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秘境 祖母谷温泉

黒部渓谷にある祖母谷温泉へ行ってきた。

北陸新幹線が使えるようになった今、黒部は東京から日帰り圏である。東京駅朝6時28分発のはくたか551号に乗れば、9時には黒部宇奈月温泉駅に到着、そこで富山地方鉄道へ乗り継いで宇奈月温泉駅へ。

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宇奈月温泉駅で黒部渓谷鉄道へと乗り換える。

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黒部渓谷鉄道は5月から11月までの運行だ。切り立った崖をくり抜いたスリル溢れる軌道を行く。

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秋も近いというのに、この渓谷の木々は新緑のような瑞瑞しさだ。

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終点の「欅平」(けやきだいら)で下車。駅前が既に深山幽谷の様相であり、観光客は大喜び状態だ。

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但し、ここから先は本格的な登山者の世界となる。最初の橋(奥鐘橋)を渡ったところにオレンジ色のヘルメットが大量に置いてある。何故ならばこの道は原則「通行禁止」なのだ。「安全は保障しない/自己責任で通行/ヘルメットも個人の判断で」とある。

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ふと見上げると大岩のオーバーハングだ。『人喰い岩』というらしい。こういう道が続くので「頭に岩がおっこってきてもあなたが危険を承知で入ったのだから知りませんよ」ということだ。オソロシイ。ただし、私は最初からヘルメットをかぶっているし、自転車で相当なスピードで通り抜けるので、問題はないだろう。(そういう問題か?)

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谷がいよいよ深くなっていく。渓流は、もうのぞきこまねば見えない。

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最後のトンネルを出ると祖母谷温泉が見えてきた。橋を渡って、左へ行くと祖母谷山小屋、右奥へ行くと源泉地の『祖母谷地獄』のようだ。祖母谷小屋の湯は後で入ることにして、まずは源泉を見に行ってみよう。

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祖母谷川の河原に下りて上流方向へ500メートルほど行くと、お誂え向きの湯溜りがあった。底から源泉が湧出する「足もと湧出の秘湯」である。熱すぎたので、川の水が適度に流れ込むように石を積み上げて温度を調節する。極楽極楽。

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本日の秘湯のシメに、祖母谷山小屋の名物露天風呂にもいかねばならない。入浴料を支払っていざ露天風呂へ。

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自分で温度調節しなくていい風呂というのは気楽である。先客との秘湯談義もはずむ。秘湯好き同士「旦過の湯 は最高だがアツ湯の方は熱すぎてかなわん」とか「下諏訪なら毒沢温泉神の湯 が良いぞ」とか「岐阜に神明温泉という秘湯があって非常に良い」などとマニアックな話題も尽きない。最高の秘湯体験だ

帰りのトロッコ電車 の時間も迫ってきた。名残惜しいが皆さんお先に失礼します。そしてババタニ温泉、また逢う日まで。


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