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さようなら NHK 1

誰よりも NHK を応援していた 周りの10人が受信料を払わなくても
自分だけは払い続ける意気込みがあった

チャンネル権が無く 子供の頃からゴールデンタイムの8割方は NHK だった

「とびだせ青春」 「太陽に吠えろ」 「ベストテン」・・
話題の番組を見ていなかったので周りの会話についていけないこともよくあったが NHK を見るために それぐらいの犠牲は仕方がなかった

今のように番組自体は NHK も 民放も大した違いはない時代ではない
「Eテレ」ではない「教育」の時代だ
国民を啓発してくれる番組しかなかった
娯楽番組でさえ一般大衆の平均を無視した上品なものだった

「とびだせ青春」 「太陽に吠えろ」 を見ず
NHK を見ていると知られたくなかった
NHK を見ていることがばれたら真面目とからかわれる
NHK 視聴を隠した

仕方なく眺めていた番組もあったが NHK を応援していた

昭和46年 
「天下御免」 は熱中して見ていた 格別に面白かった
蜂のムサシ を歌った人たちが 特別ゲストの侍で出演した
これはありか?と喜んだ
気球で逃亡する最終回まで面白く 
来週から何を楽しみに生きていこう 喪失感を味わった
後番組「天下堂々」が心の穴を埋めてくれると期待したが・・・
それでも NHK を応援していた

昭和47年
「四つの目」から「レンズはさぐる」に変わった
なんか違う
「四つの目」の方が良かった 何で変えたのか?と NHK に伝えたかった
それでも NHK を応援していた

「70年代われらの世界」 番組の始まり
「青い地球は誰のもの」という 荘厳で少し寂しげなコーラスをバックに 自分と同じぐらいの年齢の子供達がスローモーションで飛び跳ねている
このスローモーションで飛び跳ねている子供たちに 
明るい未来を願ってくれている番組だ(自分も子供だが)
明るい未来を実現するために 解決すべき人類の課題が提起される
見ていると暗い気分になる
人間に汚されていく地球に危機感を持ち 悩んだ
悩んだが何もできそうにない
やったとしても 嘘くさい自己満足しかできそうにないので
焼け石に水の思いつきを黙ってひとりでやる大人になった
NHK に啓蒙され環境問題に意識の高い大人になった
不精なのに環境意識が高い 生きるのが大変である
それでも NHK を応援していた

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