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マヌカハニー

世界中が新型コロナウイルスで大変な中、健康維持のために毎日せっせと摂取しているモノがある。マヌカハニーだ。

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日本で人気沸騰中のマヌカハニーであるが、オーストラリアやニュージーランドでは普通に売っているやや高めのはちみつにすぎない。

ニュージーランドのマヌカ(マオリ語:Manuka)とオーストラリアのジェリーブッシュ(英語:Jelly bush)は同じフトモモ科ネズモドキ属のギョリュウバイ(学名:Leptospermum scoparium)という灌木の一種。オーストラリア南東部とニュージーランドに自生し、南半球では春から初夏にかけてピンクや白の花を咲かせる。

画像1(ジェリーブッシュの花。ブライトンビーチ付近の海沿いのサイクリングロードにて撮影。どこにでもある。但し開花期間が6週間程度と短いため収穫量が限られている。)

その蜜は古くから原住民の間で薬用効果のあることが知られ、治療に用いられてきたという。オーストラリア産とニュージーランド産の差異については、オーストラリア産の方が甘くてなめらかという意見もあるようだが、生産者と気候によりさまざまであるというのが真相のようだ。ただニュージーランドは『マヌカハニー』の名称をオーストラリアに使われることが気に食わないらしいが。

以前住んでいたオーストラリアではオーストラリア産もニュージーランド産も安価に入手できたので日常的にいろいろ試していた。人それぞれの考えがあると思うが私の経験をちょっとだけご紹介することにしたい。

1.ニュージーランド産マヌカハニー

ニュージーランド産の有名ブランドといえばCOMVITA(コンビタ)。高品質と薬用効果の高さで知られている。写真はコンビタのラインアップで最も濃度の高い(=値段も高い)UMF値20+のプレミアムクラスのモノだ。

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色は通常のはちみつのように透明ではなく、キャラメルのような色。とても甘いが少々薬っぽくて、いかにも効きそう。一日一さじ、摂取することにしている。(今のところ日本でも買えます。)

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ニュージーランド産でもう一つ有名なのがWatson & Son社のマヌカハニーだ。こちらも、お手頃価格から写真にあるような高濃度(=高価)の高級品まで取り揃えている。写真はMGO700+(UMF値換算で18+程度)とMGO800+(同20+程度)のもの。

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高温殺菌していないRawタイプもある。下の写真はSTEENSというニュージーランド産の有名高級マヌカハニー・ブランドのUMF値24+と最高レベルの濃さのものである。その分こちらもお高く、買うのを躊躇してしまう。

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気軽に使えるクラスでは、Airborneブランドの花粉入りマヌカハニーがある。Airborneはニュージーランドでは人気のブランドで、スーパーにもよく置いてある。

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2.オーストラリア産マヌカハニー

オーストラリア産はニュージーランド産と比べてお手頃価格が多いようだ。

一番使いやすいのがオーストラリアのスーパーでどこでも売っているCAPILANOブランドのマヌカハニーである。

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CAPILANOのマヌカハニーには濃さの異なる何種類かある。朝食のワッフルに塗る程度であれば、MGO 83+(NPA 5+)で十分である。NPA 5+だと最低限の殺菌効果という感じだが、値段はこの500グラム容器のもので20ドル程度とかなり手ごろだ。

普段使いには、CAPILANO MGO 30+のUpside Down Squeezeボトル入り(10ドル)を気に入っている。これだと薬用効果はあまり期待できないと思うが、なめらかでとても甘く、さらに、とても便利な容器(“Upside Down Squeeze”)入りでスプーンを使わずに全くこぼすこともなく、トーストやワッフルに注ぐことができる。 但し、このクラスの濃度では新型コロナウイルスには全く太刀打ちできなさそうだ。

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最近、MGO 100+と300+の新製品が出た。MGO 300+(NPA 10+)のUpside Down Squeezeボトル(340g入り、写真左)で30ドルと普段使いにはやや値がはるが、薬用効果も期待できるマヌカハニーとしては手ごろではある。

