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K映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』20231107@TOHOシネマズ新宿

キラーズオブザフラワームーン

マーティン・スコセッシ監督がレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンら豪華キャストを迎え、実話を基に描いた西部劇サスペンス。

1920年代、オクラホマ州オーセージ郡。先住民であるオーセージ族は、石油の発掘によって一夜にして莫大な富を得た。その財産に目をつけた白人たちは彼らを巧みに操り、脅し、ついには殺人にまで手を染める。

スコセッシ監督×レオナルドディカプリオのタッグ作はこれで6作目。
欲望に塗れた行動が、少しずつ、真綿で首を絞めていくがごとく、主人公を追い詰めていく様は、同監督の映画『ウルフオブウォールストリート』を観た時と同じような感覚。主人公も同じディカプリオだから仕方ない。

ラストシーン。物語の結末で、本編で描かれた連続殺人事件が十数年後のアメリカのラジオドラマで放送されていたものだと判明する。狂言回しの進行に合わせ、舞台では役者たちが事件を再現していた。最後は番組のプロデューサーが、1937年に糖尿病で亡くなったモリーの死亡記事を読み上げ、こう締めくくる。
「殺人に関する言及は一切無かった」。
最後にスピーチを行っていたプロデューサーはマーティンスコセッシ監督自身が演じている。
彼自身がこのオーセージ族の物語を一番悲痛に感じ、世間に届けなければいけないと考えていたから、最後は自分自身で締め括らなければならないと何か責任のようなものを感じていたのだろうか。
彼は芸術家であると共に、思想家なんだなと感じた。


もう一点。
トップに貼ったこの映画のワンシーン。主人公アーネストが証人として捕まっている裁判期間中に、叔父であり主犯で同じく捕まったロバートデニーロ演じるウィリアム陣営の弁護人及びサポーターと裏で面会するために入った部屋でのアーネスト目線のカットなのだが…

この人たち家族だったり親戚だったり、叔父の弁護人だったり、町で世話になった金持ちだったり、近くにいたはずの存在なのに、
アーネスト目線で見ると、全員、『敵』です。

怖すぎん?下手なホラー映画より怖いかもしれない。精神壊れるわ。


K

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