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絶品、くろがね温泉の白濁の湯

あだたら山に奇跡の秘湯を発見した。くろがね小屋。またの名を「くろがね温泉」という。

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紅葉が盛りを迎える前のある晴れた日、安達太良山(あだたらやま)へ行くことにした。久しぶりのブロンプトン登山だ。二本松駅から奥岳バス停までバスを使う。そこからブロンプトンで登山道を行き、くろがね小屋にブロンプトンを停めて、あだたら山に登り、下山後にくろがね温泉の絶品の湯を楽しむことにしたい。

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[ルートおよび走行データ]

奥岳登山口から走行開始。登山道は二ルートあって、こちらは馬車道と呼ばれる広い道だ。くろがね小屋近くまでこのぐらいの道幅で約5㌔続くらしい。急ではあるが何とかなりそうだ。

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しかし乍ら、やはり登山道である。岩や石ころが多くて、連続走行はなかなか難しい。上りの乗車率は20%程度だ。

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しばらく行くと勢至平(せしたいら)だ。このあたりから道がフラットになり、乗車率がぐっと高まる。快適な登山道ライドの開始だ。

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鉄山(くろがねやま)とあだたら山の一部が見えてきた。

くろがね小屋まであと少し。すると突然エンジン音が。関係者のトヨタランドクルーザーがやって来た。あの急坂をのぼって来たのだ。さすが世界のランクルである。

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暫く行くと給水ポイントだ。岩清水がおいしい。

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安達太良山登山の中継地点であるくろがね小屋がだいぶ近くなってきた。この光景を待っていた。

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くろがね小屋に到着だ。標高1,400㍍である。多くの登山者が小屋の前のベンチで休憩している。私は全く疲れていないので休まず行くことにする。風呂はそのあとだ。但し、ここからは岩場も多い本格的な登山道となる。ブロンプトンはくろがね小屋の脇に置いていくのが賢明だ。まずは標高1,550㍍地点にある「峰の辻」を目指す。

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峰の辻についた。素晴らしい眺望だ。

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ここから安達太良山の山頂(標高1,700㍍)までは、この「牛の背」という尾根伝いに約30~40分。あと高度差150㍍を登るだけだ。しかし山頂はもうよく見えている。しかも雲が出てきているので着いたころには頂上からの眺望は多分大したことないだろう。ここ、峰の辻からの眺望で充分である。

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というわけで速攻で、くろがね小屋に戻った。

山津波に消えたかつての温泉街はこのあたりにあったのであろう。

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感慨にふけっている場合ではない。さっそく久しぶりの温泉に入ろうではないか。このワクワク感は何だろう。

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素晴らしい。小さな湯船だが一人には十分に贅沢である。温泉源はすぐそこだ。新鮮でない訳がない。

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この溢れ出し感も極上である。

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窓をあけると、紅葉がはじまりつつある山の絶景と、谷を吹き降ろしていく涼風(すずかぜ)で、秘湯気分は上々だ。

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くろがね温泉、素晴らしい温泉との出会いに感謝である。

安達太良山 。次回はまじめに山頂まで登ります、はい。

【くろがね温泉】
平安時代には既に温泉があることを知られていたと云う。江戸時代になり、二本松藩が一帯を温泉街として整備、『湯日温泉』と呼ばれて遠方の湯治客も多く訪れるなど賑ったと云う。しかし、1824年(文政7年)、豪雨の影響で鉄山(くろがねやま)が崩れ落ちてその土石流が温泉街を襲い湯治客など63人が死亡する大惨事が起き温泉街は壊滅した。現在立ち入り禁止となっているくろがね小屋の裏手の源泉地帯が湯日温泉の中心であった場所らしい。温泉はその後、曲折を経て10㌔離れた標高500~600メートル地点へと集団移転、くろがね温泉脇の源泉から約8㌔の引き湯をして営業することになった(1906年)。これが現在の岳温泉(だけおんせん)である。


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