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親の支配

子育ては「育成ゲーム」になり得る。

「勉強しなさい」「片付けなさい」「外に遊びに行きなさい」よく聞く言葉だろう。親は子供によくこういった"しつけ"をするが、なぜなのか。勉強は後で必ずやればいいし、片付けもやりたいことが終わってからやればいい。外よりも中で遊ぶ方が好きな子供もいるだろう。
一見これは子供を"立派な"大人に育てるための躾に見えるだろうが、実際問題これは子供の意見を尊重していないと言うことにもなる。大人にとっての「立派な大人」とはおそらく「社会に適応でき、キビキビと働く人間」のことで、社会に出て立派になって恩返しをして欲しいという親から子への束縛なのだ。

子供の意見の尊重

親はなぜ子供に言うことを聞かせたがるのか。それは子供を自分の思い通りに操りたいからだ。自分の考えに反した行動をされると、それは親の考える子供の将来図に反してしまう。子供を"立派"に育てるのが親としての責務であり、自分の思い通りにならない子供はそんな責務を妨害してくる邪魔な存在になる。だから親は邪魔な存在を取り除くべく、子供に"躾"をする。
そんな中で子供の意見は尊重されているのだろうか。親が思う「立派」に囚われているのではないだろうか。たしかに、子供はまだ無知だ。善悪の区別はつかず、その先の将来なんて考えられるわけもない。そんな子供をある程度縛り、犯罪などから遠ざけようとするのは至極当然なことだろう。しかし、危険から遠ざけさえすればそれでいいわけではない。ある程度の緩和も必要だろう。

教育が束縛か

将来医者になって欲しいから勉強させる、これは親のエゴだ。子供も親が願っているから,という理由で勉強するに違いない。親からの束縛だ。

怪我させたくないから危ないものには触らせない、これは時期によると思うが大抵の場合はもっともなものだろう。危険を識別できない子供から危険を遠ざけるのは当たり前なことだ。小学生の子供がハサミで怪我したら危ないから触らせない、失敗してほしくないから楽な道を進ませよう。このような過度な束縛でない限りそれは教育の範疇になる。

女性を大切にする人になって欲しいから女性に優しく接するように教育する、これは過度な危険(差別主義的な考え)から遠ざけるもので、間違えた教育とはいえないだろう。これは将来の子供だけでなく、その周囲に及ぶ危険を意識しての行動、まさに教育だろう。

束縛の問題点

束縛はなぜダメなのか。束縛とはいわば子供から危険を遠ざける行為で、一見正しい行動のようにも見えるが、これは子供から危険の学びを奪う行為とも言える。
危険を学ぶことは言うまでもなく重要だ。ただ危険から子供を遠ざけるだけでは意味がない。たとえば、子供に「はさみ」の危険性を教えるとする。このとき子供に「はさみは危険だから使ってはいけません」と教育するのと、実際に切って見せたり、子供と一緒にハサミを使い、その切れ味について学習させる。どちらの方がより子供のためになるかは一目瞭然だ。原子爆弾の危険性を教えたければ、原爆を扱った映像作品を見せるのがいいだろう。麻薬の危険性を教えたければ、麻薬使用者が人としての自我を失ってく姿を見せればその危険性がわかるだろう。(もちろん、あまりにショッキングな映像はある程度成長してから)
危険から遠ざけるのではなく、その危険を教えるのが1番、子供にとっても理解しやすく、子供のためにもなるであろう。

モンスターペアレント

モンスターペアレント、これは束縛そのものであろう。彼らは子供のためを思って行動しているといっているが、私から言わせて貰えば彼らはただの、育成ゲームプレイヤー、コレクターの類だろう。立派な子供を育てたいという育成欲、立派な子供を手元に置いておきたいコレクション欲。子育てを趣味か何かだとでも思っているのだろうか。
さらにいえばこのモンスターペアレント、子供に実害を与えるのだ。この親を持つ子供は親に生活をコントロールされる。学校で子供が怪我をすれば親はすぐさま学校に乗り込むだろう。それを見て子供は恥をかくかもしれない、周囲の友人から距離を置かれるかもしれない。或いはこどもはその親の異常性に気づけないかもしれない。いずれにせよ、子供に害が及ぶのは間違いだろう。この親の行動は到底理解し難いものだ…

まとめ

過度な縛りは子供にとってはとても害悪だ。実際私の親はモンペ気味な性格だったが、小さい頃はとても苦痛だった。今では自分の意見は大人の意見として扱われるが、小さい頃ではそうもいかず、子供の我儘だと一掃される。
子供は親を決められず、親に逆らうこともできない。子供はただ親の意見を聞き、従い、ついていく。それでいいのだろうか。親がいなくなった時子供は一人で生きていけるのだろうか。親が子供の未来を壊すことになるのではないか。

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