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昭和のはなし

小学生2年くらいの頃、ちいさな夏祭りが町内であった。露天が少し並ぶらしいと聞いた。田舎に露店が来るのは滅多にない。連れて行ってくれと母に頼んだ時、母は庭で隣のおばさんと立ち話をしていた。そして、となりの大学生のお兄さんが都会から帰ってきてて、一緒に行ってあげるってよ。2人で行ってきなさいと言われた。

隣のお兄さんとは年が離れているので一緒に遊んだことはほとんどない。もっというと顔も知らんくらい。でもまあ、お祭り行けるならいいやっておもって、出かけました。隣の大学生のお兄さんは、不良の大学生って感じだった。しかも酔っ払っていた。2人で暗い夜道を歩いて行った。途中に橋があった。その橋には欄干がない。その時、フッとお兄さんがいなくなった。川に落ちていったのだ。流れている川は、小さいけれど橋からの高さは3メートルくらいはあったと思う。あ、落ちた。。と思って橋の上から真っ暗な川をただ見ていたら、お兄さんが川の土手のコンクリートブロックをよじ登ってきた。その時の私は、うげー、、登ってきた。。と思った。お兄さんはずぶ濡れでお祭り行こうと言った。ずぶ濡れになったお兄さんと歩くのは絶対嫌だ。私は1人でお祭りを見ると言ったのに、ずぶ濡れのお兄さんは、絶対ダメ!手を繋がないとダメ!と言った。手なんか繋ぎたくないって言ったのに、じゃあ、小指だけとかなんとかねばられて、小指だけ手を繋いで歩いたんだけど、露店のところまで来た私の気持ちは限界でお祭りも見ずに帰りました。家が見えたから、手を振り払い走った。母に全部話したけど、反応は覚えていない。ウケてたように思う。今考えると、よく知らない隣の男子大学生に小学生の娘を預けるなよと思う。昭和の話です。

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