IB教育と発達障害

教育に関心のある親が多い中、界隈では様々な教育法が取り沙汰されています。
最年少プロ棋士の藤井聡太さんやオバマ前大統領が受けたモンテッソーリ教育や「モモ」の作者ミヒャエル・エンデが受けたシュタイナー教育などあらゆる教育法がありますが、世界的に有名な国際バカロレア教育について。

国際バカロレア教育、通称IB(International Baccalaureate)とは?

1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。(文部科学省サイトから引用)

との事ですが、IBの具体的な説明はここでは省略させていただきます。(ご興味のある方は下のサイトでご確認ください。)

国際バカロレアホームページと文部科学省IB教育推進コンソーシアムホームページ↓


それで今回はこの教育システムと発達障害の関係を話したいと思います。


IBは日本の偏差値教育の対極にあるアウトプット重視の教育


まず、私がIBを知ったきっかけですが、ブリスベンの学校を色々調べてネットや現地の日本人に聞くと必ず挙がる学校名がIndooroopilly State High School(インドロピリー高校)です。
そしてこの学校をよく調べると国際バカロレア認定校とあります。

バカロレアってなんなん?

当時の私には全く分からない言葉でしたが、ブリスベン滞在中に知ったのはインドロピリー高校はIB認定校でもあるからと留学生の親が行かせたい学校の上位でした。

そして、日本に帰国した際に英語を取り入れている学校を探していると、インターナショナル校はほとんどの学校がIB認定校で、一条校でもIB教育を取り入れている学校がありますが、願書を出す際にはIB校である事を知った上で入学を本当に希望するのかどうかを徹底的に聞かれます。

なぜかというと、IBの学習はとても大変だからです!

とにかく課題、課題、課題!!!

らしいです。(まだよく分かっていない…)

実際に現在IB認定校に通う長男は、入学当初に先生から「IBはマジで辛いぞ〜」と脅されて、自分はとても辛いことをしていて大変だぁ〜とよくボヤきます。

しかし、初めての個人面談で先生に言われたのが、「長男くんはとても優秀ですよ」と、今まで接したことのない言葉で評価されました。

と言うのが、今までの日本での教育環境は ” 暗記 ” や ” テクニック ” を駆使する教育で、所謂インプット型の教育。学習障害の長男にとっては一番苦手とするものでした。なのでその中で長男は落ちこぼれに相当していました。

ですが、IBは答えの無い課題を自分自身で調べて考えて結論を導き出す思考型

雑学大好きな長男は、文学作品には全く興味がなくその手の本は未だに読みませんが、昔から昆虫の図鑑や化学実験の本だけは何度も読んでおり、現在は第二次世界大戦に興味を持ち世界史の本はこの夏休みだけで5冊ほど一気読み。好きな事を語らせたら一日中ずっと喋っています。(発達障害あるあるですね)

本来長男は、興味のあることは本やネットや大人に質問したり調べて知識を得ようとするので、この教育が肌に合ったのでしょう。


障害を個性と捉えるIBの思考


IBのミッションとは↓

「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
 この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
 IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」(IB教育推進コンソーシアムより)

古い親友は子供を小さい頃からインターナショナルに通わせているのですが、その子供が10年生(高校1年生)になって、先生からインター生専門の発達障害の診察をしてくれる施設を紹介されました。診断の結果、その子は音に関して特徴があり、試験中に音がなる騒がしい環境では集中できず本来の力を発揮できないということがわかりました。

当初その親友は、子供が発達障害だと診断されるとIBでは厳しいと言われ退学になるのでは?と心配しておりましたが、学校側が取った措置は、その子の特徴を考慮して、これからは試験の際に無音に近い別室を用意するとのことでした。

退学どころかそれぞれの違いを尊重して対応する。

こんな対応は海外でもよくあるようです。(普通に合わせない)

私の長男は、文字を書くのが苦手。そんな場合は、パソコンで試験を受けても良いなどの対応もあるそうです。


もしこういった対応がもっと普及すれば、発達障害の子が自分に合ったやり方で試験を受けられ、自分の得意な分野で活躍できる生き方を早くから模索できるのではないかと思います。

IB教育が良い!と言いたいのではなく、それぞれの特徴にあった教育法を選べる環境があれば良いのになと思います。

(ちなみに、長男にはIB教育は合いましたが、次男はインプット型の教育法が合っているようで、IBへの進学は勧めていません。)







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