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中の湯温泉卜伝の湯

温泉マニア垂涎の秘湯「卜伝の湯」(ぼくでんのゆ)へ行ってきた。

卜伝の湯
足元湧出の洞窟風呂で湯質は単純泉。湯触りは意外にさらりとして上品。事前情報では湯の色は褐色とか黄土色ということであったが、私が訪れたときはブルーであった。戦国時代の剣豪中原卜伝(なかはらぼくでん)がこの湯で傷を癒したという言い伝えがある。

上高地へ通じる釜トンネルの入り口に「中の湯」のバス停がある。松本からは上高地行きバスにのってこのバス停で降りると良い。

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バス停の脇に「中の湯温泉旅館」の連絡所を兼ねた茶屋がある。中の湯温泉旅館は以前ここに位置していたが、トンネル工事(安房トンネル)が原因で水蒸気爆発が起きたため、やむを得ず、ここから3キロ程離れたところに移転したらしい。

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茶店で受付を済ませる。

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橋を渡ったところ、崖にへばりつくように掘立て小屋がある。

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オジサンに鍵を開けてもらう。これがかの有名な・・・。

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だれかが入浴中のときはこの赤い回転灯が点灯する仕組みだ。

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30分で楽しみ切れるか。でもオジサンは「多少遅くなってもいいよ」と。

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浴室の戸をあけると湯気が籠っている。なるほど、小屋は単なる入口であり、そこから地下の洞くつへ階段を降りていく訳だ。

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洞窟風呂の奥の底に小砂利が敷かれてあり、ここから源泉が湧出しているようだ。緑のホースで高温の別源泉を次ぎ足している。これは温度を上げるためか。一方、右奥の穴から冷たい鉱泉が湧き出ているが、温度を下げないよう写真右下のパイプで外に捨てているようだ。

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剣豪塚原卜伝も浸かったかもしれない有難い湯だ。人生の奥義を極めるため私も湯の中で暫し沈思黙考してみた。

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『卜伝の湯』は温泉好きなら一度は試してみたい秘湯だと思う。しかし人気のためになかなか入りにくいようだ。特有の理由として二つある。

・貸切方式なので行ってすぐ入れるとは限らない。また、宿泊者優先だ。
・駐車場がほぼない状態(1台)のため車で訪れることができない。

周辺の道幅が狭い上、仮に不心得者が違法駐車しようとしても釜トンネル入口に常駐の警備員さんが目を光らせているので無理である。誰かに車で送ってもらうか、バスか、タクシーか、或いは私がしたように、上高地側からブロンプトンでアプローチである。

今回あっさり入れたのは幸運であった。必ず入りたい方は、釜トンネルが閉鎖されるオフシーズンにバスで訪れるか、もしくは、中の湯温泉旅館に泊まると良い。


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