも動作が正常におこなわれるように設計されています。そのため、データベースを使用するために大きなリソースを用意する必要がないという手軽さがあります。PostgreSQLでは、データベースには必要最低限の機能がインストールされています。もし加えて機能が必要な場合は、改めてインストールする仕様となっています。

PostgreSQを導入する3つのメリット

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これまでにPostgreSQLの詳細や特徴について解説しました。ここからはPostgreSQLを導入することによるメリットを3点紹介します。

導入のコストが低い

商用のRDBMSと比較すると、PostgreSQLはオープンソースソフトウェアであるため導入コストが低いという特長があります。システム開発をおこなう際に、費用が不要であることからPostgreSQLを採用することも多いです。また、PostgreSQLは商用で利用されることをイメージした機能が充実しています。

オープンソースソフトウェアと連携可能

PostgreSQLは多くのオープンソースソフトウェアと連携できます。そのため、有償で提供されている商用のRDBMSと、同様な性能や機能性を出すことも可能です。これまではオープンソースソフトウェアであることから、商用利用を実施するにはサポート面などにおいて不安視されていましたが、近年ではサポートについても改善がおこなわれています。

パラレルクエリを採用

PostgreSQLを導入するメリットとして、パラレルクエリが挙げられます。PostgreSQLは、クエリの処理速度を速くするために、複数のCPUを使用するクエリプランを生成できます。パラレルクエリを利用することで、たとえ莫大なデータ分析をおこなう必要があるとしても、複数のCPUを活用することで応答を速くすることが可能です。

PostgreSQL、MySQL、Oracleとの違いは?

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これまでに、PostgreSQLの特徴やメリットについて詳しく解説しました。ここではPostgreSQL、MySQL、Oracleとの違いについて紹介します。

PostgreSQLは、PostgreSQL Global Development Groupによって開発がおこなわれているオープンソースソフトウェアです。MySQLは、MySQL ABによって開発されたRDBMSですが、Oracle社が現在では運営をおこなっています。MySQLは他のRDBMSと比較すると、使いやすいという特長があります。OracleはOracle社が開発している商用のRDBMSです。Oracleは高機能・高性能といわれており、ライセンス費用は他のRDBMSと比較すると非常に高い傾向があります。

PostgreSQLとMySQLでは、派生されたデータベースが多くあります。たとえば、PostgreSQLの場合、「EDB PostgreSQL」「PowerGress」などが挙げられます。一方、MySQLの場合、「Maria DB」「Amazon Aurora」などが挙げられます。

PostgreSQLの利用方法

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ここではPostgreSQLの基本的な使い方について紹介します。まずPostgreSQLのダウンロードとインストールをおこないます。その後PostgreSQLへコマンドラインから接続するためにPATHを設定しましょう。なお、コマンドラインから実行するPostgreSQLのプログラムは「bin 」ディレクトリのなかにあります。PostgreSQLでは、データベースやテーブルなど操作するために、「psql」というツールを用意しています。たとえば、psqlを利用することで、PostgreSQLへ接続と切断を容易におこなうことができます。他にもpsqlを活用してできることは多種多様にあります。日本語のマニュアルも用意されているため、PostgreSQLを使用する際には参照すると良いでしょう。

PostgreSQLの導入事例

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ここではPostgreSQLの導入事例について紹介します。中電シーティーアイ社では、商用ソフトウェアからオープンソースソフトウェアへの移行を支援するPostgreSQLサポートサービスの開発に取り組みました。取り組みの背景には、商用ソフトウェアの保守限界にともなうコスト削減という課題がありました。そこで、機能性や開発サポート体制を評価し、データベースとして利用されたのがPostgreSQLでした。

参考:PostgreSQLサポートサービスに向けた取組~安心して利用できる礎作り~|株式会社中電シーティーアイ
https://www.pgecons.org/wp-content/uploads/2014/09/CTI_PGECons0918.pdf

まとめ

PostgreSQLは無料で使用することができるオープンソースソフトウェアの一つです。また、PostgreSQLは標準SQLに準拠していることや簡単に導入できる手軽さという特徴があります。他にも並列実行性能に重点をおいていることや、地理情報システムのデータをデータベースに格納できるという特徴もあります。さらに、PostgreSQLを利用するメリットとして「導入コストが低い」「オープンソースソフトウェアと連携可能」「パラレルクエリを採用」が挙げられます。

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