あれほど 明日は金曜日だと思うことにした というのに 昨日の夜は 明日はまだ火曜日か と迂闊に発言してしまい 子どもが 明日は金曜日だよ と優しく教えてくれた もう忘れている そう 私は忘れっぽいのだ この忘れっぽさは 正常な衰えの範囲内である といえばそうではある しかし 拍車を掛けた要因は 何となく分かっている これまでいろんな出来事があり それでも 生きなくてはならないという過程で 出来る限り忘れるという術を得た 物事に固執しない メンタルが身に付いた
日曜日の午後5時30分以降 決まって誰かが あぁ日曜日が終わる と嘆き始める 薄々気が付いていたその現実 突然の来客に 見られたくないものを隠すように そっと布を掛け 見えないようにしていたけれど その布はエアコンの風に吹かれ どこかへ落ちてしまった 明日は月曜日 みなぎる絶望感 必ず湧き上がるこの週1回の感情 明日が何曜日だったら この感情が湧いてこないのだろう 金曜日 そうか 私にとっては 明日が金曜日だと思えば あの週1回の絶望や憂鬱から 抜け出せるのか
小学4年のとき 我が家に茶丸がやってきた 茶丸は犬 父がもらってきた 茶丸は 段ボールの中に入っていた 父の職場の敷地内に置かれていた 茶色くて丸顔 故に茶丸と名付けた 名付けたというほど 仰々しい名前ではないが 我が家にやってきたときには 名前はない訳で 仮に誰かが名前を付けていたとしても 名付けた人と私が知人関係でもない限り その犬の名前を知る由もない ましてや 前飼い主は 誰にも気付かれることなく その犬を手放したかったため とある場所に段ボールに入れて 置き去
何となく探し続けている「髪型」がある。それは、グルメ本の名著「美味しんぼ」に登場する、海原雄山氏(以下、「海原氏」)の髪型である。 海原氏は、陶芸、書道、絵画、文筆に秀でた才能を持ち合わせている芸術家でありながら、「食も芸術」と捉えている、類い稀な美食家でもある。 装いは、和服が主。ワードローブからその日のお気に入りを、その千里眼で見抜いているのだろう。 そして髪型。前髪は、眉毛に掛かる程の長さを「8:2」の右分け(ときどき左分け)で後ろに流し、ほんのり薄く下ろし
天職と出会えている人が、羨ましい。 天職とは、どのようにすれば出会えるのだろうか。ずっと、そう思ってきた。 天職という言葉から、明るくて、煌めいた印象を受ける。自分とは、無縁な世界。自分の天職って何だろう、と考えることすら憚かるイメージ。 高校を卒業して、短大へ進学した。夢を持っていたが、父からは、高校卒業後は就職をするように言われていた。本当は、大学へ行きたかった。 母の説得で、何とか短大へ行かせてもらった。なりたかった職業の条件の一つが「大卒」だった。そのた
#未来のためにできること 勉強しないとダメですか 私の子どもは、中1と小5の二人。 中1の子どもは、この春中学受験を経験したが、希望はかなわず、現在公立の中学校へ通っている。 中学受験による心身への負荷は、想像以上だった。子どもが望んだため、応援することにしたのだが。 こなすべき課題、偏差値へのプレッシャー。私は仕事があり、励ますことくらいしかできなかった。 1月、子どもが学校で、隙間時間を利用して過去問に取り組む。受験に挑むことをクラス中に知られることなど構わない。