トリプル発達障害と留学
いきなりですが、
うちの長男はトリプル発達障害児です。
トリプルとは、
・自閉症(ASD)
・注意欠陥多動症(ADHD)
・学習障害(LD)
になります。(トリプルは私が勝手に名付けたので正式にどういうか知りません…)
この事が原因で留学を決めたのではありませんが、少なくとも影響はしましたよね。
発達障害に気付いたのは小学3年生頃で、この頃に地域の療育センターで診察して正式に分かりました。
親としては3歳辺り…いや、赤ちゃんの頃から寝ない、泣き方が酷い、食べないを周りの赤ちゃんと比べてなんとなく何かが違うなとは思っていましたが、まさかの全部持ちの発達障害とは思ってもいませんでした。
それで、ここでは発達障害の事を詳しく書くつもりはなくて、発達障害をやたらと問題にしているのが、今の日本の社会というか学校というか…そこを掘り下げたいなと。
長男の症状はというと、
・落ち着きがない(授業中にイスから落ちる)
・好きな事に夢中になり過ぎる
・漢字が苦手(カタカナでさえもうろ覚え)
・算数の筆算が苦手
ざっくり言ってしまうとこんなものですが、細かい事を言うともっと色々あります。
さしあたり、オーストラリアに行く前に分かったので留学エージェントの方に「実は長男は発達障害と診断されまして…」と恐る恐る告白したのですが、エージェントは「全く問題ありませんよ!オーストラリアには発達障害の子はそこら辺にたくさんいますから。笑」と、あっけらかんと言われました。
ほんまかいな?
と夫婦でひとまず安堵しましたが…
そして、療育センターにも留学の予定があることを相談したのですが、なんと、言語聴覚士と作業療法士の二人から改まって、
「留学はやめた方がいい!!」
と、かなりキツめに言われました。
その理由はというと、
・英語のスペルは漢字以上に覚えるのが大変
・日本語もままならないのに別の言語の習得は難しい
絶望的な言われようですよね。
ですが、主治医は、日本の都市部だから発達障害が目立つのであって、オーストラリアなどの国では理解があるからと反対に留学を応援してくれました。
いろんな立場の専門家からいろんなアドバイスを受け悩みはしましたが、直感的に日本よりも上手くいくかも…という漠然とした自信のようなものと、今までずっと褒められなかった長男の境遇だからこそ行かせたいんだ!という逃避行のような気持ちがありました。
とりあえず行ってみないと分からないし、問題があれば私たちで全力でサポートしようと決意しました。
で、オーストラリアには本当に発達障害児はそこら辺にたくさんいるのか?というと、
日本のレベルではないくらい皆んな好き勝手してるのでそれが発達障害なのかどうか正直分かりませんでした!
日本の子たちを見ていた私からすると、まぁ色んな特性の子供がいましたよ。とにかく主張が強い!だから、そこかしこで揉めている。家庭環境も多種多様。でもそれが当たり前。その中にいるとうちの子達も私も目立たない方だなと。
英語のスペルは留学生ってこともありそこまで難しくない英語のテストだったので息子曰く漢字に比べたらまだマシで、ミスはありますが普通にこなしていました。現地の子供達でもスペルミスは日常茶飯事で、なんなら私たち大人に英語を教えてくれるネイティブの大人たちでさえも簡単なスペルミスをしていました。
算数はオーストラリアの小学校はかなり遅れているので、日本から来た子は全員優秀な成績です(主に計算能力)。もしかしたら大人以上。例えば駅の売店で2ドルのチュッパチャプスを6個買った時の店員のお姉さんが、まさかの指で2を6回足し算してたくらい九九を覚えていなくても問題なく働けます。(そもそも九九ってない)
そう、日本での問題はオーストラリアでは大した事ない!
大して成績が良いわけでもない長男でしたが、それでも担任の先生は長男の事を算数が優秀な子だといつも褒めてくれ成績はずっとAをくれました。(それで長男は算数が得意だと自信が持てました、日本では苦手ですが)
それで、何が言いたいかというと、
スペルミスや計算が出来なくても大したことない!
出来ない事よりも何が出来るかが重要!
それぞれに魅力はたくさんある!
出来ないことを問題にする日本。
出来ることを褒めるオーストラリア。
二つの国で全く違う評価をされた長男。
帰国してから3ヶ月だけ公立小学校に通ったのですが、担任の先生は長男をよく理解してくれて、漢字が書けなくてもこれからの時代は読めればいいと大目に見てくれ、近代史が好きな長男を社会の授業で褒めてくれました。学生時代にどんな先生と出会えるかは大きいですね。
成績表はオールBでしたが。(これが現実)
そして、今、長男は日本で国際バカロレア(IB)教育を受けています。
そこではまさかの成績優等生です。人生のどんでん返し。今のところ。
次回は世界のIB教育について。
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