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想像は「像を想う」本田宗一郎のデザイン論

今回は、「1日1話読めば 心が熱くなる 3 6 5人の仕事の教科書」の中で、印 象に残った話があるのでご紹介いたします。これは元本田技研の岩倉元常務が 本田宗一郎の下で働いていたころのエピソードです。

「1 日 1 話読めば心が熱くなる 365 人の仕事の教科書」とは?

1日1話著名人の生き方や仕事の考え方が読める一冊です。言わずと知れたベ ストセラーですが、まだお読みでない方はぜひお勧めいたします。稲盛和夫・佐藤 可士和・羽生善治・平尾誠二・柳井正等、1ページに収まっているので読みやすく、私は毎朝、5日ずつ読み進めています。毎朝の脳と心へのビタミン剤として最適です。本書は好評のため第2弾も出版されています。

「1 日 1 話読めば心が熱くなる 365 人の仕事の教科書」藤尾 秀昭 ㊬(致知出版社)

「いいものをつくるにはいいものを見ろ」

「本田宗一郎さんは、いつもしつこくらいに「いいものをつくるにはいいものを見ろ」とおっしゃっていました。「初代アコード」の4ドア版を作った時のことでした。僕らのデザインチームは、 4ドアを従来の3ドアの延長線 上に考えて開発を進めていた。ところが本田さんは「4ドアを買うお客さんの層は3ドアとは全然違うぞ 」と言って憚らない。ボディは四角く、メッキをつけ大 きく高級そうに見えるようにしろと言われるのです。


本田宗一郎

「君たちは自分の立場でしかものを見ていない」

僕は内心、そんな高級車は、よその会社に任せればいいと考えていました。しかし、本田さんは「君たちは自分の立場でしかものを見ていない」と日ごと怒りを募らせていきます。僕は「私にはこれ以上できません。そんな高級な生活はしていませんから」と口にしました。 本田さんはそれを聞くなり、「バカヤロー!」と声を荒げて「じゃ聞くが、信長や秀吉の鎧兜や陣羽織はいったい誰が作ったんや?」と言われたんです。大名の鎧兜を作ったのは、地位も名もない一介の職人。等身大の商品しか作れないのでは世の中に高級品など存在しなくなる。

初代アコード

「像を想う」その人になりきる。

自分の「想い」を高くすれば出来る。心底その人の気持ちになれば出来るんだ。作り手は。その人が欲しいものはこういうもんだということが分からなければダメなんです。「像を想う」その人になりきる。それが出来なければよいデザインは生まれないと教えてくださったんです。 僕が40歳になった時「形は心なり」という言葉がふっと胸の中に浮かんできました。やはりいい心でものを考えていないといい製品は出来ないし、形のいい製品はやはりいい心で出来ているんだなと思うようになりました。
(出典:1日1話読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書 藤尾秀昭監 致知出版社)

まとめ

想像するというのは像を想うこと。像というのはマーケティング的にいうとターゲット層のことです。ターゲット層を想定するにはその人の気持ちになりきることが大切ですね。





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