![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90048093/rectangle_large_type_2_a6baa3c28fae8e783c2d8b12d28de049.png?width=800)
カフェインを科学する
注釈
カフェインと眠気を科学する
食事から摂取したエネルギーは、ATPというエネルギーを作ります。ATPは筋肉を動かすと燃焼され、代謝され、アデノシンになります。
アデノシンは睡眠物質とも呼ばれ、疲れや睡眠を伝える物質でもあります。アデノシンが蓄積すると、体内で疲労を感じやすくなります。
カフェインは、アデノシンと化学構造が似ているために、アデノシンが作用を発揮するために結合しなければならない受容体に結合します。 その結果、アデノシンが受容体に結合できなくなることで、アデノシンの働きが阻害されます。
疲労に伴い体内で産生されるアデノシンは、アデノシン受容体に結合すると、ヒスタミンの放出を抑える働きがあります。
カフェインは、このアデノシン受容体に結合することにより、アデノシンがヒスタミンと結合することを阻害するため、ヒスタミンの放出が抑制されなくなります。
アデノシンの働きを阻害することになるので、疲労や眠気を感じにくくなります。
カフェインとヒスタミン
ヒスタミンは、大脳に放出されることによって、脳を覚醒状態にして、日中、目が醒める状態を作っています。
筋肉の利用などにより体内にアデノシンが溜まってくると、アデノシンはヒスタミンの放出を抑制させて、覚醒状態を弱めます。これが疲労や眠気として伝わります。
カフェインを摂ることによって、カフェインがアデノシンの作用を阻害して、ヒスタミンの放出を防ぎます。カフェインによりアデノシンの作用が阻害され、ヒスタミンが抑制されず、脳の覚醒状態を継続させます。
ヒスタミンとアレルギー
ヒスタミンは、アレルギー症状を引き起こす原因として知られています。
ヒスタミンとアレルギーの関係は下記から
カフェインと脱顆粒現象
一方で、最近の研究で、カフェインには、抗アレルギー作用があることが解明されつつあります。
カフェインには、ヒスタミン放出前の段階である脱顆粒現象 (エキソサイトーシス/Exocytosis) を抑制する作用があることが明らかにされています。
ヒスタミン放出前の段階、マスト細胞に刺激が加わった状態である脱顆粒現象(エキソサイトーシス)自体を抑制することにより、ヒスタミンの放出が抑えられます。
また、マウスの研究において、カフェインとカテキンの両方の使用により、低容量で、脱顆粒現象を抑制することが判明しています。
Published: 06 January 2021
Catechin synergistically potentiates mast cell-stabilizing property of caffeine
Misaki Yashima, Yukine Sato & Itsuro Kazama
Allergy, Asthma & Clinical Immunology volume 17,
カフェインの常用について
エネルギーを高めるための最先端科学の情報を基に情報を提供しているAri Whittenによると、カフェインに関して、毎日摂取などで、摂取することを常態化させない方が良いとアドバイスしています。
カフェインには、疲労や眠気が脳に伝わることを阻害して、エネルギーが高まったような「気分」にさせる効能があります。一方で、その状態は、実際に身体を動かすためのエネルギーを作り出しているわけではありません。また、脳は、その興奮状態を持続させるのではなく、興奮しすぎないように常態化を保とうとするようになります。
常態化を保とうすることによって、身体は、カフェインに対して耐性をつけるようになりますが、科学的には、これは体内の変化によって生じていることです。この変化は、必ずしも身体のとって好ましい変化ではありません。
カフェインが体内のエネルギーを作り出しているわけではないので、結果的に、体内のエネルギー活性状態が低下することにも繋がり得ます。
カフェインは、使用の仕方によっては利点がありなすが、毎日の摂取などは、体内のエネルギー活性状態が低下することに繋がり得ます。
カフェインと身体
カフェインという1つの物質を通しても、近年になってようやく判明した作用が多々あります。
最近の研究を併せると、カフェインは、大脳ではヒスタミンの抑制を阻害して、マスト細胞においては、脱顆粒現象の抑制して、結果的にヒスタミンの放出を抑制させる作用があることが判ってきました。
また、その作用も研究途上なもので、カフェインの身体への影響の全容が全て判明したわけではありません。
翻って、私たちの生活に溢れているさまざまな物質に関しても、身体への影響は、未だ、研究途上なものであると鑑みることができます。
参照
Ari Whitten
エネルギーを高めるための最先端科学の情報を基に、医学、栄養、ライフスタイル、などの観点から、疲労を克服して、身体のエネルギーを高める方法を提供している。
著者に、EAT ENERGY、LOW CARB MYTH などがある。
THE ENERGY BLUEPRINT
Podcast
https://podcastranking.jp/1226660198
活動の応援として、ご寄付いただけましたら幸いです。 🍀応援ありがとうございます🤝🍀