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エデンの園

昔々ある所に、楽園がありました。神ははそこでアダムとイブという二人の人間を住まわせました。二人は食べることに不自由なく、毎日適当に遊んだり寝っころがって、ある意味幸せに暮らしていました。神様に愛されていて、食べる心配はなく、働く必要もなく、ちょっと楽が出来て幸せでした。でもそこに住んでいる人間は二人だけ。神と豊かな自然や動植物と暮らして、何不自由なかったけど、そこは狭い狭い小さな世界でした。

活動的なことは何もせずに暮らしている二人を見て、神は思いました。これはいかん。これではまるで他の動物たちと同じではないか。私は私自身に似せて二人を作った。私は神。自分の力を知っている。創造の力を知っている。この子達は私に似せて作られたもの。知恵も力も、愛や勇気も、与えた。しかし二人は全くそれを使おうとしないではないか。自分の力(実は私=神の力)そうか、環境があまりに良すぎて、力が未開封になっているのだな。

そこで神は考えました。広い世界に出て、自分の力(=神の力)を使い、豊かに創造させるためには、どうしたらいいのだろう。そして名案を思い付きました。それは神にとっては少々辛い選択でもありました。神様は蛇を呼びました。蛇は、やはり神が作ったもの。悪役として使われることが多いけれど、実は神とグルでした。

絶対にしてはいけないよ、という言葉を聞くと、人間はついついしたくなってしまうのです。人は神に似せて作られたけど、神ではないのです。そこには何故か、人としての性質がありました。神はその性質を利用しました。

エデンにあるすべての実は自由に食べてもよいよ。でも命の木と智恵の木の実は食べてはいけない。絶対に食べてはダメだ!と。アダムとイブは、大いに好奇心をそそられましたが、禁止されたので、我慢していました。そこに蛇の登場です。蛇にそそのかされて(実は神の計画通り)、二人は智恵の実を食べてしまいました。そして智恵がついて、大パニックです。


神は命の木の実も食べて欲しかったのですが、二人はパニックで走り回って、智恵の木の実しか食べることが出来ませんでした。命の実を食べなかったので、死んでしまうけど、まーいいか、と神は思いました。一度リセットして、別次元の世界で再スタートさせるから、まーいいかな。

神は激怒(のフリ)。ここから出て行けーと、二人を追い出しました。広い世界で私の知恵と力を使って、沢山のものを創造し、世界を広げて欲しいという神様の願いから、エデン追放となりました。二人は、そんな神の意図など知ろうはずもありません。この追放劇は、親(神)の子離れでした。本当は子の親離れより、親の子離れの方がずっと辛いのです。

別れに際して、神様は多機能の万能カードを二人に与えました。しかし説明の前に、絶望で傷心の二人は、話を聞かずにダッシュで飛びだしてしまったのです。

こうして人間は、産めよ増やせよ地に満てよ、の世界に足を踏み出しました。神は、実は我が子が心配で心配で、いつも様子を見ていました。いつもそばにいました。しかしふて腐れて、足元ばかり見ている人間は、それに気がつきません。神の特質、愛や勇気、寛容、等を自由に表現する時、万能カードが使えるのです。必要なものはすべて整い、必要以上に豊かに与えられる万能カードでしたが、愛の裏面、憎しみや 悲しみや そういう裏面が出てしまっては、使えないカードなのです。医療保障もついていたのに。

人はエデンを追放されましたが、それはより広い世界で、自分の中に眠る神の力・遺伝子を目覚めさせて豊かに生きるためでした。ただ、残念ながら命の木の実は食べなかったので、三次元社会では寿命が生じてしまったのです。

なので、人は罪の子ではありません。神の愛の策略がありました。追放の真実は、エデンよりも広き良き世界を作るようにと、祝福されたものでした


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