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2022春ドラマ★最推しドラマ

2022春ドラマがどんどん終わりを迎えている。
個人的には、新年度スタートのこの春ドラマが本気出してくる気がしていて
とても期待していたクールだった。

視聴率で言えば、日曜劇場「マイファミリー」が独走
木曜21時「未来への10カウント」、月9「元彼の遺言状」が続いた。
もちろん3作品のことも話したいけど、
突然作品の底力を見せつけた火曜10時「持続可能な恋ですか?」の話をしたい。

TBS火曜22時枠「持続可能な恋ですか?」

私がこのnoteを使いたくなったのもこの作品の影響が大きい。
作品の概要を簡単に言えば、父娘で婚活をする話。

実を言うと、この作品の良さを知ったのは第9話。
最終回の1話前の話だ。

正直、1~8話までは、上野樹里が田中圭か、磯村勇斗を選ぶだけの話だとなめていた。
もちろん田中圭の元奥様のかっこいい感じとか、亡くなったお母さんの話とかいいところはあったけど、想像を超えてこなかったのだ。

第9話のはなし。


上野樹里が田中圭に振られたり、そんなところから始まった。
中盤から終盤にかけて、松重さん演じる父が昔の写真をみているシーンから私は心を奪われた。

あまりにもごく自然に始まったそのシーンから
両親の結婚の流れが語られ、
30年父娘として生活してきたその父娘には血のつながりが無いことを。
言葉の知識が豊富だけど無難に生きてきた男が、お見舞いに行った恩師に
「君は生きているにどんな語釈をつけるかね?
ぼくはね、『生きていることは変化していくということ』とつけるよ。」
と言われた直後に、それを体現したことを。
体現した結果、娘とけんかするとか、今までの人生からは考えられないたくさんの幸せを感じ、生きていることを実感したということを。

あまりにも伏線や泣けるシーンくるぞのあおりもなく
ごく自然に始まったものだから衝撃的だった。
俳優さんの演技力がなければ成立しないシーン。
私も自然に涙が止まらなくなり、目が離せなくなった。
ここからこの作品が私の最推しドラマになったのだ。

たしかに、突然のプロポーズをした亡くなった奥さんは
松重さん演じる父にとって、自分の生きる世界を明るく照らしてくれた
人生を変化させ、生きていることを実感させてくれた、大切な人。
そりゃ誰だって奥様を亡くされたら悲しむとは思うが、
あまりにも生きる気力をなくしていた松重さんに違和感はあった。
でも、その気力の無さは当然だったのだ。
変化させてくれた、大切な人だったのだから。

最終回のはなし。

松重さん演じる父は、医者の井川遥と事実婚を選ぶ。
お互いにお互いの苗字で地位を築いてきたからだという。
どこまでも今の時代を反映しているドラマだなと感じた。

磯村勇斗の報われなかった恋が
「持続可能な恋は叶わなかっただけなんだ」と
タイトル回収台詞に使われるとは…!

辞書編纂者である松重さんの結婚への語釈が
「愛し合う他人同士が分かり合いたいと願い、ともに歳を重ね。互いの変化を慈しみ、それでもなお、分かり合えないことを知る営み。」
となったこと。男女とせず、他人同士としたことも素晴らしいと感じた。

また、言葉の知識が豊富な松重さんの父が
娘が言葉を覚えていく姿が愛らしく、がんばって気持ちを伝えようと言葉を話そうとしている姿を見て
「ちゃんと言葉で相手に気持ちを伝えることの大切さを知った」
というのも泣けてきた。
本来、言葉は相手を傷つけるために使うものではない。
分かり合うために言葉を使い、今の気持ちを伝えるために人類は言葉を生み出したのだろう。

丁寧に作られた作品が評価される時代に

2021年12月度月間賞を受賞した「恋です!~ヤンキー君と白状ガール~」もそうだが、
脚本も演出もカメラワークも演技も丁寧に作られた作品がきちんと脚光を浴びる時代になってきてよかった。
今作は、上野樹里と磯村勇斗の後ろ姿しか写さない場面や
ヨガの精神を学べる作品でもあったが、
本当に丁寧に丁寧に作られてきたからこそ、9話・10話の良さが出たのだろうと思う。
期待度がそこまで高くなかったから、悔しいです。。。

わたしのはなし。

余談だが、最近個人的に結婚についてよく考えることがあった。
少し前までは、結婚式の花嫁さん、ドレス、ベビーカーを押しているご家族が理想なこともあった。
でもいいことばかりじゃないことは分かっていて、
分かっていたけれど、あまりにも理想とかけ離れた結婚像が近くにあって
結婚したくてしょうがなかった人だったはずなのに、、、
なぜ結婚がスタートなのはわかっていたはずなのに、ないものねだりをするのだろうと
結婚に幸せなイメージがなくなって、結婚したくもなくなっていたんだけど
このドラマをみてひさしぶりに結婚したくなった。
変化を恐れず、お互いを尊重して、分かり合いたいと言葉できちんと気持ちを伝えられる結婚がしたくなった。

お わ り。

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