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慧眼とは…

こういう人の物事に対する洞察のことを言うのだなと、改めて末尾リンクの動画を見て思うに至り、我ながらマニアと自負していたつもりのリドスコ(リドリー・スコット)の作品の個人的再検証を始めました。

そうなんですよね。オレたちのような世代にとって「オタク」という固有名詞は、ほぼ「インテリ源ちゃん」と同義なわけで、決してアニメやアイドルなどの特定ジャンルだけに詳しい容貌に恵まれない人を指す差別用語なわけではない。

特撮やアニメなどの空想上のメカニックデザインを語るなら、必然的に歴史上の艦船、飛行機、戦車などの過去の機械や兵器の知識は不可欠。国際政治、歴史・哲学、社会科学全般に詳しくなきゃ何にしたって話は始まらない。岡田さんが自らを「オレは言葉の人だから」と言うのもよくわかります。よく本を読んでいます。映画も見ています。圧倒的なほどの量と幅広いジャンルのものを。

おそらく四六時中、思考実験している感覚に近い生き方をしている気がします。それこそマイケル・サンデルの白熱教室の命題と議論の過程も、ごくありふれた日常の延長でしかない。

たとえばコミケを主宰した米澤さんたちをオタク第1世代だとすると、岡田さんとかゼネプロ界隈の方々は第2世代になり、オレたちはそれ以降のその他大勢の知性に乏しいいわゆる一般的な消費者としてのオタクになるのかな?

それにしても改めて考えると、キューブリックにしろ、リドリー・スコットにしろ、クリストファー・ノーランにしろ、哲学的なSF映画を撮るのはやはりイギリス系よね…。キューブリックはアメリカ生まれだけど、臨終までの主な活躍の場は60年代以降のイギリスだからオレ的にはイギリス系にしてるけどさ。

岡田さんの、リドスコの最近の映画は創造主である神に逢いに行く話…という言葉は、オレ的にはかなり刺さるキラーワードでした。キューブリックの「2001年宇宙への旅」の解題にも絡めてね。デイビッドという役名のキャラの符合にも正直ゾゾッと来た。

なせなら、オレは意味もなく泣けてしまう映画のトップはキューブリックの遺作の「A.I.」とアニメの「銀河鉄道の夜」が双璧だからさ。その自分の感情の揺らぎを言葉ではうまく説明しきれないし、おそらく突き詰めちゃうと、きっと恥ずかしくて死にそうになる気もするしね。

そんなこんなを考えながら「エイリアン・コヴェナント」を観たら、岡田さんの指摘以外にも、その作品の物語内でのバイロンとシェリーを錯誤するセリフの意味合いがもしかしたラストの伏線なのかもと改めて個人的に気づくやらでね。

そうしたらケン・ラッセルの「ゴシック」やスペイン人監督が撮った「幻の城」まで関係してきちゃうじゃん?

何にせよ、創造主である神は自らの創造物を等しく愛するとは限らないってことで…。

レプリカントとフランケンシュタインの怪物とエイリアンは、もしかしたら将来的にはカインとアベルの兄弟になるのかもね…。

https://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive/blomaga/ar1352373


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