魔女カランゲージョ(ファド歌手)

■カランゲージョ(ファド歌手)
ポルトガルの魔女。
アルコパサという町で育つ。

小さい頃からずば抜けて頭が良く、かつ努力家だったが、
家が貧しかった為、進学を断念する。
母親がファド歌手だった為、ファドの歌を習い、
ファド歌手としての生計を試みるも、
極度の潔癖的な人間嫌いだった為、
演奏者とも、客とも上手くやれずに離職。

その後、恋人ヴィトールがポルト大学に落ちた際、
彼は犯罪組織[ポルト大学に火をつける会]を発足。
実際に大学に火をつける為に仲間が集まった時、
ヴィトールはカランゲージョに、
燃える大学を背にファドを歌って欲しいと頼み、
実際に火を付けた現場で
カランゲージョはRosa de Fogoを歌った。
だが、メンバーが盛り上がって大声で合唱してしまった為、
駆け付けた警官により、メンバーの大部分が逮捕され、計画は失敗する。
カランゲージョは逃亡し、これを機に町を出る。

その後、世のはぐれ者として、魔女となり、
魔女の集会にも出没する様になるが、
サバトなどではファドを披露する事が多くなり、
仲間内から[文盲のファド歌手]、
[無党のファド歌手]の名前で呼ばれる様になる。

自分が学業の道に進んでいれば、人間などと関わらずに
ファドなども歌わずに済んだと考え、
ファドを呪い、己の運命も呪っている。

永遠にその考えに囚われている為、彼女は歳をとらない。
歳をとらないが、それは生きている事にもならず、
故に彼女のファドは誰の耳にも残らない。
死者の歌う歌故に、その声は現実には存在し得ないのである。


スペイン・オペラ楽団「墓の魚」
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