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最も難しいリーダーの仕事がプロジェクトリーダー




はじめに

プロジェクトチーム運営は、リーダーにとって最も過酷で厳しい仕事の一つです。


誰もやったことのない新しい課題を、新しいメンバーで、期限内に結果を出す。そんなことが求められるからです。


今回は、私が経験したプロジェクトチーム運営の困難と、そこから学んだリーダーシップの本質についてお話しします。





初めてのプロジェクトチームリーダー




私は若い頃、いくつかのプロジェクトチームを任されましたが、毎回失敗を繰り返していました。


ある日のこと、初めてのプロジェクトチームリーダーとして、私は意気揚々と任務に取り組みました。


鉄道会社にて、新しい駅務システムを導入するプロジェクトで、期限も厳しく、チームメンバーも優秀な人材ばかりでした。


しかし、結果は大失敗に終わりました。







メンバーの兼務と協力不足



メンバーはそれぞれ自分の本来の仕事を持ちながら、プロジェクトに参加していました。


プロジェクトメンバーはそれぞれの部門のエースで、それぞれの部門のいろいろな課題を任されていました。


そのため、新たなプロジェクトの仕事が増えることを好まず、協力体制が整わないまま進行することが多々ありました。


私は焦って、自分のできる所から一人で仕事を進めることが多く、ますますメンバーの協力を得ることができませんでした。








意見の対立とリーダーの役割



プロジェクトチームには、有能なメンバーが集められます。しかし有能なメンバーは個性が強く、意見の対立が頻繁に起こりました。


あるミーティングで、新しいアイデアについて激しい意見の対立が生じました。


私はリーダーとしてその場をなんとかうまくまとめようとするあまりに、議論が深まらないまま、結局、会議はうやむやに終わり、プロジェクトの方向性は定まらずに終わりました。






チーム形成の過程とタックマンの法則



チームの形成過程

その後、いくつかのプロジェクトチームのリーダーとして失敗を重ねる中で、チームには4つのサイクルがあることを知りました。


これはタックマンの法則と呼ばれ、チームには形成期、動乱期、安定期、遂行期という過程があることを学びました。


特にチームが作られた直後、かなり早い段階で動乱期に入ることが多く、この時期メンバーの役割分担が動き始め、意見の最も対立や不満が噴出する時期に入ります。


この時期をリーダーとしてどう乗り越えるかが、その後のプロジェクトチームの成否を分ける事になり、チームは安定期に入り、遂行期を迎える事ができるのです。







健全な衝突を促すリーダーシップ



私はこの法則を理解し、動乱期の意見の対立が起こったときには、リーダーとしてむしろ積極的に議論を促し、健全な衝突を起こすことを意識しました。


例えば、あるプロジェクトでは、新しいシステムの導入に関する議論が白熱しました。


私はあえて対立を避けずに、各メンバーが大いに意見を述べていただくよう仕向け、深い議論を生み出し、激しい議論の末、最終的には全員が納得する形で方向性を決定しました。








成功事例:PASMOプロジェクトと東京スカイツリー



PASMOプロジェクトの成功

その後の経験の中で、特に印象深いのはPASMOプロジェクトです。


2007年に101の交通事業者が一体となって進めたこのプロジェクトでは、私は社長として大きな責任を負いました。


最初は意見の対立が絶えませんでしたが、チーム内で健全な衝突を起こし、本質の議論を避けずに行う事を促したことで、やはり最終的には全員が一丸となり、プロジェクトを成功に導くことができました。







東京スカイツリーのプロジェクト



もう一つの成功事例は東京スカイツリーのプロジェクトです。


このプロジェクトでは、鉄道の役員として広報戦略のプロジェクトリーダーを担当しました。


4社でパブリシティを行い、ややもすると自社の利益を最優先しがちでしたが、同じように健全な衝突をあえて避けずにしっかりと行う事で、プロジェクトのゴールをしっかり見据えて、プロジェクトを成功に導くことができました。



この経験を通じて、私はプロジェクトリーダーシップについて多くの学びを経験しました。







まとめ



プロジェクトチーム運営はリーダーにとって非常に難易度の高い仕事ですが、そこには大きな学びと成長の機会があります。


私自身の経験では、健全な衝突を恐れず、深い議論を促すことで、メンバー間の一体感が生まれ、強いチームを作ることができると確信しています。


これからも、プロジェクトチーム運営のノウハウを活かし、さらなる挑戦を続けていきます。


このブログが、プロジェクトリーダーとしての皆様の一助となり、新たな挑戦を成功に導く手助けとなることを願っています。共に学び、成長していきましょう。

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