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メルボルンにほど近いモーニントン半島の養蜂場で生産されている『Pure Peninsula Honey』のマヌカハニー。直売所にいったときに購入した。MGO 210+ の250グラムが29ドルと手ごろな価格で良い。ただ、なめらかでなく(ざらざらしている)甘さとともに苦みがあり、あまりオイシイとはいえない。210+が終わったら30+を開けてみるつもりだ。多分、こっちの方が普通のはちみつに近く食べやすいだろう。値段も12ドルとさらに安い。

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3.濃度の単位

マヌカハニーを選ぶ際、戸惑いがちなのは、UMF、NPA、MGS、MGOと濃度(抗菌レベル)の単位/表記がばらばらでよくわからないことだ。

(1)UMF

UMFはマヌカハニーの抗菌活性力を示すために誕生した最初の規格。当時はマヌカハニーだけに含まれる特別な抗菌成分が一体何であるかが分からなかったために、その謎の成分を「ユニーク・マヌカ・ファクター」(Unique Manuka Factor = UMF)と呼ぶことにしたのだ。そして、UMF数値は、殺菌作用の度合を、同等の殺菌効果を持つフェノール消毒薬の濃度で示したものだ。つまり、UMF 5+であれば一般的に病院で使われる5%フェノール消毒液と同等の抗菌作用がある。10+以上で『アクティブ』、すなわち抗菌活性力があるとされる。UMFHA(Unique Manuka Factor Honey Association、UMFはちみつ協会)という審査機関が認めた商品にのみUMF数値が表示される。COMVITAやSTEENSはこれに加盟していることで『正統性』を主張しているわけだ。

(2)MGO

1キログラムのマヌカハニーに何mgの"Methylglyoxal"(MGO: メチルグリオキサール)が含まれているかを示す規格。最も科学的でわかりやすい表記である。ドイツのドレスデン工科大学のトーマス・ヘンレ教授が2008年に抗菌性物質MGO(メチルグリオキサール)を発見した。同時に、メチルグリオキサールはマヌカの花に含まれているのではなく蜂が花蜜に酵素を加え巣の中で熟成される過程で生成されることもわかった。

(3)NPA

Non-Peroxide Activity(過酸化水素以外の効果)の略称。一般的なはちみつにも殺菌効果のある物質である過酸化水素が含まれているが、それ以外の殺菌効果のある物質を測定する。結果的にMGOと同様に、ほぼメチルグリオキサールの濃度を測定することになっている。従って、NPA規格はUMF規格の数値とほぼ同等と解釈してよい。違いは上記UMFHAという協会のお墨付きがないことである。

オーストラリアはちみつ最大手Capilano社の説明によるとUMF/MGO/NPA間の換算率は以下の通り。
MGO 30 Naturally bioactive Manuka Honey
NPA/UMF® 5+ = MGO 83 Medium-strength bioactive Manuka Honey
NPA/UMF® 10+ = MGO 263 High-strength bioactive Manuka Honey
NPA/UMF® 15+ = MGO 514 Super-strength bioactive Manuka Honey
NPA/UMF® 20+ = MGO 829 

4.おススメの使い方

このように幅広い抗菌レベルのマヌカハニーであるが、目的によって使い分けるのがよさそうだ。MGO100/UMG5+以下なら、ヨーグルトに入れたり紅茶に入れたりトーストに塗ったりと日常的に使える。味もハチミツらしくて美味しい。一方、MGO300/UMF15+を越えるあたりからなめらかさが無くなり少々薬っぽくなるが、抗菌効果はばっちりそうだ。

そして、濃度があがればあがるほど抗菌効果もさることながら値段が高いことによる心理的効果も大きくなる(といってしまうと身も蓋もないが・・・)のだが、MGO800/UMF20+を越えるとさすがに値段が高すぎるので誰かにもらうか、自分で買うとしても相当に体の具合が悪くなったときなど、ここぞというときに用いるのがよさそうだ。

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朝昼晩と栄養のある食事をとって、睡眠をよくとって、室内でNHKの体操などで身体も動かすなどして、それぞれのやり方で頑張ろう!

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