就活に悩む人たちへ①

今年はリモート活況で新卒はもちろん、中途の方も活動そのものが大変ではないかと思います。私は仕事柄、採用する側に立って手法を設計していますので何かの参考になればと思います。

まず企業が採用する場合は大きく2点の目的があると思います。それは組織図に基づく人財強化という目的と単なる欠員補充の目的です。こう書くと後者は良くないイメージかも知れませんが、多くの中小企業は余剰人員は抱えられませんのである程度許容しなくてはいけないかもしれません。ただ、配属先において引継ぎが全くない、入れ替わりがあまりにも激しい場合はこの限りではありません。やはり組織図に基づく採用活動を行っているところの方が受け入れ面では整っていると言えます。

採用人数や採用条件が具体的なところ。説明会や面接時に仕事内容が理解できるところ。新人期間(教育期間)とその手法・目的がOJT以外でも示されるところ。あとはあなた応募者自身が、自分のことを発信できる機会を設けてくれるところが良いと感じます。あなた自身に興味を示してくれ、いいところ、そうでないところを指摘してくれると尚真摯だと思います。

但し、仕事選びは「自分がやりたいこと」を軸に考えすぎると迷走する可能性があります。これまでたくさんの学生の方を面接してきましたが、「一生に一回の就活の機会なのでもう少し継続したい」「納得するまで就活をしていきたい」などの曖昧な理由で内定のチャンスを逸してしまった方は少なくありません。個人的に仕事は「自分ができることを増やす場所」であると考えています。大学卒業であると22歳ですが、その段階で「やりたいこと」は10年後もそうなのでしょうか?そもそもその「やりたいこと」の理由はなんでしょうか?就活における納得とは?

私は新卒時、別にやりたいと思って選んでいなかった「営業」の世界に飛び込みました。しかも新規開拓飛び込みBtoCです。しかしながら学生時代にさんざん味わったお金が無いことの辛さや不安を、努力によって掻き消すことができる世界ではありました。また、創意工夫して成績を上げると評価してもらえるという基準が明確な世界でもあったので、打ち込むベクトルも自ずと「市場戦略を立てる」だったり「イエスをとれる言い回しの研究」だったりしました。手段の精度を上げていくと目的である結果はついてくるものです。決して楽ではなく、人にお勧めできる仕事ではなかったですが私はここでどう評価されることが自分の道を拓くのかに焦点を当てて頑張りました。営業成果を出すための思考・行動はもちろんですが、上下関係や後進の育成、チーム管理や正常運営とは何かの尺度、異動に伴う適応力など、その時々ですごく負荷はかかるのですが、機会と捉えてできたため、多くの副産物を手に入れることができました。今こうして自分で事業を営めるのは、この茨のスタートがあったからだと確信しています。

こうして「やりたいこと」は、分かること、出来ることが自分の人生の経年によって積み上げられて実現されるものだと考えます。どんな仕事もよほどでなければ自分にとって大変な価値を生み出すものとアドバイスできます。そうするためには姿勢が問われてきます。会社員である限り、その会社で評価を得る必要があります。その評価を得ることがシンプルに目的なのです。道徳感や倫理観さえ外さなければ、就いた職業のフィールドで必ず成長できるものです。

未知の世界は不安しかないと察しますが、組織の一部になり、機能していくことは充実感を生み出せます。歯車になることは何もマイナスではない。会社の中で目的を共有できる仲間がいるということはそれだけでとても尊いものなのです。もちろん理不尽や葛藤と闘うことはあるのですが、それもまた自分の「わかること、できること」を増やしているに過ぎないのです。

②では中途転職の方について書きたいと思います。

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